表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遊楽生活@異世界にて  作者: YaTaro
2/12

第2話 レロレロレロ

 レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ


 注がれる。聖水


 この前のハプニングが頭の中でフラッシュバックする。

 あんな、汚い記憶。

 便器タウロスが急に出てきたが故のハプニング。


 あああ。

 恥ずかしい。



 きっと、臭かっただろう。

 あんなの、人にかけるものではない。


 酒を飲んで酔いつぶれたゆえの、幻想。

 一生の不覚。


 はて。


 ここは、どこだ。

 真っ暗闇の中。何故か自分の姿は認識できる。


 急に誰かに腕を引っ張られる感覚がワシを襲ってくる。

 なんじゃ。

 ぐぐぐ。

 強い。


 ワシを引っ張る何者かに、目を向けるとそこには、便器から出てきた。

 便器タウロス(可愛い美少女)の姿があった。

 美少女といっても、成人しても良いくらいだが。


 ぬわ。

 思わず、真っ暗闇の中、体制を崩しそうになる。

 瞬間、三半規管を揺らされたように頭がふらつくと、ワシに馬乗りになる彼女の姿があった。


 ちょ。やめてくれ。

 彼女の額からは、鬼の角が二本生え、八重歯が尖っている。

 その二本が急激に十数センチ勢い良く伸び始め、ちょうど、自分の目の先にゆっくり近づいてくる。

 彼女は、視界から徐々に見えなくなり、目の前、眼球の前には尖った角の先が迫ってくる。


 ああああああああああああああああああああああああ。

 眼球に触れられる。こしょばい感じが伝わったあとに、血の匂いでもない、膿んだ匂いが鼻を刺激する。


 いや。いやじゃ。やめてくれ。


 両手はなぜか拘束されたように動かず、何もできない。


 うおおおおおおおおおお。



 その叫びとともに、急に現実へと揺り戻される。

 目の前には、見たこともない、装飾の提灯がぶら下がっていて、ワシの目ん玉を舐めてくる。。。。


 女?


 がいた。


「夢か?」


 ふふ。もう起きちゃったの?


 へ。


 その方向に顔を向けると、ああ。

 乳房を顕にしている娘が、ワシの手に馬乗りになって、拘束をしていた。


 ワシの指先がいま、何をされているのか、まったく人影で見えなかったが、何やら、とてつもなく柔らかい、感触の良いものを触っていることはわかった。



 やっぱ、すごいよね。異世界人って。



 っうん?

 自分の足の方へ目を向けると、数人がワシに跨って、見下ろしていた。


 どうしてもこうも、お主らは、おなじ衣装なんじゃ。




 あ、ちょっと。待ってくれ。

 何やら、触られたくないところを、触られているような。


 ワシがもう一度、足元に目を向けると、見えるのは、彼女たちの背中だけで、何が行われているのかは、確認できない。



 うおおおお。なんだか、気持ち悪い。



 ワシは、これから、どうなるんじゃ。





 その時、この妖艶なピンクな空間に、扉を開ける音が響き渡った。

「そこにいたのね!」



 彼女たちが驚いたところに隙を見て、わしは立ち上がると、そこには、夢に出てきた彼女(便器タウロス)がいた。



 やっと、知っている人がいた。

 思わず、嬉しさのあまり、駆け出して、扉の側に立っている彼女の手を握る。


「会いたかったぞ」


「私もよ。勝手にゲートに入っちゃったから、転移先がわからなくて、探し回ったわ。」


「おお、そうか」

 ワシは、彼女が、なんのことを言っているのか、8割分からなかったが、とにかく再開を喜んだ。


「それより、服着て。服」

 彼女は、恥ずかしそうに、目を両手で隠す。



 ん?

 ワシは、裸。そうか。

「服がないんじゃ。服を貸してくれ。」


 わかったわ。仕方ないから、ついてきて。


 ワシはそう言われると、躊躇なく、この部屋から出た。

 しかし、その瞬間、部屋から出た先が、行き来をするようの廊下だったようで、あちこちから、悲鳴が響き渡る。


「おおおお。すまぬ」

 ワシは、見苦しいものを見せたと、股間を隠し、そそくさと、彼女の後を追う。



 そして、彼女の部屋に辿り着き、服を渡されて、姿鏡を見て気づいた。


「あれ、若返ってる?」



 間違いない。そこには、二十歳の頃の、筋肉もたくましい自分がいた。

 30歳のころに戦場で負った、肩にある刀傷も無くなっていた。


「なあ。ワシ若返ってるか?」

 服を着たあとに、部屋の外で立って待っていた彼女に声をかける。



「うん。若返ってるね。けっこう。イケメンじゃん」

 彼女は、そう言って、わしに初めて笑顔を見せた。



「なあ。便器タウロス。この世界の説明をお願いしたいのだが」

 そういった瞬間、彼女は笑顔を一変させ、怒りの表情になり、ワシをぶん殴る。


「やめてよ。その呼び名!すっっっっっごい恥ずかしいんだから!!!」


 すまんすまん。わしは、女性に卑猥な呼び名をしてはいけないと、反省をする。



「私の名前は、ミレイ。もう辞めてね。その名前で呼ぶの。あっちでは、知り合いもいなかったから、良かったけど、こっちで呼ばれたら、溜まったもんじゃないから」

 ミレイは、そう吐き捨てるように、注意すると、ワシの腕を引っ張る。


「ここに来る前も行ったけど、あなたには、魔王になってもらうわ」

 ミレイは、そう言いながら、ぐんぐんワシの手をひっぱり、部屋を出て、また違う場所へ連れて行こうとする。



「どどどど、説明が急すぎて、ぜんぜん、ついていけないのじゃ。魔王って、なんじゃ。」


 いけばわかる。そう言いたいのか、ミレイは無言で、次々と扉をあけていき、扉で番をしている兵士もミレイに深々と頭を下げる。


 偉い人なのか、ミレイは。



 そして、最後の扉と思われる大きい、宝飾の飾った扉を開けたときに、十数段ほどある階段が視界に飛び込み、次に、赤いレッドカーペットが、ある場所に続いていることを確認する。



「あそこに座ってほしいの」

 ミレイはそう言うと、ワシが見ている階段の頂点にある空白の席に指を指す。


 そして、ワシは、席の隣にある人物が立っていることに気づく。


 あれは。ワシがボソッとつぶやくと、直ぐにミレイは反応した。


「あの御方は、魔界の王妃で在られる。シオン様です」

 わしは、そう言われ、目を凝らす。



 そこには、偶然似ているとは思えない。




 亡くなった幼馴染に似た王妃が立っていた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ