混線
『ガ、ガ、ザアアー、ウンタラカンタラ✕✕✕…………』
「ちょっと、なによこれ!」
「あ、混線した」
「盛り上がっていたのにー」
九州と沖縄の間にある離島出身の大学の男友達が帰省するのに付いて来た私たちは、離島の海岸でBBQしながらラジヲから流れる音楽を楽しんでいた、そうしたら、突然雑音と共に音楽が途切れ半島語らしい放送に切り替わったのだ。
「うちの島、本土や沖縄の放送局が途切れ中国や南北の半島国の放送に切り替わる事がよくあるんだ。
周波数が近いらしくってね、直ぐ混線するんだよ」
「そう言う事情なら仕方が無いか」
「そうね」
『ザ、ザザ、ガ、次の曲は〜』
「「あ、直った」」
男友達が焼いてくれたお肉や野菜を食べ波打ち際で波と戯れる。
西の空が紅く染まり、そろそろ男友達の家に帰ろうかと思い始めた時、またラジヲが雑音を発した。
『ガガ、ザ、ザ、ザアア、こんばんはー、令和○○年○月○○日、今宵も〜』
「あれ? 今、○○年って言わなかった? 今年は○✕年だよね」
「うん、○○年って言ったは、○○年は再来年じゃ無い、間違えたのかな?」
「生放送で間違える? それに、間違えたんなら言い直すでしょ」
『バタン! オイ! 今生放送中だぞ!』
スタジオに誰かが乱入したらしい音とそれを咎めるDJの声がラジヲから流れる。
『臨時ニュースだ! これを読め! 此れは…………、いいから早く読め! ああ……』
『臨時ニュースです。
第3次世界大戦が勃発しました』