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ある日、世界に出現したダンジョンは、開門前にバカスカ敵を倒した僕のせいで難易度が激高したらしい。  作者: シュガースプーン。
一章

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第19話 お昼ご飯2

 学校のお昼休み。

 未来は休み時間になるとお弁当を持っていつもの場所に向かう。

 そそくさと教室を出るのは遅いと妃子が迎えに来てしまい注目を集めてしまう為である。


 未来が教室を出て行く姿を、悠里は友達とお弁当を食べる為に机を移動させながら、なんとなく目で追っていた。


「なによ! 私の事好きって言ったくせに他の女の所ばかり行くなんて!」


「虹花、何してんの?」


「悠里の気持ちのアフレコ?」


 未来の席に自分のお弁当を置きながら、悠里の耳元で揶揄うように話す虹花に、悠里がジト目で返事を返しながら自分の机を未来の席とくっつけた。

 席替えで未来が後ろの席になってから、こうしてお昼は席を使わせてもらっている。


 クスクスと笑いながら虹花は未来の席に座って自分のお弁当を広げ始める。


 悠里はため息を吐いてくっつけた自分の席に座ると、自分もお弁当を広げて食べ始める。


「それで、今更未来君の事が気になるのかな?」


「別に。席が変わって話すようになっただけだし」


「でも不思議よね、どこで欅神楽先輩と接点があったんだろうね?」


「知らないわよ」


「えー? 気にならない? だって学校一の美女だよ? 孤高のお嬢様だよ?」


「んー、別に」


「えー、悠里つまんなーい。それじゃあさ——」


 悠里の反応がイマイチなので、虹花はつまらなそうにしながら違う話題に話を変えた。


 たわいない会話をしながら、お昼の時間は過ぎていくのであった。



 一方、いつもの屋上前の踊り場に妃子より先に着いた未来は、階段に座って膝に弁当を置いて、蓋は開けずに妃子が来るのを待っていた。


 いつもは妃子が先に来て待っているのだが、今日は遅れているようである。


 少しすると、妃子がやって来た。


「なによ、先に食べてるかと思ったのに私の事を待っててくれたの?」


「な、ち、違いますよ! 僕もいまきたところなんです!」


 ニヤニヤと笑いながら話す妃子の言葉を聞いて、未来は恥ずかしそうに慌てて膝の上の弁当箱の蓋を開けながら妃子に返事をした。


 妃子は「へ〜」と揶揄うように笑いながら、いつものように未来の隣に座って自分もお弁当を開けると、自分のお弁当を食べる前に未来の弁当箱の中の玉子焼きをヒョイとつまんだ。


「あ、また。妃子先輩」


「はぁ、いつも未来のお母様の玉子焼きは美味しいわ〜、あ、私のおかず好きな物持っていっていいからね」


 毎回奪われる玉子焼きにも慣れた物で未来は、ため息を吐きながら言われた通り妃子のお弁当の中の適当なおかずを貰って自分のお弁当箱へ移す。


 この屋上前の踊り場で、初めに妃子が言っていたように休みの日以外毎日お昼を一緒に食べていれば、少しは話す事に慣れてくる物であった。


「うちの玉子焼きが美味しいって普通だと思いますけど? 妃子先輩のお弁当の方がいつも豪華じゃないですか」


「分かってないわね。私の家はいつも同じ味だから飽きちゃうのよ。未来のは毎日少しずつ味が変わって飽きないように気を遣ってあるのよ?」


 妃子の言葉に未来は自分の弁当箱の中の残りの玉子焼きを箸で持ち上げて見つめながら、いつも一緒の味だし、違うとしたら気を遣ってるわけじゃなくて目分量なだけだと思う。と考えながら何も言い返さずに口に運んだ。


「所で未来、パパが未来に会いたいっていってるんだけど、家に来れる?」


「ん、ケホッケホッ! え?」


 妃子のいきなりの誘いに、未来は口に入れた玉子焼きを味わう事なく変なタイミングで飲み込んでしまい、咽せながら疑問の声をあげるであった。

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