イヴリスの反乱
コモスタクトをログアウトした翌日、拓人は大学で講義を受けていた。
講義が終わり、コンビニで飲み物を買ってから家へ帰る。
「さて、今日の夜ご飯は何にしようかな?」
拓人はペペロンチーノを作ることにした。
「よし、ペペロンチーノが完成だ。味はどうかな?」
「うん、ちょっと味が薄いけど美味しいよ。」
食事を終えた拓人は、再びコモスタクトにログインした。
「戻ってきたぜ、コモスタクトに!」
サーモンはログイン後すぐに鍛冶屋へ向かい、ドアを開けた。
「おう、サーモン、よく来たな!」
ダニエルがにこやかに迎える。
「悪いな、まだ武器は出来ていなくて、あと数日はかかりそうだ。」
そこでダニエルはヘパイストスにある図書館を紹介してくれた。
「サーモン、お前はここに来て何も知らねぇだろうから、図書館でこの惑星のことを調べて来い!」
「ありがとうございます、ダニエルさん! じゃあ、図書館で情報を集めてきます。」
サーモンは鍛冶屋を後にし、そのまま図書館へ向かった。
「よし、図書館に着いた。そんなに遠くもなかったな。」
館内に入り、サーモンは惑星について調べ始める。
「ふむふむ、この惑星には複数の都市があるんだな。」
「主要な都市はこの6つか……」
主要都市:
イヴリス(軍事都市)
ヘパイストス(鍛冶都市)
ミネルヴァ(研究都市)
オケアノス(港湾都市)
アグニ(農業都市)
エオス(中立都市)
ネメシス(宗教都市)
図書館の天井では、機械仕掛けの天球儀がゆっくりと回っていた。
拓人――いや、今は“サーモン”という名で生きる彼は、ウラニアの国家地図を見つめる。
「イヴリス……ここか。軍事都市、隣が鍛冶の都市、ヘパイストス」
ページを繰るたび、古代の戦争記録や国家間の同盟条約が記されている。
そのとき、図書館の静寂を破るように、壁に設置された警報石が赤く点滅した。
「《警告》──イヴリスにて反乱が発生。中央評議会より、国家警戒レベルを【赤】に引き上げます」
周囲の学者たちが慌てて席を立ち、司書が慌ただしくスクロールを巻き戻す。
拓人は自分の目を疑った。
まだ何も詳しく知らないはずの都市、イヴリスで、反乱が起きたというのか。
(まさか……そんなに急に動き出すとは……)
手に持っていた「イヴリス歴史」の書が、手から滑り落ちて床に落ちた。
遠くで響く砲声は、決して幻ではなかった。
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