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たかし、赤ちゃんになる3

「オギャー!」(すみませ―ん!)

転生してから何日経っただろうか、飲んで寝るだけの日々ですっかり生活リズムが狂ってしまった。

母が優しく抱き抱えてくれる。最初は躊躇っていた授乳もすっかり慣れてしまった。

(一番の問題は視力だな…)未だに母親の顔をはっきりと見ることが出来ない。前世は裸眼でも2.0はあったのでかなりつらい。

(…あ)魔法で見えるようになるかもしれない。

(バカ、何で気付かなかったんだ…)

最初に試していればセルフエビ反りで腰なんか痛めなかったのに。

授乳が一通り終わったので、早速試してみる事にする。集中して目が見えるように念じる。

(見えろ見えろ見えろ見えろ…)

ボヤけた視界が徐々に鮮明になっていく。

(もう少しで…見えたああああああ!)

目の前には長いブロンドヘアーを三つ編みで纏めたマダム…いや、聖母様が見える。白くて艶やかな肌に、見つめられると思わず微笑んでしまいそうな優しい目尻。吸い込まれそうな程に清んだブルーの瞳。はっきりした筋のある鼻。そして薄ピンク色の人形のような可愛いらしい唇。誰が見たって美人と言うに決まっている。

「オギャー!」(よっしゃ―――――――!!!)

「きゃあああああああああ!!」

聖母様は大きな悲鳴を上げ、僕を抱えていた手を離してしまった。

僕は聖母様のお膝の上で転がり、床に落下して肩の辺りを打ってしまった。

(ぐぅ…僕は一体何をしてしまったんだ。)

しかし、こんな事をされたくらいで僕は決して憤りを感じない。バチが当たったのだ。

親ガチャ大成功などと打算的な事を考えてしまった僕への罰だ。決して母の過失ではない。

(それにしても、はぁ―…なんて綺麗なおみ足だ)

レース素材のネグリジェからスラッとした足が見える。これだけでご飯3杯はいける。

とはいえ一体何を見せてしまったのか、検討がつかない。

僕は母を驚かせてしまった事を深く反省した。

(お母さんごめんなさい、この魔法はもう使わないよ)

魔法を解除すると聖母のような母の姿がボヤけていく。すると母は僕を抱え上げ、愛おしそうに抱きしめてくれた。

(お母さん、やっぱり貴女は聖母だ!)

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