王都ファーストプレイン
「ほう。思っていたより…」
未だ森の街道にありながら、男の視界には既に遥か先の巨大な城壁と中央に聳え立つ、恐らく城の上部であろう建造物の影が見えていた。
「どうしてなかなか。それなりの広さがある街道だとは思っていたが。」
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(いやはや、遠くから見てあの大きさの時点ではあったが、近くに来てもやはり大きいものだな。)
(舗装も無ければ轍も無いで町でもあればと思って歩いてきたが、どうやらそういう訳でもないらしい。)
男の前には結構な量の人と馬車が並んでおり、この街がそれ相応の発展具合である事を伺わせる。
(そして、馬車がここにこうして並んでいる以上、あの街道を通っていないということはないだろう。という事は、あの道の均された地面は思った以上に弾力を備えた硬質であるという事だ。只々地面を均しただけに見えて、なかなか技術の発展していることだな。)
(それに門の前だけで数の多い事よ。行く道で誰とも出会わなかったのも過疎地故と思っていたが、まぁそういう事もあるか。)
「さて、それじゃぁまぁ。俺も行ってみますかね。この地に降り立って記念すべき第一都市という事で。レッツラゴーゴー」
そうして男は、無事に審査を終え巨大な城壁の門を潜る。王都、ファーストプレインの地を踏んだ瞬間であった。




