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青空の向こう

部屋に戻っても何だか眠れなかった。


余韻がなかなか消えなくて。


パパママがくれたリングに度々目を向けて。


アタシにとっての御守りがまた1つ増えたね。


「オレも飲みたいですぅ」


まだゴネてる如月。


「妃音様に確認しろ」


えっ?


神楽が止めない!?ってコトはもしかして?


2人の会話が耳に入ってくる。


『如月って19よね?』


念の為確認。


神楽が説明してくれた。


「現在ワインに限りましては健康医薬食品としての分野が確立されておりまして、正式に18歳からの飲用が認められております」


はぁぁぁ。


時代が変われば認識も変わるのね。


当たり前だとは思うケド。


『じゃあイイよ。パパママに内緒ね』


「ありがとうございます!!」


嬉しそうに部屋を出て行った。


いよいよ帰るんだね。


『アタシ、帰って大丈夫かな?』


弱気な発言。


「何を仰ってお出でですか。全国民、一日も早いお帰りをお待ち申し上げております」


ココに未練が無い訳じゃない。


だけど帰りたくない訳でもナイ。


10数年のブランクが不安なだけ。


神楽達と接してきたから、アタシ自身の認識とアタシ以外の全ての人達の認識に膨大なズレがあるコトにも少なからず慣れたつもり。


「我々が責任を持って対応させて頂きます」


神楽のコトバが優しく強く胸に入った。


『ありがとう』


そうだよね。


アタシ1人じゃないんだもんね。


神楽も如月もbossもいるんだもんね。


何とかなるか。









翌朝、3人で最後になるかも知れない学校へ向かった。


もう大抵の学校は夏休みに入っているから、ウチらに向けての視線や会話がほぼなく平和に(?)通学。


乃亜は今日も別登校。(ってか部活。)


なのをイイコトにアタシは写真や動画を取りまくった。


いつもの通学路、見慣れた街並み、校門、校舎。


休み時間には校内の風景や生徒会メンバー、クラスメイトとも写真を撮って。


当然のように怪しまれたけど、“誕生日前に記念に”って苦し紛れな言い訳をして。


泣かないようにガマンするのが大変だったけど。


せっかくだから研究室にいる神楽の姿や工学部生サン達も撮って。


いっぱい撮っちゃった!!


乃亜とはこの後一緒に花火大会行くからその時に。


制服姿はちょいちょい行事とかで撮ってたから、浴衣姿でいっぱい撮っちゃおうっと♪


なんて浮かれてる場合じゃナイんだけどね、ホントは…。


こうでもしてないと泣いちゃいそうで。


こうしてる間も視線はちょいちょいストーンに向いてしまう。


神楽と如月もしかり。


『bossから何か連絡あった?』


昼休み、ホールで神楽と合流。


さっそく訊ねる。


「まだ何も」


明るく答えてはいるモノのアタシもそうだけど安心は出来ない。


取りあえずは旅行が無事に終わってくれれば。


それが今の気がかり。


「ご安心下さいませ」


ドキ☆☆☆☆☆ン↑↑↑


不覚にもまたドキッとしてしまった。


神楽の“ご安心下さいませ”はアタシにとってはかなりの破壊力なんだからぁ!!


精神的に・・・・・。


午後も気になって仕方なくて、何度も何度もストーンや掌に目が行ってしまっていた。


「レジスタニアは壊滅したんですから大丈夫ですよ」


休み時間、如月が小声で言ってくれた。


『だとイイんだけどね』


力無い笑顔でしか返事できなかった。


何事も油断大敵。


dead stoneと思われるあの塊の力が計り知れない気がするから。


放課後、一旦家に帰り着替えた後乃亜と待ち合わせなんだけど・・・。


浴衣姿の神楽と如月がこれまた有り得ないくらいにモデルかって程の似合いようで。


思わずカメラに収める。


こりゃ巷でウワサになるのも納得だゎ。


アタシまで惚れ惚れしちゃうよ。


花火大会、大変なコトになるんじゃないの?コレ。


いやぁぁぁな予感。


を感じつつも、浴衣姿の3ショットもしっかりカメラに収めて。




待ち合わせ場所に着くと、案の定乃亜はいなかった。


“遅れる”ってメールがあったから想定内ではあったけど、


待ち合わせ場所で待っていたのは乃亜ではなく、


通学時よりもハデな歓声・視線・会話に加えてのまさかの撮影攻撃だった。


思いっきりの居づらさを感じながらも、引きつりながら何とか対応する神楽と恐らく完全に素対応であろう如月の、天と地以上の温度差に内心楽しむアタシだった。


かなりの人に囲まれていると、神楽が突然輪を抜けて少し遠くに走り出した。


まさかっ!!


一瞬にして緊張感がアタシと如月にも走る。


「ゴメンナサイ!もうココで終わりで。ホント申し訳ないっ!!」


何度もひたすら謝り倒して無理矢理その場からダッシュで神楽の元へ向かった。


「かしこまりました、厳重警備に入ります。そちらをお願い致します」


ドキっっっ↑↓↑↓


お兄様が戻ってきたのね、きっと。


一気に緊張感アップ。


「御旅行からお戻りになり、黙ってお一人でどこかへ出掛けられたそうです。現在捜索中とのコトです」


神楽の表情がメチャクチャ暗い。


「ってコトはもう」


当然如月の表情も暗い。


「分からない。せめて皇妃様にだけは知られないようにと皇王様も憂慮なされてるとのコトだが」


お母様。


お母様のコトを考えたら激しく胸が張り裂けそうな思いになった。


「あっ!!乃亜ぁぁぁ!」


一変、ハイテンションの如月が乃亜に気付いて駆け出した。


「どこ行ってんのよぉ!!お待たせぇ♪」


乃亜も駆け寄ってくる。


!!!!!!!!!!


神楽がアタシの手を握ってくれた。


心臓バクバク↑


「ご安心下さいませ」


真横からまさかのご安心下さいませ攻撃。


アタシ撃沈・・・・・。


顔、見れません↓


でもアタシはその手を離せないでいた。







花火大会の会場はものすごい人だかりにも関わらず、案の定ウチらに向けての視線や会話はココでも起きていて。


この2人の浴衣姿、破壊力抜群なんだもん。


身内?のアタシが言うのもなんだけどさぁ。


ますます神楽から手が離せないよ。


前を行く乃亜と如月は愛想良く対応してるけど、


こっち2人は対象的に引きつりまくり。


屋台に逃げてみたり。


手をつないでるのが“ドキドキ”から“必死”に変わっていった。


「イイですね、花火って」


やっと場所を確保出来、ひと息つきながら神楽が呟いた。


『未来にはナイの?』


「琉按星は地球よりも空が高くありませんので、花火と言うモノそのものがございません。本物を見るのはワタクシも如月も初めてで御座います」


神楽、メチャクチャ嬉しそうな顔してる。


琉按星にはナイのか。


じゃあアタシも見納めだな。


ちょっとしみじみ。


あっ!!そう言えば。


『前に話してたプレゼント、用意出来てる?』


今乃亜に渡しちゃおうかな。


「ハイ。すぐに」


へつ?


ドコに?


言いながら神楽はPPから箱を取り出した。


唖然・・・・・。


ナニモノなの?このPPって。


四次元ポケット?


「転送のようなモノです」


キツネにつままれた状態のマヌケな顔炸裂のアタシに、シレっと神楽が説明してくれた。


転送、、、か。


『ありがとう』


箱に入った状態でよこしてくれた。


「bossに御願いしまして、この星にも存在する水晶で妃音様のブレスレットと同じタイプのモノを作って頂き、お二人のお名前を入れさせて頂きました」


途端に涙が溢れた。


何て計らいを。


私意って、そんな気遣いだったのね。


『ありがとう』


それ以外コトバが見つからないよ。


「乃亜様が驚かれますよ」


さりげなくハンカチを差し出してくれた。


あっ!?


もしかしてコレって。


アタシの名前がある。


“御守り”・・・・・。


ホントに持ち歩いてたんだね。


『持っててイイよ。あげる!御守りなんでしょ』


唖然としている神楽、初めて見た。


『bossから聞いたよ。ありがとう』


神楽に差し出して、自分の巾着からハンカチを取り出した。


あまりの驚きに反応出来ない神楽。


受け取るのが精一杯だったよう。


かたや隣の2人は立ち止まってるモンだからまた撮影攻撃に遭っていた。


はぁぁぁ。


ため息が出ちゃうよ。


ん???


ストーンが光り出した!!!


物凄い動揺と共に心臓が泊まりそうな衝撃。


!!!!!!!!!!


モーレツな寒気。


まさか???


お兄様!?!?!?


またしてもカラダが硬直しちゃう。


「妃音?」


神楽の声しか聞こえない。


周りの騒音が一切聞こえない!


「妃音、、、」


っっっっっっっっっっ!!!!!お兄様↑↓↑


背中がやたら冷たく感じる。


振り向けない。


「妃音?」


神楽の声が鬼気を帯び始めている。


アタシはあまりの戦慄に声が出ない。


花火の音も聞こえない。


大きくてキレイな花火は目の前には見えているのに。


「もう遅いんだよ」


えっ???


何が??


何が“遅い”の?


聞きたいけど聞き出せない。


今回は心の中でさえ会話出来ないの?


ってコトは学校のトイレの時みたいな状態ってコトなの?


「もう遅いんだよ、妃音」


お兄様の声が憂いてる?


「もっと早く気づけば良かったよ」


だから何が???


お兄様、教えて!?


「ゴメンね妃音」


お兄様ぁ!!!!!


??????????


フッと背中が温かくなり周りの音も聞こえ出した。


花火の最中にも関わらず神楽の手を思わず握ってしまった。


神楽は花火どころじゃなく、本当はアタシのコトがどうしようもなく気になっていた様子。


『お兄様がっ』


「えっ?」


神楽の手に急に力が入ったのがわかった。


『bossに連絡!』


コトバが続かない。


「かしこまりました」


神楽はその場でPPを操作し始めた。


手はそのまま離さないでくれて。


温かい手。


不思議と落ち着く。


『お兄様がっ、“もう遅い”って。“ゴメンね”って、スゴい憂いながら言ってた』


bossは驚愕を隠せないで聞き返してきた。


「琉雅様が?」


『会話が出来なくて、姿も確認出来ないで声しか聞こえなかったから何がかはわかんないけど、時間がナイ気がしてたまらなくて』


訳が分からず動転しちゃって半泣きのアタシ。


隣では神楽が手をずっと繋いでくれている。


「神楽、反応は?」


「全くありませんでした。妃音様のストーンが反応したのは確認出来たのですが」


「わかった」


2人の間に流れる緊迫感が尋常じゃなかった。 


bossもまだ動揺してるっぽいけど、努めて冷静に。


もう花火はあっという間にクライマックスに突入していた。


これでもかってくらいに写真は撮ったから、もうイイよね。


連発する花火を見上げて。


自然と神楽の手を握る力が強くなった。


どさくさに紛れて言おう、乃亜に。


『今までありがとう。乃亜のお陰で幸せな時間を過ごせました』


聞こえてないのをイイコトに。


直接言ったら疑われるし泣いて言えなさそうだし。


帰り道、人混みの雑踏の中で乃亜にブレスレットを渡した。


って言ってもコレも疑われたくないからどさくさに紛れて乃亜の荷物にそっと混入。


入れる寸前にそっと祈りを込めて。


ダメだっ!泣きそう。


ストーンを握って気を落ち着かせる。


っっつ!


また神楽の手が。


ストーンを握るアタシの手に被せてきた。


余計泣きたくなるからヤメて!!!!!


と言いつつも離せないアタシだった。


いよいよ乃亜との別れの時が来た。


「じゃね!」


普段通りのカラッとした乃亜。


涙のダムは決壊寸前、一触即発だった。


『ありがとう!元気でね!』


思わず口走ってしまった。


でも、幸いなコトに、


「うん!みんなも1ヶ月間会えないけど元気でね♪おやすみ!」


夏休み突入でどのみちしばらく逢えないから、“元気でね”は強ち間違いではなく。


3人で気丈に振る舞い、乃亜を見えなくなるまで見送った。


アタシはもちろん、如月と神楽もどことなく寂しそうだった。

  

いろいろ想いを巡らせながら乃亜の姿が無くなってもその場から動けないでいた。


よしっっっ!↑


気合を入れて。


『帰って準備しなきゃね!』


見せ掛けダケでもテンションを上げなきゃ。


「ハイ!!」


2人の声が重なった。


「もうイイんですか?」


如月がちょっと泣きそう。


神楽の容赦ない平手打ちが炸裂した。


しかも無言の制裁。


「痛っっっ!」


ホンキで痛がる如月。


思わず吹き出しちゃった。


「行くぞ!」


ただ一言、かなりの低音ボイスで発して神楽は歩き出した。


「ハイ!!」


ホント、変な2人。


『ありがとう』


2人に向けた。




帰宅し、部屋に入るなり神楽が箱を差し出した。


「お部屋の処理は我々が済ませておきますので、妃音様はどうぞこちらをお持ちくださいませ」


えっ???


“我々が済ませる”?


あからさまに顔に態度がでていたようで、


「お部屋のお荷物は全て皇邸に転送で宜しいですか?」


あ、、、、、


てん、そう・・・・・。


な、るほど、、、ね。


唖然


しか出来ないよ、もう。


『ぅ、うん』


返事も情けないかな、コレが精一杯。


「かしこまりました。では後はお任せ下さいませ」


『はぁ』


ダメだ、処理能力が働かない。。。


とりあえずパパママのもとへ。


パパママはリビングですっかりくつろいでいた。


何枚か写真を一緒に撮って少しの間3人で他愛もない話をして。


『今日花火の前に買い物してて見つけたの。結婚記念日にはまだ早いケドどうしても我慢出来なくて買っちゃった!』


アタシとは思えないアドリブ力に我ながら驚いた。


処理能力が働かないくせに。


火事場の何とかか?


「まぁステキ♪ありがとう!」


パパもママもメチャクチャ喜んでくれた。


パパママのブレスレットにもそっと祈りを込めてみた。


乃亜のと同様にストーンをくっつけながら、心の中で“幸せでありますように”って。


いつの間にか神楽が下りてきていた。


コーヒーの匂いがしていた。


全然気付かなかった。


神的なさりげなさだワ。


ちょっとヤバかった涙のダムは神楽のお陰で決壊を免れた。


『ありがとう』


最後に3人でどうぞってかぃ。


気の利き方が人間業とは思えないよね、相変わらず。


神楽はコーヒーを出すと再び2階に上がっていった。


2人分のコーヒーを持って。


「ホント、出来たアニキだな」


パパが階段の方に向かって呟いた。


出来過ぎだよ。


『パパとママのコでホント良かった。幸せだよ。ありがとう』


あまりの雰囲気の良さに、思わず口に出しちゃった。


神楽が後押ししてくれた気がして、泣かずに笑顔で言えた。


パパママも笑顔で返してくれた。


「ソレはパパママもよ。ありがとう。」


さすがにコレはヤバかった。


ごまかすようにスッとその場を立ち去った。


コーヒーはまだ入っていたけどそのまま持って2階に上がった。


パパママにサヨナラを心の中で告げて。


部屋に戻ると部屋はガランとしていた。


隣の部屋をノック。


返事のないままドアを開けた。


あ゛っっっっっ!!!!!


上半身ハダカの神楽の後ろ姿が。


思いっきり気まずぅぅぅ。


と思いながらもアタシはある一部分から目が離せないでいた。


“恩義を忘れないためにも”


そう言って僅か7歳で処理を拒否したキズが確かに背中と右腕にあった。


ドアを開けたまま見入っちゃった。


慌てる神楽を気にせず。


「申し訳ありません!」


慌てて着替えて筋違いに謝る神楽。


『ぃやぃやアタシが悪いから』


ココまでくると呆れるしかない。


神楽も動揺しての発言だとは思うケド。


あっ、この服装。


初めてこの時代で逢った時のツナギだ。


「妃音様もこちらにお召し替え下さいませ。如月は先に戻っております」


ぅおっっっ!


神楽がアタシにもツナギを差し出した。


まさかアタシもコレを着る日が来るなんてね。


bossは黒、神楽は紫、如月は青、アタシはシルバー。


ついつい見とれてしまう。


左胸の辺りにはあのエンブレム。


「時空間移動の衝撃を和らげます」


はぁ。


「ご用意が出来ましたらお呼び下さいませ」


『はい』


ツナギを見つめたまま部屋に戻り着替えた。


着替えながらふとおもむろに空を見上げた。


今日もキレイな夜空。


次の満月は見れなかったけど満月に程近い月をしばらく見上げて。


ベランダに出て最後の鑑賞。


残ってたコーヒーを飲みながら。


花火が終わってからもうだいぶ時間が経って、気持ち的にはもう一刻も早く琉按星に戻りたいのに、


お兄様を助けに行かなきゃいけないのに、未練なのか悪あがきなのか、なかなか行けない。


「地球で見る星空はキレイですね」


気付いた神楽がベランダに現れた。


『見納めだね。コレからはもっと間近で見れるんでしょ?』


フッと神楽の方を向いた。


ヤバっっっ↑↑↑


ツナギ姿の神楽にちょっとドキッとしてる。


何してんのよこんな時に!!


不謹慎?


までは行かないかも知れないけど神楽は部下なのよ、


コレからもずっと。


部下にときめくなんて有り得ないから↑↑↑↑↑


乃亜に笑われちゃうよ!!


初ときめきの相手がアニキなんて。


「ハイ。毎日がスーパームーンで御座います」


ぅう゛ぅぅぅ!今この状況でそんな菩薩みたいな笑顔しないで!!


ってだからそんな場合じゃないってのぉぉぉぉぉ↑↑↑


そうよ!そうなのよきっと!!!


出発前でテンションがおかしくなってるだけなのよ!!!!!!!!!!


そうだわ、そうに違いないわ。


アタシ、ムダに忙しい。


精神的に。


え゛っっっっっ!!!!!PPが光ってる。


おかしなテンションが一気に引く。


bossだ!


「申し訳ありません!!緊急事態です!!」


bossの声色と表情がタダゴトじゃないコトを物語っている。


何となくbossの背後が騒々しいように捉えられる。


思わず神楽と目が合う。


自然発生的に2人同時に大きく頷いた。


「宜しいですか?」


ジッと真っ直ぐアタシの目を見て。


『うん』


アタシもゆっくり大きく頷いて。


そのあと大きく深呼吸。


「では参りましょう」


神楽がスッと差し出した右手を掴んだ瞬間、一気にスゴい圧が全身に掛かり、次の瞬間カラダがフワッと浮いた。


その後はしばらく潰されそうな程の重力に襲われていた-----


飛行機も絶叫マシンも目じゃなく、まさに声が出せなかった。










アタシはストーンを握って必死に堪えていた。


























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