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転生師弟の復讐  作者: 桜紅葉
第一章「転生」
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チャプター16「ヒアルムの森攻防戦Ⅲ」

シュウやルディ、ドルクの3人がオークと戦っている中、スーは村を目指してひたすら進んでいた。

ーーヒアルムの森:スーサイドーー

「はぁ…はぁ…はぁ…」

お兄ちゃん達と別れてから必死で走っていたけれど10分も過ぎた頃には体力が尽きて私は背中で呼吸をしながら少しずつ進んでいた。

「きゃ!?」

そんな時、木の根に足を引っ掛けて転倒してしまう。

「いった…」

うつ伏せに倒れた私は、手を地面につけ体を起こす。その時、視界には膝から流れる血がみえたが、気を止めず木の幹を支えに立ち上がり再び歩き始める。

「こんな所で立ち止まっていられない…」

脳裏には危険な状況でも私を逃がしたお兄ちゃんの姿が思い浮かぶ。

(お兄ちゃん…アルカお姉ちゃん…無事でいて…絶対に助けを呼ぶから…)

その時、暗くなった森の中に光が見え始める。

「っ!!」

(あれって!!)

そうして、私はその光へと向かって走り出す。


ーーヒアルムの森:シュウサイドーー

ルディさんを襲うオークの攻撃の反動によって森が揺れる。

(悔しいな…3人じゃなきゃ手も足も出なかった…)

後方からオークの動きを見てそんなことを考えながら追いかける。

全力を出していなかったのだろう、ルディさんを追いかけるオークの速さとパワーは先程よりも増していた。

「スパイラルエア!!」

と詠唱が聞こえ、竜巻が横を通り過ぎオークを襲う。

「ぐっ!!こんなモノ!!」

しかし、気づいていたオークは、振り返り棍棒を力強く振ることで魔法を相殺する。

追い打ちをかけるように頭部へと接近するが手のひらに阻まれ擦り傷しか与えられない。

(っ…駄目か!)

「残念、お前がもう少し早ければチャンスだっタナ!」

「ぐっ!!」

オークの手のひらを利用し後方へと下がるが、それよりも早くオークは攻撃が届き吹き飛ばされる。

咄嗟に防御姿勢をとり、ダメージを最小限に抑えた俺は着地と同時に再び走り出す。目の前では棍棒を剣で弾き接戦しているルディさんが見える。

(どれだけ隙を狙って顔を攻撃しても通らない…なら少量でもダメージを稼ぐしかない!)

そして後方へと回りオークの足下を攻撃する。

(わかってはいたけどこんなものかなら!!)

そうして、何度も斬りつけた後、俺は剣を反対に持ち直しオークの足に突き刺す。

「グォ!?」

(よし!良いダメージがっ!?)

突き刺した痛みからオークは足を上げ振り回す。

「ぐっ!?うぁ!?」

何とか剣を握り耐えていたが握力の限界が来て手が離れてしまう。

そうして、その勢いのままドルクさんの付近へと落ち、木へと衝突する。

「っ!!」

衝突の際、一瞬意識が飛びかけたながら地面へと突っ伏す。

「シュウ大丈夫か!?」

「はっはい、何とか…いっ!?」

そうして、ドルクさんの返事しながら体を起こし、立ち上がろうとするが体中に痛みが発生して倒れそうになるがドルクさんに支えられる。

「おい!?シュウ!!」

(なっ!?何が…全身が痛い!?)

「すっ…すみません…ありがとうございます。」

「あぁ…ってお礼はいい、とにかく下がれ!アドレナリンが切れかかって身体が痛みを訴え始めてるんだよ!」

「いいえ…まだ、まだ下がれません…」

必死に訴えるドルクさんに下がれないと我を通す。

「なんでそこまで…」

「アルカさんがいる…スーも頑張ってる…なら俺も休んでいられない…出来るだけ時間を稼がないと…ぐっ…」

理由を話した後、痛みで膝から崩れ落ちる。

「お願いです…後一回でいいんです。ドルクさんチャンスをください…」

「…」

そうして俺は顔を上げドルクさんにそう願う。

それを聞いてドルクさんは考えた後、

「わかった…だが、後一回だ。それが終われば下がってもらう。」

「!わかりました。ありがとうございます。」

そうして、俺の願いを了承してくれた。

「でも、どうするんだ。そんな身体じゃ接近するのも難しいだろ?」

「それなんですよね…」

(それが問題だ…一気に接近しなければ攻撃をまともに受けて死ぬだけだ…何か不意をつけるような…ん?そういえば…)

「ドルクさんお願いがあります。」

「ん?なんだ?」

そうして、思いついた案を話す。

「は!?シュウおま!?」

「大丈夫です。過去に2度だけ成功させたことがあります。」

(前世でだけどな。)

「わかったよ!どうなっても知らねぇぞ!!」

そうして呪文の準備を始める。

(さて…上手くいくかな…)

そう考えながら折れた木の中から脆そうなものを選び縦半分にして半円のような形に整える。

前世で偶然編み出した風魔法に乗る戦法。バランスを崩して失敗すれば大ダメージを受けるだけだが、成功すれば風魔法が到達するよりも先に到達することが出来る。

(あの時はしっかりとした盾だったけど、これで代用できるかな…)

心配になりつつもこれ以外に手はないと覚悟を決める。

「シュウ行くぞ!」

「ええ、頼みます!!」

ドルクさんの合図を聞き、正面に立った俺は木を構え準備する。

「スパイラルエア!!」

そして、風が目の前に溜まり始める。

(まだだ…まだ…今だ!!)

そして溜まっていった風が発射される瞬間、ジャンプし風魔法の前に準備していた木の板に足の裏を引っ付ける。タイミングが合わさり、発射された竜巻に乗りオークの元へと接近する。

(よし!成功だ!)

成功したことを確認し、剣を構えタイミングよく木から飛び、僅か15秒で遠く離れたオークの元へと接近することができた。

「食らぇぇえ!!!」

「なに!?おまえドコ…」

ルディさんと一対一で戦っていたオークは接近するまで気づけず防御する前に頭部へと、いや眼球に攻撃をしかけることができた。

「グァォォァァァ!!」

「ぐっ!!」

眼球に損傷を受けたオークは雄叫びを上げ膝をつき、俺はそのまま少し離れた場所に落ち、ボールのように跳ね最後は転がり仰向けになる。

「おのれ…おのれぇぇぇ!!人間のガキごときニィ!!!」

そして、オークは無闇矢鱈に棍棒を振る。

「はは…ざまぁみやがれ…」

そんな状況を見て俺は笑いながらそう呟く。

そして、オークが膝をついた瞬間、チャンスを逃さないようルディさんが接近する。

「さっきまでの冷静さはどうした!!デタラメに攻撃しても意味ねぇぞ!!」

そう言ってオークの攻撃を避け続け、懐に入り心臓に剣を突き刺す。

「終わりだ。」

ルディさんは剣を捻り抜き、オークから距離を離す。

「グォォォァァァァ!!!」

そうして、最後の雄叫びを上げた後オークは倒れる。

「終わったんだな…」

「あぁ…だけど喜ぶのは後だ。まずは2人の様態を確認するぞ。」

「そうだな。」

奇抜な作戦によりオークの討伐を果たした。その後、負傷したシュウやアルカへと2人は駆け寄る。

ここまで見ていただき、ありがとうございました。良ければ次回も見てください!

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