従者関係
最後に出たのが3月だって?
嘘だろ
コツコツコツコツ
「なぜついてくる」
にらむ
「なぜ…といわれましても俺は魔王様に仕える身ですので」
コツコツコツコツ
ギイィィィ
「久しいな。リビイ」
目線の先には玉座に肘をつけて座っている若い男がいた。
跪く
「お久しぶりでございます。陛下」
「顔を上げろ。呼んだ要件はわかっているな。俺の子…ゼストの手術の件だ。」
「わかっております。殿下に必要な魔力は用意いたしました。」
魔王はふぅっと息を吐く。
「ゼストが魔力を使えるようになれば俺はあいつに魔王の座を譲るつもりだ。そうしたらお前の仕事も終わりだ。ゼストにはアルスがいるからな」
魔王の瞳孔がギロッと右を向く
「滅相もございません。ゼスト様ならお任せを」
「魔力を得るとアルスくらいは身長が伸びるだろう。
ハッハッハッハッ」
「ハッハッハッ」
「ハッハッハッハッ」
3人の笑い声が部屋中に響き渡った。
「父様…?」
「ゼスト!」
ドアの隙間から顔を覗かせているのは小さな男の子だ。
「殿下にご挨拶申し上げます。」
「ゼスト様!今は動いては行けないと言っていたでしょう?鎖でも繋いでいたのに…」
アルスが走ってドアの方向へ行く。
「あの鎖が息苦しいから…」
魔王がため息を吐く
「ゼスト、今は来るな」
「ごめんなさい……」
アルスはゼストに手を握られて
「ゼスト様を部屋へ送ってきます。」
「アルス〜」
「どういたしました?」
「姉様と兄様はどこに行ったの?」
アルスはニコッと笑って
「遠出されたようですよ。それはもう遠くへ偵察に行かれた…と」
「いいなぁ〜僕も行きたいな〜」
少年は窓の外を見る。
「手術を受ければ外に出ることもできますよ」
〜1週間後〜
「ゼスト様はいつ目を覚まされる?」
「数時間すれば目が覚めると思いますよ。その数時間で体と精神が急速に成長すると思われます。」
「了解した。」
アルスは魔王城にある自分の自室に戻った。
カキカキカキカキカキ
「次は…」
「アルス様!」
「あとにしてくれ。見てわからないのか」
手でしっしっとジェスチャーをする。
「ゼスト様が…!目を覚まされました!」
走ってゼストが眠っていた部屋へ行く。