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遊楽生活@異世界にて  作者: YaTaro
3/12

第3話 異世界に来た理由

 一国一城の主になった宴会の晩に厠へ向かうと、美少女がいた。

 そして、便器から出てきた美少女。


 ワシが、出会ったその美少女の名は、ミレイ。


 そして、そのミレイに案内され、異世界に参ると、変なピンクの部屋に招かれ。


 ワシの姿は、知らないうちに若返っていて、目の前には、魔界の王妃で在られるシオンという、ワシの幼馴染によく似た王妃が立っていた。



 ワシはしばし、沈黙を連ねる。


 ここは、黄泉の国なのかと。


 たしかに、小便の色は黄色かったが、飛び込んだ先は、ピンクの部屋。


 そして、ワシが案内された部屋は、応接間のような豪華な部屋だった。



 今の状況を理解するには、根気がいるようだ。

 おそらく、ワシを含め誰も、理解はできていないだろう。


 その自信はある。。。



 では。解説をしてもらおうではないか。


 そこの便器タウロスに。



「あ、あの。ワシは王妃様の横の席に座るって、どういうことでしょうか?」


「ん?なに?わざと濁していってあげたのに。わからないの?」


「い、いや、なにぶん。そなたも知っているはずだが。ここに来たばかりで、すぐに、王妃の隣に座れと言われましても。ワシもなにをすれば、良いのか。

 皆目検討がつかぬのじゃ」

 ワシは、便器タウロス改め、ミレイに声をかける。


 元はといえば、そなたが、「助けてほしいの」って(第一話)で

 わしに、背中から抱きついて、言ったのではないか。


 と、言いたかったが、王妃の御膳の前なので、言葉を濁して、問いかける。


「つまり、シオン姉さんと結婚をしてほしいということ」


「姉さん?」


「そう。私の姉さんの婚約者になって欲しいの」

 ワシは、しばらく、ミレイとシオンの顔を行き来させ、考える。

 確かに、顔の似ている部分は多少なり、感じる。


 が、胸が。

 全然、違うではないか。胸が。


 ワシは、シオンという王妃様の露出度の高い王族の服装を見て、ウットリする。


 そして、やんわり、告げる。

「そなたは、ワシの義理の妹になるのじゃが、それでも良いのか?」



「便器タウロスっていう、あだ名。やめてくれるなら、それでイイわよ」

 え。それだけ。

 私は驚いて、ミレイを二度見する。


 そして、咳払いをして、もう一度、シオンへ振り向き、こう告げる。


「ワシで宜しければ、婚約を致しましょう」


 しばらく、場内に殺伐とした空気が流れたかと思うと、

 シオンの眉間にシワが寄ったことが理解できた。


「嫌だ」



「結婚なんて、嫌だ。いくら、相手が、異世界人で強くたって。異世界人は嫌だ。」

 シオン王妃は、頬を膨らませて、そっぽを向く。



「で、ですが、彼らの協力が得られなければ、この国は、ほ、滅びてしまいますぞ」

 王妃の周辺にいる家臣がそう言って、狼狽える。


「そんなに、ヤバイのか」

 ワシは、家臣の慌てっぷりを横目に、ミレイに尋ねる。



「父上が、生きていた頃までは良かったの。生きていた頃までは。

 莫大な魔力を有していて、他国を牽制できていたの。

 でも、数ヶ月前に亡くなってから、家臣の離反が頻発して、他国へ寝返ることが増えてきた。私達の国は、この世界では、唯一のサキュパスの国で、とても、世界の男どもから需要があるの。だから、なんというか。

 とても、大変な状況なの。わかる?」


 家臣の離反どこかで、聞いたような話じゃが、どこの世界でもあることなのだと、しみじみ感じる。


「では、もう一つ、質問じゃ」

 ワシは、ひと呼吸、置くと、聞きづらい質問のためか、いつもより間をあけて、続きを話す。


「なぜ?異世界人は、重宝されているのじゃ?」


 この回答次第で、ワシのこの世界での立ち回りが決まる。


 一国一城の主から、次のキャリアが決まる。


 昇格か?降格か?


 わしが、どんな扱いを受けるのかが決まる。


「それは、もちろん、あなたの性欲が強いからよ」

 そうミレイは恥ずかしげもなく、そう答える。


 そして、すぐさま、疑問が浮かぶ。


 ワシが、ミレイの前で、何か見せただろうか?


 ワシが初めてあったのは、小便をしている最中。


 ここで、女性らに囲まれていたとき。


 思い当たっても、それくらいだろうか。

「なぜ。わかるのじゃ?」

 ワシは疑問を確かめる。


「私達はね、見れば分かるのよ。形を見れば」

 そういわれて、おもわず、ワシは自分の股間を触る。


 そして、祈る。


 神様、仏様。ありがとう。




「形が良いと、何が良いのじゃ。」


「魔力量が桁違いに違うわ。それから、あなたと契約をすれば、契約したサキュバスは、使える魔法の種類が増えるわ」


 なるほど、いいことだらけ。


「それでも、シオン王妃は断ると。。。」

 ワシは肩を落として、ぼそっとつぶやく。


 やはり、リベンジなんて、無理だったのかと。



 そのとき、場内の壁際から、強い衝撃音が床に伝わり、足元が揺れる。

「きゃっ」


 ミレイはおもわず、よろめく。


「な、なにが起きたんじゃ?まさか、地震?」

 ワシは動揺しつつも、横の壁に体を支えてもらっているミレイに話しかける。


「既に、敵に囲まれているのよ。あとは、私達がどこまで、足掻くかが勝負」

 現状を把握してそうな、ミレイに対して、なるほど、と僕は頷く。


 心配そうに、頭を伏せるシオンを見やって、横にいて焦るミレイに対して、ワシは、ゆっくりと口を開く。


「籠城戦は、得意じゃ。少数勢力でも、勝てることを証明して、ワシは、気に入られて魔王になる!」

 ワシは、そう高らかに宣言をして、王室の扉をあけて、廊下へ出た。


 扉の両サイドには、家臣がすでに、戦闘の準備をしていた。


「久しぶりの戦じゃ。籠城戦じゃ。気を引き締めるぞ。お前たち」

 ワシはそういって、家臣を鼓舞すると、自分の自室に紙と筆を取りに向かった。



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