#1 セラムと狼
セラムは水の精霊。
グアテマラの森のなかにあるセノーテに住んでいます。
青く澄み切った泉の底は穏やかで落ち着いているけどひとりぽっち、家族はいません。
人間の姿をしているときは14歳の男の子。
学校は、森の外にある街まで通っているけど仲の良い友達はいませんでした。
趣味は昆虫探し。
毎日、森の中のさまざまな蝶や珍しい虫を見ると夢中になって観察しました。
ある日、雨が止んだ月夜。
月明かりが泉に差し込んで、セラムは泉から外へ出てみたくなりました。
泉の周りを散歩していると、森の奥から何か光るものを見つけました。
ピカピカした光に引き寄せられながら、近づいて行くと森の中からオオカミが現れました。
オオカミもまた、その光に引き寄せられて来たようでした。
セラムはオオカミに見つからないよう、どんどん光に近づいて行きますが、
目的地は一緒なので、オオカミよりも早く光の正体を見ようと急ぎました。
そして、光に近づくと月光に照らされた昆虫が樹木にくっついていました。
その昆虫は光りにあたると、角度によってさまざまな色に変化します。
「こんなに綺麗な昆虫を見たことない」
「これは幻の昆虫、月光虫だ!!」
(月光虫は月明かりを浴びて成長する珍しい虫)
泉の周りを散歩していると、森の奥から何か光るものを見つけました。
ピカピカした光に引き寄せられながら、近づいて行くと森の中からオオカミが現れました。
オオカミもまた、その光に引き寄せられて来たようでした。
セラムはオオカミに見つからないよう、どんどん光に近づいて行きますが、
目的地は一緒なので、オオカミよりも早く光の正体を見ようと急ぎました。
そして、光に近づくと月光に照らされた昆虫が樹木にくっついていました。
その昆虫は光りにあたると、角度によってさまざまな色に変化します。
「こんなに綺麗な昆虫を見たことない」
「これは幻の昆虫、月光虫だ!!」
(月光虫は月明かりを浴びて成長する珍しい虫)
セラムは発見の嬉しさでいっぱいになり見とれていると、
後ろからオオカミがやって来てパクッと月光虫を食べてしまいました。
「えー!!」
セラムが驚きと失望の声をあげると、
オオカミはチラッとこちらを見てから去りました。
僕はいつもこうなんだ、誰かにいいとこを横取りされてしまう。
だから、ひとりでいたいのだろなとセラムは思いました。