狂騒、そしてコブラ飛行
すみません!軍なのに階級を書き忘れていました。
上に向かうほど強く偉くなっています!
【守護天使】
A 【エース】
K 【キング】
Q【クイーン】
J 【ジャック】
空から海を繋ぐ長い道。
離陸、着陸するための滑走路だ。
おれはそこに着陸する。
もうホウキの操作には十分慣れた。
地上に降りて自分のシャワー兼ロッカー室へ向かう。
このシャワーは訓練後の癒しだ。
ロッカー室のドアノブを引く。
ーーー緊急警報だ。
手が止まった。
「敵ステルス部隊接近、敵ステルス部隊部隊接近、迎撃体制に入ってください。」
「こちらアズル・K・エレノワール。オールグリーン、発信許可求む!さて私は何人落とせるかな?」
「こちらハヤト・K・ダミエル。オールグリーン、発信許可求む!おいへっぽこ!何やってんだ!出るぞ!!」
「バオバオでまーす」
心のエンジンが点火する。
飛ぶ。
湧き上がる血液。
それはバオバオの体を包み込み、スピードを上げる。
「おいバオバオ!何するつもりだ!!」
「おいへっぽこ!!これは訓練じゃねぇ!!チームで行動しろ!!」
「新入り!落ち着け!!!」
ソニックブームと高熱を撒き散らして空に舞い上がる。
仲間の声に従おうとしたが、鼓動にかき消される。
遥か彼方、空中には10人ほどの黒マントがゴマ粒のように見えている。
まだ攻撃できる範囲ではないようだが、時間の問題だろう。
しかし、かなりの手だれであることもわかる。
結界魔法を掻い潜り侵入してきたはずだからだ。
ただスピードなら負けないだろう。
命は惜しい。なのに、今までついた自信が背中を押してくる。
「敵の白マントだ!!」
「速すぎんだろ!まだ侵入して20秒も経ってねぇぞ!!」
ーーーダダダダッ!
至近距離前方から4発放った。その後ハイスピードで後方の方に抜ける。2発命中しホウキから2人落ちていく。
ぼくの真価はここからだ。ある程度距離を離してUターンをする。そして敵の後ろから近づく。
今更気づくが、周りに味方がいなくて良かった。流れ弾のリスクを考える必要がない。
ーーーダダダダダダダダッ!
後方至近距離から8発放った。そして上空へ抜ける。
全弾当たっていたはずが2人のみ落ちていく。当たったはずの6人は光の壁に守られていた。
なんでっ?!よく見ると後方2人がサポート魔法らしきものを発動している。
先程までバオバオの見たことないスピードに混乱していた敵部隊も状況に慣れ始めた。
敵上空から突っ込むつもりだったのだが、それを予測していた敵は火炎魔法の罠を設置していた。
バオバオはそれに突っ込む形となり爆発が起きる。
しかし生きていた。体が光に包まれている。
アズル達が到着した。
「何イキってんだよ!!!!」
アズルの声で我に帰ったバオバオは、爆発で崩れた体勢を直す。
「1人でイキってんじゃねぇ!!チームを使え!!遊びじゃねぇんだ!!」
ハヤトの怒号で事の重大さを認識する。
「ご、ごめええぇぇん!!!!」
そう叫びながら彼らの元に向かって上昇する。
飛び交う魔法。
バオバオのスピードは未だに敵部隊を混乱させている。
しかしバオバオ自身も味方が多数駆けつけた以上、無闇矢鱈に発砲できなくなっていた。
ーーまずい!!!
すでにバオバオに向けて大きな岩石が放たれていた。
左右上下に逃げても潰される。
ーーースピードが魔法の速度を超えていた。
襲ってくる岩石を利用して影に入り込む。
岩石の影から一気に上昇し、速度を殺す。
急な速度低下により、敵がバオバオ下方を過ぎ去っていく。
「はぇ!なんで後ろに?!」
驚きを隠せず感嘆する敵。
相手にとっては殺したはずの獲物が出てきたのだ。
銃口は敵腹部に向いている。
ごめんな。
ーーーダ!
敵腹部が赤く染み付き、ホウキと共に輝く海へと落ちていく。
ご覧いただきありがとうございます。
めちゃくちゃ眠い