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ある日、世界に出現したダンジョンは、開門前にバカスカ敵を倒した僕のせいで難易度が激高したらしい。  作者: シュガースプーン。
一章

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第34話 夏の予定

 未来は井尻達の元から去った後、昼休みの時間に余裕があったので妃子達の居るいつもの屋上前の踊り場へやって来た。


「あ、未来遅いじゃない! 今ね、夏休みの予定を考えてたのよ」


「もうすぐ夏休みだからみんなで遊びに行こうってなったんだけど、未来ん(みくるん)も来るよね?」


 妃子と虹花が未来を見てそう尋ねてくる。

 ちなみにこのお昼の集まりが4人になってから虹花は未来の事を気さくに《みくるん》とあだ名で呼んでいる。


 妃子と虹花が楽しそうなのに対して、悠里は未来を見て頬を赤く染めた。


「プールにでも行こうかって話し出たんだけどね、せっかくなら海も良いかなって話してたの。妃子ちゃん()の別荘が三重の志摩にあるらしいからそこにね! みくるんも見たいでしょ? 妃子ちゃんと悠里の水着(み・ず・ぎ)! 勿論、私のもね!」


 虹花はそう説明しながら自分の腕を組むような形で自分の胸を持ち上げて強調し、ウィンクをした。


 制服の上からとはいえ、虹花の強調された胸の威力は凄まじく、そう言った事に免疫のない未来は顔を赤くして視線をそらした。


 そして、虹花の隣でその仕草を見た妃子の待つお茶のペットポトルがミシリと小さな音を立てた。

 妃子の視線は恨めしそうに虹花の大きな胸を睨んでいる


「いや、その……」


 もちろん行きたいです! などと素直に言えずに言葉を詰まらせる未来の様子を見て妃子は閃いたとばかりに言葉を紡ぐ。


「なに? 未来は私や悠里の水着は見たくないって言うの?」


 妃子は負けていると自覚している為か、あからさまなアピールはしないまでも胸を張りながら未来に質問をする。

 虹花ではなく、自分と良く似た胸の大きさの悠里を引き合いな出したのは意図してのことであった。


 恥ずかしそうに言葉を発しないまでも、気になるのか顔を赤らめながら悠里もチラチラと未来の様子を見ている。


 3人に詰め寄られる様な形になってしまった未来は、恥ずかしさでシャイを気取って「別に」などと返事ができる状況では無くなってしまった。


「是非見させていただきたいです!」


 未来の一層顔を赤くしながらの素直でド直球な回答に、妃子や悠里だけではなく、虹花も顔を赤くして、沈黙が訪れてしまった。


 その気まずい沈黙を破ったのは、顔を真っ赤に染め上げた悠里であった。


「そ、それじゃあ決定よね! 夏休みは皆んなで泊まりで海に行こう!」


 未来は知らない事だが、海やプールといった行き先に難色を表していた悠里の言葉に、虹花は乗っかるように決定の言葉を口にする!


「楽しみだね! せっかくだし何泊かしちゃおう! 海ならバーベキューとかする事はいっぱいあるし観光もするなら一泊じゃ足りないよぅ!」


「そうね! 未来、楽しみにしておきなさい!」


 中ば暴走気味に連泊も決まり、未来の今年の夏休みはいつもの様な味気ない物ではなく賑やかで、とても華やかな物になりそうである。


 この事を家族に言う時にどんな反応をされるか、母親などはお赤飯でも焚く勢いかも知れない。なにせ、女っ気がない事を海智と散々比べられてきたのだから。などと家が騒ぎになる事を想像しながらも、未来の顔は笑顔である。


 その後は、昼休みが終わるまで日取りなどの詳しい予定を4人で相談するなっあった。

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