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十七
部屋にゴミが転がった。
ソースが服にこびりつく。
それを取ろうとは思わない。
いくつ、ついただろう。
明日への渇望を見失った。
終わる勇気は未だにない。
見つけることは諦めた。
どんなに、苦しいか。
夢の囀りを聴いた。
空の向こうに原子雲。
ただの虚妄だった。
そんな勇気も、ないくせに。
今日は雨の降る夜。
明日は線の広がる場所。
過去の花を振り返り、明日の一寸を惨めに思う。
昔は花に、今日は道に、明日の砂地を歩く。
黒い影を想像する。
黄昏に沈むチャイム。
明後日に今日を置く。
終わる勇気は未だない




