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【05】いただきまーす!

フロムは二人が座ったのを確認して朝ごはんの準備をし始めた。


「フラムにぃ!私もお手伝いするー!!」


「本当か?じゃあラズにはコップを持って行って欲しいかな!!


「はーい!!」


「持てる……?気をつけるんだよ?」


「大丈夫!!!私ももうレディなのよ!!」


フロムはラズの言葉を聞いて笑っていた。あんなに小さかったラズが自ら手伝いをすると言いしかも自分でレディと言っているのだから笑ってしまうのも無理は無いだろう。一生懸命コップを運んでいるラズの背中を見てフロムは微笑んでいた。


(大きくなってもう立派なレディだな。さて、俺もパンケーキの最終段階に移るかぁ)


フロムはラズから目を離しパンケーキにトッピングをし始めた。お皿にパンケーキを移し蜂蜜をかけバターを乗せる。お皿の蓋に甘さ控えめのホイップクリームを絞り、赤く光るラズベリーやストロベリー、今朝庭で採れたブルーベリーを水で洗って水気をしっかりと拭き取りホイップクリームの隣にたくさん乗せる。


(たっぷりベリーのパンケーキ完成!)


この数年間でフロムの料理の腕も上がっていた。

フロムは完成したパンケーキを見て満足をし、杖を出した。フロムはパンケーキに向かって杖を向けた。


フロエル(浮遊せよ)


フロムはそう唱えると三つのパンケーキが乗ったお皿が中に浮いた。そのままテーブルに向かって杖を向けフロム自身もテーブルに向かって行った。パンケーキは三人の椅子の前にゆっくりと落ちて行った。


「お待たせしました。朝ごはん話しましょう!」


ラズの目はとてもキラキラしていた。


「早く食べよう!!」


「美味しそうだね、ラズ食べる前にやることがあるだろう?」


「うん!それじゃあ、手を合わせて…」


「「「いただきます!」」」


ラズはパンケーキにナイフを通した。


「うわぁー!!ふわふわだぁ!!!」


ラズはパンケーキにホイップクリームとベリーを乗せ口いっぱいに頬張った。


「んふっ、ほいひい(おいしい)


「そんなに急いで食べても誰も取らないよ」


ウィリアムはラズの口に付いているホイップクリームを拭きながら微笑んでいた。


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フロム、ウィリアム、ラズは朝ごはんを食べ終えた。

ラズはソファで本を読んでウィリアムは杖の手入れをしていた。フロムは片付けた洗い物をしていた時ウィリアムがラズとフロムを呼んだ。




「ラズ、フロムちょっとこっちに来てくれるかい?」


「?どうしたの?ウィリアムさま」


「……今行きます。」


ラズは今から何の話がされるかわからない状況で頭にはてなを浮かべていた。その一方でフロムはとうとうこの話が来たか…と顔が少し強張っている。


「ラズ、今から大事な話をするんだけど最後まで聞ける?」


「もちろん!お話はなーに?」


ラズはにこにこの笑顔で話を待っている。

ウィリアムは形のいい唇を開いた。


「ラズは魔法を使えるようになりたいかい?」


「うん!私素敵な魔女になりたいの!!」


ラズはウィリアムに向かってそう伝えたがウィリアムの顔は少し曇っていた。


「フロムはどう思う?」


「……ラズには悪いと思うけど俺は魔女になるのはそんなにいい気はしないです。」


「うん、そうだね。僕も同じ気持ちだ。だから、ラズ?」


そこでようやくラズは重大な話をしているのに気づいた。


「はい。」


「僕たちは君がやりたいことを応援する。だからまずは15歳の誕生日までに魔女になる前の見習いの魔法使いになるための試験を受けなさい。猶予は5年。今この世界では魔法は少し危険なものになりつつある。だから身を守るための術としてでもいいから試験を受けてほしい。」


ウィリアムはラズに目線を合わせてそう伝えた。


「15歳の誕生日…5年……。」


ラズはふっと笑った。


「そんなのもちろん試験を受けて一発で合格します。だからウィリアムさまもそんな悲しそうな顔をしないで?」


ウィリアムはラズに目線を合わせた時に無意識に悲しい顔になっていた。ウィリアム自身は気づかなかったがラズにそう言われてハッと気づき微笑んだ。


「ラズも立派なレディになったね。試験に合格するためにはまず特訓が必要だね。僕は見習いからの師匠になれる。だからまず見習いになるための先生が必要だ。」


フロムはウィリアムとラズが話している内容を聞き少し嫌な予感がした。大体フロムの嫌な予感は当たるのだ。


「フロム?君は勘がいい。今までの話を聞いて自分が何をしなければいけないか分かるかい?」


「俺がラズに魔法を教えるんすか!?!?俺そんなに教えるの上手くないけど!!?!?」


フロムは嫌な予感が当たったのと自分が先生をしなければいけないと言う事実に驚きウィリアムに対しての敬語が抜けていた。


「うん、君はこの数年間でたった1人で成長していった。だから君がラズの先生になるのも適任だと僕は判断した。お願いできるかい?」


ウィリアムはフロムに優しく言っていたが目はお前はこの頼みを断ることは許さないと語っていた。

フロムはその目に唾を飲み込んだ。


「分かりましたよ!!やります!」


フロムは先生を引き受け、ラブに目を合わせた。


「ラズ、俺が先生をやるからには鍛えまくる。家族家だからと容赦しない。ついてこられるか?」


「もちろん、"先生"にいつか勝ちます。」


ラズの目は真剣な目でフロムを見ていた。


「決まりだ。明日から始めるぞ!」





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