暴走六話
相馬家は思いの外粘った。北条軍本隊が手こずっている間についに里見義弘は北条家に攻撃を仕掛けることにする。
上杉家が北条領土への侵攻開始というタイミングに合わせてきたのだ。
「乱世って感じでいいねェ!」
久留里城から万喜城へおよそ13500の軍勢で押し寄せた。結城城や小田城にも進軍した。
その頃、上杉軍の樋口兼続も唐沢山城へ向かった。
万喜城の笠原康勝がおよそ5000の兵で籠城戦をするが戦力のほとんどを北伐へ向けておりあっさり敗れる。
「ふむ‥さすがにここに御子神は居ないか‥補給して三崎城へ向かうぞ!」
その頃、樋口兼続も唐沢山城を巡る戦いに勝利し宇都宮城を狙った。
北条軍の伝令がこの緊急事態を氏政に伝えた。
「申し上げます!里見が裏切りましたァ!」
「ナニィ!?」
「申し上げます!上杉軍の攻撃により唐沢山城、陥落しましたァ!」
「ナニィ?!」
「申し上げます!里見軍の攻撃により万喜城、陥落しましたァ!」
「ナニィ!」
「申し上げます!」
殺到する伝令。
「もうよいわ!相馬狩りは後回しだ!関東に戻るぞ!急げ!」
猛スピード行軍で南下する北条氏政。
里見義重が結城城攻めをしていると、北条軍の大道寺政繁隊およそ10600が到着する。
「ついにやりやがったな!サトミィ!今度こそ命脈たってやるよ~」
里見義重軍は6000と兵力で劣っていたものの、太田政景、水谷正村らの頑張りすぎで勝利する。
しかし兵力はもう残っておらず多功房朝のだめ押し援軍に倒され里見義頼が北条軍に捕らえられた。
「‥ダイジョブ‥俺はダイジョブ‥身代金を払ってくれるはずだ‥」
しかし、義弘は‥。
「義頼が捕らえられただと‥?義重じゃなくて良かった‥」




