童話 王子様と魔法の剣
あるところにとても弱い王子様がいました。
王子様のいる国に、強い騎士へ兵士はたくさんいましたが、その王子様は自分の手で人を守るという夢がありました。
だから、その王子様は、強くなるために色んな事を頑張ります。
けれど、体が弱いため、どうやっても強くはなれませんでした。
そんな王子様を哀れに思った人々は、王子様でも使える魔法の剣をプレゼントしました。
王子様は大喜び。
これで、強くなって国や人々を守れると思いました。
さっそく王子様はプレゼントされる魔法の剣を使います。
とても恐ろしいドラゴンや、怖い魔女が悪さをしたときに、魔法の剣で退治しました。
王子様はその度に、剣をくれた人たちに、ありがとうの言葉を伝えました。
けれど、段々と剣をくれた人達は減っていきます。
ありがとうを伝えるため、顔を出すたびに、一人、二人と減っていきます。
ある日、とても強い悪魔を倒した後、王子様がありがとうの言葉を伝えようと思いましたが、誰もいませんでした。
感謝の言葉を伝える人は、誰も。
それもそのはずで、魔法の剣は人の命を使って力を発揮していたからです。
真相を知った王子様は深く悲しみました。
人々を守るための力で人々を苦しめていたからです。
王子様は、それ以来剣を握る事がなくなり、何か恐ろしい物が現れても人に退治を任せるようになりました。