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短編大作選

定食屋

掲載日:2022/11/26

―ねえねえ、ハトっているでしょ?


――えっ、ああ。いるね、鳥のね。


―どうも、合わなくてね。


――何が? どういうところが?


―いや。だって、ペース乱されるでしょ?


――ああ、公園とかで近づくと、一瞬で飛んでいったりするからね。


―違うよ。鳴き声がだよ。ほーほーほっほーがだよ。


――確かに。一定のリズム感があるからね。合わなくはなるかもね。


―そうそう。BPM156の、超速いロックを脳内で流してるとき。


――そこで、ハトに一定のリズムで鳴かれると、困るね。


―うん。あっ、注文するメニューは決まったよ。僕は、しょうが焼き定食にする。


――じゃあ俺は、から揚げ定食にしようかな。


―えっ、もしかしてハトの話してたから?


――ハトの話から、から揚げが食べたくなる人なんて、いないわ。


―鳥つながりで、連想したのは確かでしょ?


――うん、確か。


―すみません。


―――はい。ご注文、お伺いします。


――から揚げ定食と、しょうが焼き定食をひとつずつ。以上で。


―――はい。から定ワン。しょう定ワンですね。ありがとうございます。少々、お待ちください。


―はい。


――楽しみだよね。おいしいって評判だし。


―ねえ、から揚げウンチク言っていい?


――いいよ。豆知識系は好きだから。


―唐揚げって、最初は、豆腐を小さく切

って油で揚げて、醤油と酒で煮たものだったらしいよ。


――ほーほーほっほー。


―ハトみたいに、納得しないでよ。


――ごめんごめん。いい方のうなずきだから。


―それならいい。


――そう。


―あのさ、さっきハトと馬が合わないみたいな話したじゃん。


――うん。


―でも、単体としては好きな音なんだよね。なんか、すごく癒されるからさ。ねえ、聞いてる? 聞いてないでしょ?


――ごめん。ハトと馬が合わないって言われてから、ハトより馬が勝っちゃって。頭に馬しかいなくなっちゃって。


―いいよ。もう一度、言うね。ハトの、ほーほーほっほーって鳴くのが好きだって話。


――うん、癒される人もいるだろうね。


―あれだよね。後半の【ほっほー】の部分に絶対、ハモリコーラスバトいるよね。


――そうかな。


―だって、後半だけかなり響いてるでしょ?


――そうかもしれないね。


―ハトの鳴き声のBPMって、どれくらいだろう。


――70くらいじゃない。そういうの、詳しくないから。


―じゃあ、から揚げを揚げているときの、音階は何かな?


――知らないよ。

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