コモスタクト、起動
初めまして、パンチャーです。小説を書くのはこれが初めてですがよろしくお願いします。
北見拓人は、数週間も手に入らなかった伝説のフルダイブ型VRゲーム『コモスタクト』のパッケージを、ようやく手にした。
発売日からあらゆる店で品切れ続き。手にしたその感触は、まるで長く探し求めていた宝物を掴んだかのようだった。
「やっと……ここまで来たんだ」
その言葉に、興奮だけでなく、押し殺した焦りと不安も混じっていた。胸の鼓動は速く、手のひらには冷や汗がじんわりと滲み出ている。
何度も諦めかけた。だが、このゲームで自分だけの物語を紡ぎたいという、熱い願いが手を止めさせなかった。
このゲームは、広大な銀河を舞台にした未知の冒険世界。プレイヤーは開拓者として宇宙の果てに足を踏み入れ、自由に未来を切り拓いていく。
孤独な旅を選ぶもよし、仲間と国家を築くもよし。だが、拓人はまだ知らない。
その世界には、ただのゲームではない“何か”、想像を超える危険の影が確かに潜んでいることを──。
ヘルメットを被り、ダイブ装置のスイッチを押した瞬間、視界は一瞬で光と音の渦に飲み込まれ、現実の世界が遠のいていった。
しかし、その直後、画面の隅に赤く点滅する謎の信号が浮かび上がる。
まるで誰かに、じっと見られているような――冷たい視線が背筋を這い上がった。
「……始まったな」
そう呟く声は震えていた。
この瞬間から、拓人の新たな人生が動き出す。
そしてそれは、やがて“現実”すら揺るがす大きな波紋となるだろう。
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