表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、世界に出現したダンジョンは、開門前にバカスカ敵を倒した僕のせいで難易度が激高したらしい。  作者: シュガースプーン。
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/63

第17話 未来の訓練

 未来は改めてダンジョンに潜り始めると、日を追う事に以前のホブゴブリンの時と同じように出現するモンスターに色違いのゴブリンが混ざり始め、出現回数が増えていった。


 死ぬ思いをした色違いのゴブリンとの戦闘も、一度戦った後は、数をこなせば慣れてくる物である。


 また、色違いのゴブリンが普通に戦えるようになったのは、手に入れた《魔力(物攻)》による恩恵が大きかった。


 この、いわばスキルと言える力はオートで発動する物であった。

 未来の使う武器()に薄い(やいば)(これが魔力なのだろう)が発生して今までの武器の切れ味が何倍も鋭くなる。

 その為、これまでの普通のモンスターの武器は、この前未来が色違いゴブリンにやられたように紙を裂くようにして切れてしまう。


 相手の武器をダメにしてしまう為、これまでのように倒したモンスターの武器に交換はできないが、代わりに《魔力(物攻)》のおかげで武器が刃こぼれしなくなったので交換の必要もなくなっている。


 今、未来が相対しているのは大きな両手持ちの剣を持ったホブゴブリンであった。


 相手は何も考えずとも一撃でサクッと倒せるような相手なのだが、未来は相手を舐めず、一撃で倒せるような敵でも調子にならずに手順を踏んでたたかうように意識していた。


 また新しい免疫(モンスター)に遭遇した時に気を抜かず戦う為の練習である。


 とはいえ、普通に戦えばすぐに終わってしまう。未来は剣を《《左手》》で待つと、ホブゴブリンとの戦闘に入った。


 見方によっては舐めプと言われそうだが、未来も色々考えてのやり方である。


 ホフゴブリンの大きな剣が未来に振り下ろされるのを《《右手の甲》》で受け止めた。


 戦闘練習は剣ですると一撃で相手の武器を壊してしまうので、未来は訓練としてこの方法を取っていた。


 なぜ相手の武器を受け止められているかというと、新たに手に入れた《魔力(物防)》というスキルであった。


 赤い色違いゴブリンとは別種の、新しい青い色違いゴブリンから手に入れた力である。


 未来は初めのスキル持ちのモンスターが赤い色違いゴブリンで良かったと思っている。


 青い色違いゴブリンは今未来がやっているように魔力で攻撃を弾いてしまい、先に手に入れた《魔力(物攻)》が無ければ攻撃が通らなかっただろう。

 持っている武器は通常の物でも防御力以外の能力は普通のゴブリンと同じの為、互角の戦いにはなっていただろうが、相手に一切の攻撃が通らなければ、後はジリ貧である。


 武器は撃ち合う程に劣化するので、いつかは壊れてしまう。


 武器無しでゴブリンから退散できれば御の字、上手くいかなければアウトであっただろう。


 勿論、青色のゴブリンと戦った時は赤色の色違いゴブリンで手に入れた《魔力(物攻)》があったので普通に戦えたのだが、倒した後、《魔力《物防》》を手に入れて効果を知った後にそれを考えて軽く血の気が引いた。


 その為、今は余裕を持って逃げる練習もしている。


 しばらくホブゴブリンと余裕を持って戦った後、最後は《魔力(物攻)》の力でホブゴブリンを殴り飛ばして仕留めた。


 戦闘が終わったら時計を確認すると、そろそろ帰るにはいい時間である。

 未来は最後に、撤退練習用のモンスターを探し始めた。


 もし何かあった時に逃げられるように、次に現れたホブゴブリンを相手にしながらゲートまで撤退して、未来は今日のダンジョン探索を終えた。



 ダンジョンを出て公園から家への帰り道、日が落ちて街灯が照らす静かな道で未来のスマホが音を立てた。


 取り出したスマホの画面には母親からの電話の着信が表示されており、未来は応答の表示をタップして電話に出た。


「もしもし、お母さん遅くなっちゃってね、まだ寄れるならスーパーに寄って来てくれない?」


「ああ、大丈夫だよ。何買ってこればいいの?」


「えーっとね——」


 未来の母親はスーパーの買い物を頼むと「未来のスマホにお金を送るわね」と言って電話を切った。


 未来は電話が終わった後、スマホのQR決済のウォレットに母親からの振り込みがあったのを確認すると、頼まれた買い物をする為に最寄りのスーパーへと向かうのであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ