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転生師弟の復讐  作者: 桜紅葉
第一章「転生」
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チャプター10「日常」

カーマインさんの1ヶ月の休暇は終わり、更に1年と数ヶ月が過ぎて俺は5歳、スーは3歳になっていた。


俺はカーマインさんから教わった鍛錬を続けて魔物相手とも戦うようになっている。

まぁ、魔物と戦う時はカーマインさんの同行が必要だけどね。

「はぁ!!」

剣を振り落とし、俺はスライムを真っ二つにする。

「うん、そこまでだ。」

「はぁはぁ、ふぅ…」

息を整え地面に寝転ぶ。

「はぁはぁ、つか…れた…」

「合計5匹撃破頑張ったな。」

大した魔物ではないが、やはり子供の体だと力が足りなくて倒すのに時間がかかってしまう。

(まだまだ、鍛えないと…今のままじゃ…)

「…よいっしょっと!」

「えっ!?うわ!!」

鍛錬のことを考えている途中、カーマインさんに体を持ち上げられびっくりする。

そして、されるがままカーマインさんの肩にストンと乗せられる。

「お父さん、一人でも歩けるよ。」

「はは、そうかそうか、だけど今は疲れてるだろ?させてくれよ頼む。」

「…わかった。」

返事を聞いたカーマインさんは歩き出す。

「なぁ、シュウ。」

「なぁに?お父さん。」

「父さんは焦る必要はないと思うんだ。」

「へ?」

何の話かわからずそんな返事しかできなかった。

「全然強くなれなくて焦っていないか?」

「…」

「返事しないのは肯定と同じだぞー。」

そう、ジト目をしながらカーマインさんは話す。

「…まぁ、強くなりたいという思いは大切だ。だけど、焦るのは駄目だ。これは俺の理論だが、焦りは全てを駄目にするんだ。思考を遅らせ、判断を鈍らせる。焦れば焦るほどそれは肥大する。」

「お前が何に焦っているのかはわからないが、他人と比べて弱い、今よりも強くならないといけないと焦れば焦るほど成果は出ないし、いつか怪我をするぞ。」

「…」

俺が話を聞きているのを確認し再び話し始める。

「さっきも言ったが強くなりたいと思う気持ちは大切だ。焦るのではなく、今のお前が出来ることを着々と進めることが大切だ。無理をするのは後でいい、今はゆっくりと体にあった特訓をすべきだ。」

「わかった…」

「はぁ…よかった、わかってくれて。」

ホッとしたかの用にため息をするカーマインさん。

「さて、それじゃあ…」

と言ってカーマインさんは背を屈め、俺を下ろす。

「ゆっくりと歩いて帰るか。」

そう言って笑顔で手を差し出す。

「うん。」

そう返事をして手を握り、家に向かって再度歩き始める。

「お父さん。」

「ん?」

「ありがとうね。」

「あぁ。」

そうしてお互いに笑顔を向ける。






ーーカージナル宅:リビングーー

「あっ、お兄ちゃん、おはよう!」

リビングの扉を開けるとカメリアさんの膝に乗っているスーがそう元気に挨拶をする。

「あぁ、おはよう。」

俺はそう返し、リビングの中へ入る。

ちなみにカーマインさんは家の前で村のおじさんに呼び止められ外で話している。

「あれ?そういや、こんな時間に起きているの珍しいなスー。」

「うん、なんか早く目が覚めちゃった。だから、お母さんに絵本読んでもらってたんだ。」

「へー、そうなんだ。って剣と魔法の冒険譚か懐かしいー。」

(確か、スフィアの家で見せてもらったっけ。面白いから読んでって勧められたなぁ。)

前世のことを思い出していると、

「懐かしい?あれ?シュウってこの本見たことあったっけ?」

疑問に思ったのか、カメリアさんが首をかしげる。

(しまった!?)

「えっ…えっと…」

慌ててしまい言いどもってしまう。

「お母さんがいなかった時に、お兄ちゃんに呼んでもらったんだー。」

「あー、なるほどね。そっかそっかシュウ偉いね。」

そう言ってカメリアさんはこちらに笑顔を見せてくれる。

「うっ、うん。」

カメリアさんに返事をした後、スーの方を見るとカメリアさんが気づかないよう小さく親指を立てていた。

(助かったありがとうな。)

心の中でお礼を言いながら親指を立てて感謝の念を送る。

「じゃあシュウも聞く?丁度始まったところだよ?」

「うん、そうする。」

そう言ってカメリアさんの近くに座る。

そして、読み聞かせが始まる。


この物語は小さな村で住む住人だった、ブリッド・バーガンディが勇者の使命を受けて、仲間と共に魔王討伐を目指す、子供だけでなく、大人にも有名なおとぎ話だ。

ちなみに最後は魔王を討伐した勇者が呪いで魔王になるが、僧侶の命を使う光魔法で呪いを浄化し、勇者を救い世界を守ってエンディングを迎える。

正直おとぎ話で死者を出すのはどうなんだとは思うが、そこも含めて全てのストーリーがきれいに纏っているため凄く人気があるらしい。(スフィア調べ)


「…おしまい。」

そうしてカメリアさんの言葉と共に読み聞かせは終わる。

「お母さんありがとう!」

「どういたしまして、でも本当にスーはこのお話好きだね。」

「うん、僧侶さんが亡くなるのは悲しいけど、やっぱりお話全部が凄く面白いんだ。もう、何回読んでもらったかわからないかけど。」

(どんだけ聞いてるんだ…)

「ふふ、また聞きたかったら言ってね読んであげるから。」

「ありがとうお母さん!」

そうやって、スーはカメリアさんに抱きつき頭を擦っていた。

「ふふ、って…あ、ほらスーそろそろ遊びに行く時間じゃない?準備をしないと間に合わなくなるよ?」

「あっ!?ありがとうお母さん!着替えて来る!」

そう言ってスーはカメリアさんから離れ準備のためにスーの部屋に戻る。

「それじゃあ、俺も準備してくるよ。」

「ありがとうシュウ。頼んだよ。」

「うん。任せて。」

そうして、俺も支度を始めるために部屋へと戻る。


その後のリビングーー

「ただいまー、ってあれ?1人か。」

向かいのサーマルさんのお手伝いを終え、帰ると、リビングにはカメリアだけがいた。

「おかえり。そうなの、2人は遊びに行く準備をしてるから。」

「あぁ、なるほどな。」

そうして、ソファーに座ろうと近づいた時、カメリアが何か持っているのに気がつく。

「剣と魔法の冒険譚か。」

「えぇ、スーが好きだからさっき読んであげて…」

カメリアと話をしている途中ドンと扉が開く。

「お母さん準備ができたからお兄ちゃんと行ってくるね!あっ、お父さんおはよう行ってきます!」

開いた扉から準備が終わったスーが現れ、元気に挨拶をする。

「あぁ、おはよう。気をつけて行ってこいよ。後、ヒアルムの森には近づくなよ。」

「うん、気をつけて行ってきまーす!」

「うーん、大丈夫かな…」

元気なことは良いことだが、ちゃんと分かっているのか疑問に思ってしまう。

ちなみにスーとはあの湖に遊びに行ってからは仲も良くなり、帰ってきたらスーから遊んでほしいとねだってくれるようになった。少しでも父親に近づけたのだろうか…

「お母さん行ってきます。あっ、お父さんも行ってきます。」

そんなことを考えてるとリビングの扉が再び開き次にシュウが姿を現す。

「うん、行ってらっしゃい。」

「あぁ、気をつけて行ってこいよ。後、ヒアルムの森に近づかないようにな。最近は森で見られない魔物も現れているらしいからな。」

「うん、わかった。」

そうやって返事をしたシュウは玄関に向かっていく。

「スーのことも頼むな。」

「任せて。」

外に出る前に玄関へと向かい、そう伝えるとこちらに振り返りシュウは笑顔で返事して外へと出かけていく。

そうして、家の中は静かになる。

「…久しぶりの2人っきりだし何かするか?」

「…それじゃあ、ちょっとお昼まで散歩にでも行きますか?」

「はは、じゃあ行くか。」

そうして支度をした後、2人で外へと散歩へ出かける。






ーーサゴイ村ーー

「助かったよ。ありがとうな。」

「え?あー、さっきの。」

友達との待ち合わせ場所に向かう途中、スーに助けてもらったお礼をしていた。

「別にいいよ。というかお兄ちゃんもあの話知ってたんだね。」

「あぁ、前世で見たことがあってね。」

「へー、そうだったんだ。」

「それじゃあさ、感想語り合おうよ。私あのお話すっごく好きなんだ。」

「あぁ、それは良く知ってるよ。」

(カメリアさんに何十回と読んでもらっているところを見てるし、一人の時もよく読んでいるのを見てるからな。)

そして、その情景を思い出す。

「ちなみにさ、この話って実話なのかな?」

「急にどうした。」

そんな話になりそう聞き返してしまう。

「だって気にならない?実際に魔王もいて勇者もいるんだよ?それになんか10年前ぐらいの世界と似てるじゃない?」

「まぁ、確かに少し似てるかもな。でも、これは創作だと思うな。」

「なんで?」

「だってそりゃそうだろ。もしあの本の魔王が数年前に倒された魔王と繋がっているなら、その魔王を倒したお父さんが魔王になってることになるだろ?」

「あっ、」

「それに、お父さんが魔王から戻った後だとしたらそれはそれで、お母さんが犠牲になっているはず。」

「確かにそうだね。」

うんうん頷きながらスーはそう話す。

そうしてその後も本の話をしながら待ち合わせの場所まで歩いていく。

「あっ!スーちゃーん!!」

そうして待ち合わせの公園へと着くと、奥の方でベンチに座っていた銀髪の少女がこちらに…というかスーに気づいて手を振る。

「フーちゃん!じゃあ行ってくるねお兄ちゃん!」

「あぁ、そこのベンチに座っているから終わったら言ってくれ。」

「うん!わかった!」

そしてスーはフーと呼ばれる少女の元へと走り出す。

「あ!スー!」

「ん?何?」

カーマインさんの話を思い出し、走り出したスーを呼び止める。

「お父さんが毎回言ってるから分かってるとは思うがヒアルムの森には行くなよ!」

「うん!わかってるよ!!」

俺の言葉を聞いて、そう言ったスーは再び友達の元へと走り出す。

(それじゃあ本でも読むか)

そうして、見送った後俺はベンチに座って魔法の本を開く。

いつもの特訓、いつもの日常。いつもと同じくシュウはスーが遊ぶ間ベンチで魔法の本を開く。

ここまで見ていただきありがとうございます。

良ければ次回も見て行ってください!

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