表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

青空を見上げて

作者: 星凪 怜

昨年、15年乗った車を手放した。

初めの頃は、リコールがあったりで

『体の弱い子(車)だな~』って思っていた。

それでも、だんだんと愛着がわき、悪路や雪道では

『頑張れ!〇〇(車種)なら走れる』などと、応援もした。


しかし、エンジンにガタがきて、直すか新車かを選ばなければいけない事態になった。


新車のカタログを見ながらも『まだ動くしな~』と、悩んでいた頃、妹が新車を買う事になった。

それで、3年乗った車を、私に売ると言う。


『買い取り店に売ってもいいんだけどさ~

この車、もう15年乗ったでしょ。安くしとくから』

と、新車の頭金程の金額で、私に交渉してきた。


今までの車は修理費見積もりは、けっこうな金額。

新車も、それなりの金額。


そうなると、妹の話はお得な話に見えてくる。


すぐに、名義変更手続きをした。


それを待っていたかのように、妹が言った。

『名前、まるちゃん。だから』


?????


何の事か理解できないでいると、妹は笑って

『車の名前』と。

『車の名前⁉車に名前つけてるの⁉』

驚きながらも、頭のなかでは、普段の妹の姿が浮かぶ。

確か、冷蔵庫や電子レンジ、スマホ…名前をつけていた。


それは学生時代から。

ペンケースに名前をつけて可愛がってるのを見た事がある。

見たとき、かなり引いたけれど(笑)


『名前つけると愛着がわくでしょ。自分の物って感じ?』

いや、名前つけなくても自分のだから。


『ちゃんと名前を呼んであげてね』

そう言って、妹は新車を買い、新たな名前をつけた。


初めての冬、アイスバーンで軽くタイヤがスリップ気味になった事があった。

思わず『まるちゃん、貴女は、ここよりもっと雪の多い所を走ってきたでしょ。アイスバーンも慣れてるでしょ』

と、自分に言い聞かせるよう言った。


でも、なかなか呼べない。

呼び慣れてないせいかも知れない。


テレビやラジオには、話しかけたり突っ込んだりするけれど、名前を呼ぶのとは違う。


でも、色々聞いてみると、名前をつけてる人が、けっこういると気付いた。

車体の色が薄くなってきて『ハゲ』

子供達が、お菓子のクズをこぼすから『ごみ箱』

土禁にしてるから『ドキ〇ちゃん』

車体が青いから『ド〇えもん』

BMWの『B太郎』


私も色々と名前をつけてみようかな。

スマホに…『マホちゃん』?


…センス無いかも(笑)


とりあえず、付き合いはじめて10ヶ月の『まるちゃん』

仲良くしていこうと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ