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season1 エピローグ

「リアナ! セーナ! ちょっときて! ぴかりんのぴんち!」


 あたしは久しぶりに見た工房で、二人がかりで一人の倒れ込んだ男を持ち上げていた。


「あ! 栞様!」

「シオリ! ってなんて恰好で出てきてるのよ!」

「いいから! この男気絶してる! 全裸でもなんでも気にしないから!」

「栞ちゃん、私は、気にしたい、かな」

「マスター! お預かりします!」

「おふたりとも、ばすたおるです」


 あたしたちからリアナとセーナがぴかりんを預かり、リビングのソファに寝かせた。

 小さな子からバスタオルを預かり、体に巻く。

 普通のタオルもくれたので、濡れた頭も軽く拭きながらリアナに聞いた。


「リアナ、ぴかりんどう?」

「かなりの魔力を消費してるみたいです。お体は問題なさそうですけど体力も、しばらくは目を覚まさないかと」

「そっかぁ、良かったぁ」

「光君、すっごい、がんばったから、向こうでも、こっちでも」


 あたしの横で、あたしより長い髪の持ち主が頭を拭きながらぴかりんの顔を覗きこんでいる。


「栞様、お久しぶりです。初めまして相良エイミー様。エイミー様、とお呼びしても?」

「え!? あ、えっと、エイミーで、いいです、よ?」

「ありがとうございます、エイミー様」

「いや、あの、エイミー、で」

「エイミー様とお呼びしても、よろしいでしょうか?」


 ああ、エイちゃんがリアナスマイルにやられてる。


「エイちゃんエイちゃん、リアナはこうだから」

「あの、この方が、栞ちゃんの、言って、た?」

「マスターである光道長様により作られましたホムンクルス。リアナと申します」

「同じく、セーナよ」

「イリーナですっ」


 リアナとセーナはいいけど、イリーナ? 新しい子が増えたのね。

 それにしても銀髪キツネ耳&尻尾とは。


「グッジョブだわ、ぴかりん」

「あははは」

「何? 夜中に騒々しい……」


 ダルそうな声と共にエルフの女がリビングに来た。


「だれ?」

「マスターが蘇生されました、御学友のお二人です。栞様、エイミー様。同居されているエルフのイドリアル様です」

「ん、ん? んんん?? 蘇生??」

「えっと、ぴかりんと同じクラスの『川北 栞』よ」

「あの、『相良 エイミー』です」

「そせい? 人間って、生き返られるの?」

「や、ぴかりんが異常なだけ」

「えっと、ディープ様も、500年ぶりだ、って」

「マスターですから」

「ご主人様に不可能はないわ!」

「あるじ、すごいの!」


 目を見開いて驚くエルフのイドリアルさん、てかさっきの眠そうな顔も色気あったし、ちゃんと顔を見ると綺麗ね。

 セーリアルさんも綺麗だったし、エルフの里の女性もみんな。

 むう、ぺったんこエルフに胸囲で負けるあたしって。


「ライト、寝てるの?」

「魔力欠乏症です。意識が戻られるまでは薬も飲ませられませんので」

「そう」

「ライト?」

「今はご身分をお隠しになられておりますので」

「ああ、なるほど」


 リアナに訪ねていると、イドリアルさんが何気なくぴかりんの顔を覗きこんで。


「って何してるんですかっ!」

「え、ちょっ、あの!」


 キス! キスしましたよこの人! え? ぴかりんそんな人生歩んでるの!?


「ん、うん。少しだけ、魔力を補充しただけ」


 ええ! くくくく、口移しで!? 唇から糸引いててエロいんですけど!


「はなれて、くださいっ!」

「!?」


 エイちゃんがイドリアルさんを吹き飛ばした!

 え? なんかすごい力が出てるみたいだけど!?


「……………このままでは危険、でも意識が無い時に、大量に送るのは良くないから少しだけ」

「ほほほ、ほかに! 他にやり方があるでしょう!」

「無い事は、無いけど」


 えーっと、イドリアルさんの視線がぴかりんのぴかりんなぴかりんに……。


「もっと、すごい」

「~~~~~!」


 エイちゃんのリアクションが面白い。

 あともっとすごいって、あれよね。こう口で……。


「栞ちゃん、エルフって危険って聞いたけど、本当なんだね」

「はっ、そういう意味で言ってたんじゃないんだけど。それよりもさ」

「?」


 エイちゃんはぴかりんを守る様にぴかりんに抱き着いているけどさ。


「エイちゃん、大胆だよね」


 全裸で。


「ひゃあ! ば、ばすたおるっ!」


 床に落ちてるよ?

 慌ててバスタオルを体に巻いたエイちゃんが胸元を抑えて一息つく。


「栞様、エイミー様」

「何? リアナ」

「は、はい」


 リアナとセーナが顔を合わせて微笑むと、こちらを向いた。


「「 おかえりなさい 」」

「あ」

「えっと」


 思いがけぬ言葉を貰った。照れる。


「た、ただいま、です」

「うん! ただいま!」


 早く、ぴかりんも起きないかな。ただいまって言いたいな。

 少しだけ血色の良くなってきたこの男の顔をみる。ほっぺ触りたくなった。触ろう。


「へへ♪」

完結となります。


以下全体の話まとめ。


道長、おいてかれる。

 ↓

道長、色々と用意する。

 ↓

道長、二人を生き返らせる。



こんな流れです。


ここまで読み切って頂き有難うございました。


【season2】は評価とかブクマが伸びましたので執筆を続けております。

形になりましたら投稿を開始しますので、しばらくお待ちください。




それじゃばいばい!

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こんな作品を書いてます。クリックするとそれっぽいところに飛びます
おいてけぼりの錬金術師 表紙 強制的にスローライフ1巻表紙
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。 良い物語をありがとうございました。 続きも楽しく読ませていただきます。
[良い点] 魔王を倒すまでの作品ばかりだけど、 倒してからの作品はレアだから面白かった。 しかも一人だけ残って死んだ仲間を取り戻すなんて作品は出会ったことがなかったので凄く楽しめた。 [気になる点] …
[一言] 某紹介サイトから来て一気読み、完了。 続き、お待ちしています。
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