暴走十八話
国府台攻略失敗は少なからず里見のモチベに影響を与えた。
「このままではまずいな‥」
里見義弘は里見義重に八王子城攻略を命じた。
北条軍は武田と対織田で意見が合い、友好関係になりつつあった。そうした情勢の中で八王子城の兵力は武田を刺激しないためかそこまで多くなかった。
八王子城を守る佐藤為信は徹底抗戦の構え。
堪え忍ぶこと28日が経過した頃、朝比奈泰朝の援軍が到着し、歓喜に沸く。城から打って出てくる佐藤為信隊。
しかし‥バンダン、太田ファミリーそして土佐犬たちの前に敗れさる。
「ふぅ‥八王子城、陥落させることが出来たか。」
帰還する里見義重。
「帰ったか義重。今度の国府台城攻略をお前に一任しようとおもう。世代交代も進めていかんとな」
伝統の一戦、国府台の戦い。
しかし、北条氏政は国府台に到着していないという情報は掴んでいたためあんまりモチベが上がらない里見義重であった。
北条軍の総大将を任された多目元忠は噂の土佐犬が居ないことに安堵していた。
右翼の水谷正村、太田康資と左翼の太田政景、岡見頼忠らはあえて中央の里見義重をおとりに使うことにした。左右に広がっていく両翼。
「本陣がら空きとかバカなのか!」
多目元忠、しっかり引っ掛かる。
「あとは包囲殲滅するだけだな」
右翼は多目元忠隊を叩きに戻れたが、左翼の太田政景、岡見頼忠らは北条軍の大内定綱隊と戦闘になり包囲出来なかった。
「あんたほどの男がこんなとこで何してんだ‥!」
大内定綱の圧倒的槍スキルの前になすすべなく撃破されかける岡見頼忠と太田政景。
「左翼はしょうもないな。早く来ないと全員殺ってしまうぞ」
水谷正村、やたら強く高瀬忠行を秒殺する。
「ギャース!」
高瀬忠行、戦死‥。
「ッ??‥高瀬くん?!」
ひよって後退する多目元忠隊。
「どこへ行こうというのかね‥?」
追撃する水谷正村。国府台城へ逃げていく多目元忠。
「我々もそろそろいくか。左翼の救援にな」
しかし、総大将が国府台城へ退いていくのを見て北条軍も崩壊。救援するまでもなかった。
国府台城を守っている千葉胤富は多目元忠の軍勢が敗走してきたのをみてさっさと降伏することにした。




