ルールはちゃんと守りましょう。~スキル【ルール順守】はチートだった!~
僕クリス・ファンはファン公爵家の長男だ。
なんて言うと、さぞ幸せだろうと思われるかもしれないが、僕は不幸な部類だろう。
なにせ、僕の母は僕が八歳の時に死に、父は後妻を迎えた。
だが、その後妻には僕と同じ年の子供がいた。
つまり、父は不倫していたのだ。
、さらに、義母は僕を邪険にした。
後妻は僕の弟も産んだが、その二人を可愛がり、僕は無視された。
ちなみに、同い年の後妻の子供が長男になり、僕は次男になった。
物心ついた頃から僕は別宅に住まわされ、専属メイドもいなかった。
最低限の食事と暮らし、公爵家の人間としてありえない暮らしをしていた。
そんな事だから、貴族が十二歳から受ける事が出来るスキル判定を受けるのが遅くなり、十六歳の今日、やっと受ける事が出来た。
スキル判定。
それは神に与えれた能力を調べる儀式。
貴族は一人一つのスキルを持ち、そのスキルは物理法則すら凌駕する力を持つ。
判定は十六歳の時に聖なる泉で行われ、それと同時に能力が覚醒する。
で、僕が与えられた能力は、【ルール順守】。
物理法則にすら縛られないスキルなのに、ルールに縛られるスキルでは駄目と思われるのは当たり前だ。
そして、その日の夜。
僕は義兄に決闘を申し込まれた。
しかも、完全に強制的に。
そして、決闘場の公爵家の庭に今いるわけだ・
「で、なんでこんなに観客がいるの?」
なぜか観客として両親と義弟、そして家で働く使用人や護衛など、多くの人が来ていた。
そして、なぜかニヤニヤと楽しそうに笑っている。
「な~に、お前が一方的になぶられて事故死する……いや、お前の雄姿を見る為だよ」
そう笑って言う
前半の内容は小声で言うもんだと思うけど、普通に言いやがった。
「で、どういうルールで行うの?」
僕は義兄に質問する
ちなみに、義兄のスキルは【絶対勝利】だ
内容は文字通り絶対に勝利する事。
激レア中の激レアスキルだ。
「ルール?ふん。お前のくだらないスキルに関する事か?いいぞ。教えてやる」
義兄はまるで虫をいたぶるような笑顔で言った。
「これからおこなわれるのは一方的な虐殺だ。どんなに叫んでも、どんなに泣いても誰も助けない、それがただ一つのルールさ」
あまりの言葉に、僕はため息をついた。
「わかったよ。それがルールなんだね」
「わかればいいんだよ、ザコが」
そう言って義兄が笑った。
「では、始め!」
父のその言葉を聞いて、義兄が剣を抜いて僕に向かって走り出した。
「まずは動かない様に、足を切断してやるよ!」
そう言って義兄は僕の足を剣で切断した。
そして、足を着られたので当然倒れた。
義母が。
「へ?」
義兄が間抜けな声を上げる。
ちなみに、切られた僕の足は切断させていない。
「おまえ、一体何をした!」
いきなりの事に僕との距離を取った義兄が叫ぶ。
観客も大騒ぎだ。
「なにって……僕が切られる代わりにあの人に切られてもらっただけだけど?」
「ふざけるな!おまえのスキルはルール順守だろうが!」
「そうだけど?」
「一瞬で体を入れ替えるとか、傷を変わってもらうとか、そんな事が出来るわけない!」
ハァ……
呆れた。
「あのさ、ルール覚えてる?」
「なんだと?」
「どんなに叫んでも、どんなに泣いても誰も助けない、それがただ一つのルール、そう言ったのは君だよね」
「そうだが?」
「で、僕がいつそのルールを破ったの?」
「な……」
なぜか驚いている。
まぁ、いっか。
「だ、だが、観客には手を出さないのは決闘の当然の決まり、貴族として当たり前の心構えだぞ!」
僕を強制的に決闘に参加させたのに、今更それ言うのかよ。
「え、でもさ。貴族の心構えを守らなければならないなんてルール決めてないよね」
「ふ、ふざけるな!」
そう義兄が騒ぎ、周囲も騒ぐ。
うるさいな。
そう思った僕は、義兄の頭と体をぶった切った。
義兄の頭がコロコロ転がる。
父が、絶望した顔になり、次いで怒りで真っ赤になる。
「よ、よくも私の愛しい息子を……こいつをぶち殺せ!」
護衛兵が剣を抜いて僕を襲って来る。
僕も息子なんだけどな……まぁ、今更だけど。
「うざい」
僕がそう言うと、護衛兵はその場で倒れた。
「な、なぜだ。決闘はもう終わったはず。貴様のスキルの効果も終わったはずだ」
おかしなことを言う。
義兄は、決闘の終了ルールを明言していない。
どちらかが死んだらとか、ポイントとかも何も明言していない。
つまり、両者が決闘終了と思わない限り、決闘は続いているのだ。
「う、嘘だ……だってあいつのスキルは【絶対勝利】。負けるはずはない」
「メイドの土産に教えてあげるよ」
僕は父に向って笑って応える。
「僕のスキル【ルール順守】はルールを守っていればなんでも出来るのさ。あいつはスキルの効果を無効にしてはいけないと言うルールを作らなかった。だから僕はあいつのスキルを無効化させる事が出来たのさ」
「そんな……そんな事が……」
絶望する父、そして痛みと恐怖に震えながら怯える義母、そして義弟と使用人達。
そんな奴らに僕は笑って。
「じゃぁ、死んで」
その言葉と同時に、僕以外の子の屋敷の人は死んだ。
それから数時間後。
「さて、行くか」
僕は金庫から金を持ち出し、屋敷を後にした。
さて、どうしようかな。
とりあえず、ちゃんとルールを守って生きていこうとは思っている。
私が思う俺TUEEEスキル第二弾。
スキル【ルール順守】いかがでしたでしょうか?
この話、25年3月ごろ思いついて、途中で辞めて26年2月に再開しました。
以下、お約束文
お楽しみいただけましたでしょうか?
よろしければ、ご意見ご感想、レビュー以外にも、誤字脱字やおかしい箇所を指摘していただけると幸いです。
いいねや星での評価もお願いいたします。




