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たかし、初めての魔物退治1

「あの、これはどういう事ですか?」

僕たちは下水道にいる。

オンドルマールはあっけらかんとして質問に答える。

「どういうって、小銭稼ぎですよ。下水道でゾンビの目撃情報がでているので調査と討伐しに来たのです」

「いやそうじゃなくて!中央広場に行くんじゃなかったのですか!?なんで僕たちこれからゾンビ討伐しに行くんですか!」

「あー…(わたくし)達はちょうど中央広場の真下にいますよ、おそらく。さ、早く先へ進みましょう」

「なんだよそれ…」

騙された、信じてたのに。1人で帰るわけにもいかないので、渋々と彼に着いていった。僕がゾンビ討伐しに行ったなんて、両親が知ったらただじゃ済まないだろうな、もちろん彼も…。

オンドルマールは分かっていてどうしてこんな場所に連れて来たのだろう。

歩いて数分もしないうちに、目の前から人影がフラフラと歩いている、灯火の魔法で周囲を明るくしていた為、それが人ではない事はすぐにわかった。

皮膚が不自然な赤身を帯びており、目は真っ白、口をあんぐり開けてて生気を感じない。身体は所々で肉がズル剥けになり骨がむき出しになっている。

僕はこの世の物とも思えない醜悪な姿に思わずオンドルマールの後ろに隠れてしまった。

「こいつがゾンビ?」

「そうですよ、いつみても醜い姿です」

ゾンビがこちらに気付いて、足早に近付いてくる。

「こ…こっちに来るよ!」

情けない事に、大人の大きさ程の怪物に足が(すく)んで動けなくなってしまった。オンドルマールに助けを求めようとした矢先に、彼の氷雪魔法が怪物の腹を射貫く。

「アイスジャベリンです。氷雪魔法は相手の動きを封じるのに有効ですよ」

(か…カッコいい。宮廷魔術師は戦闘も出来るのか)

「敵はまだ動ける様子ですね。さ、ぼっちゃまトドメをさしてください」

「え…?僕がやるのですか?」

「アンデッド探知の魔法で確認しましたが、あと10体は駆除しなければいけません。兵が派遣される前に2人で駆除してしまいましょう」

「そんなぁ…戦うなんて聞いてないですよ」

「大丈夫です。敵が見えたら破壊魔法を撃つだけ。簡単でしょう?さ、あのゾンビに向かって破壊魔法を撃ってください」

(そんな単純な事でも無いと思うけど…えーいままよ!)

僕はゾンビに向かって火炎魔法のファイアボールを撃ち込んだ

「あ、ぼっちゃま。火炎魔法は」

時既に遅し。ファイアボールは沼気(しょうき)に引火して、爆発を起こしてしまった。

憐れにも僕の身体は真っ黒焦げになってしまったが、幸運にも意識はあった。次いでにゾンビも真っ黒焦げになり、動かなくなっていた。

「丈夫な身体に生んでくれたご両親に感謝ですね、早く治癒魔法をかけて下さい」

オンドルマールは咄嗟に防御魔法で防いでいたようだ。

(1度死にかけた事はあったけどね…でもあれから病気に掛かった事はない)

治癒魔法で火傷を治していく。僕の身体は火傷あとも残らず、綺麗さっぱりな身体になった。

「1度の魔法で傷を完治させてしてしまうとは…やはりぼっちゃまの魔力量は規格外に多いですね」

「そ…そうかな」僕は適当にごまかす。

これは僕の潜在能力ではなく、女神アズラの力によるもの。彼女をこの世界で信仰させる事と引き換えに貰った能力だ。

(…て言ったらどんな顔するだろうな)

まず信仰心が無いオンドルマールには信じて貰えない気がする。

女神の課題を達成出来るのだろうか。僕は一抹の不安を感じるのであった。

「この調子なら時間もかからないでしょう。さぁぼっちゃま、日が落ちる前に済ませましょう。くれぐれも火炎魔法は使わないように」

「雷撃魔法は?」

「多分、大丈夫でしょう」

2人はゾンビの発生原因の調査へ向かった。

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