表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

独楽

作者: 嘘吐き

勢いでかいてしまった。後悔しかしていない。

僕の目の前で独楽が回っている。勢いよく回っている。ついさっき回したところだ。


最初こそ、僕の力でそれを回したけれど、そのあとは知らない。彼らは勝手に回ろうとしている。


回る気がないかのようにぐったりとしていたのに、ちょっと手を加えてやったら、自分で回りだした。


彼らは世界が自分を中心に回っていると錯覚している。勝手に踊って錯覚している。


すぐに終わりが来るのだろう。ひとつの独楽の回転の速さがゆっくりと落ちていく。短く永い人生を歩んだ彼に、死神が近づいていく。ソレから逃れたい彼は、最後の力を振り絞って逃げる。が、死神は鎌を振り下ろす。彼はその場でのたうちまわり、それっきり動かなくなった。


ひとつの独楽は回っていた。彼もまた、同じように錯覚している。有頂天になっている彼を、僕は片手で止めた。現実を知った彼はその場でぐったりとして動かなくなった。


彼らは回り終えることで気づいたのだ。自分達を中心に世界が回っていないことに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ