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特別なクラモト-前-

 まだ出していないキャラクター達です。

 1話完結にしたかったのですが、連載するならって感じの練習も兼ねています。


 -前-から気付くとは思いますが、-後-に続きます。


 説明がメインの短めなので、期待はしないで下さい。




 国立異能学園。

 長ったらしい名称があるわけでもなく、実にシンプルで良い。

 これは日本全国に五校あり、建てられた順番に第一から第五と頭につけられる。


 その五校の中でも、最も広大な敷地面積と豊富な施設を誇るのが第二国立異能学園である。


 異能学園とは、危険性の高い異能力保持者達をまとめて国が管理出来るようにと作られたモノで、小中高の勉学と異能力制御を学ぶための学校だった。

 現在では、一般からの依頼を学生に任せる事を条件に、比較的安価で仕事を請け負う何でも屋としても有名である。


 ちなみにだが、小中高は633の12年ではなく、744の15年と3年長い。これは通常の学習項目に異能力制御のカリキュラムをぶちこんだ為である。


 学園の他にも、特定の認可を受けた職員が開いている異能力制御の塾だとか、私立の学校も存在している。


 長くなったが、そんな異能力学園に通う学生達の一部を覗くとしよう。



 ピンポンパンポーン、と校内放送の気の抜ける合図が、昼過ぎに授業中の学園に響き渡る。

 少々長めの、それこそ間違いの放送だったのかと思うほどの間が空いたあとに、それは始まった。


『やあやあ! 皆々様が勉学は励んでいる事とは承知の上さ。だけど少し耳を傾けてくれたりはしてくれないかい?

 僕達は高等部1年の“特別なクラモト”と言うグループだよ。大丈夫、怖くない怖くない。ごく普通の学生さ。


 もうじきと言うか、再来週には夏休みが始まるよね。最高に楽しみだよね。

 だけどね、僕には1つ耐え難いことがあるんだ。皆なら分かってくれるかな?


 そう! 課題!


 あれ多くない?

 夏休みに1日1ページとか1枚とか1つとか、数日掛けて1つとかさ、日数足りなくない?

 数えたんだけど、今年は43日の休みがあるんだよね。

 それで、提出を求められている課題は各教科毎にあって、それぞれノートのページに換算して約56ページ有ったんだ。勿論、これは僕がやるならこれくらいって奴だから、人によって変わるだろうけどそう大きな誤差はないと思うよ。


 ねえ皆、課題、多くない?


 だから僕はここに宣言する!


 課題を減らしてくれないと、学園長と先生達にイタズラしちゃうぞ★


 ご清聴ありがとうございました。

 そろそろ先生が僕を捕まえに来るので、逃げます。


 準備は良いかい? 透?

「余裕」それじゃ、アデュー!』



 放送は終了した。

 放送室には、少なくとも2人居ることも確定した。




 場所は高等部1年のあるクラス。

 男女2人の生徒が、無言で教師に頭を下げていた。

 

 対する教師は、何とも言えない表情を浮かべている。


 頭を下げている2人は、“特別なクラモト”のメンバーである。あの放送を聞くや否やサッと席を立ち、そのまま土下座を始めたのだが、流石に教師が土下座を止めさせた。立ち上がっても、未だに頭を下げたままであった。



「あー…っと、お前ら、知ってたか?」


「知りませんでした」


「ごめんなさい。私では止められませんでした」



 頭を下げたまま2人が答えた。


 異能学園では、高等部から2~ 10人までのグループを結成して届けを出すことで、所謂パーティを組むことが出来る。生徒達の小遣い稼ぎの依頼には、何人以上と言う縛りがあることも多々あるのだ。勿論、ボッチでも快適に活動出来るように様々な工夫が施されている。

 また、活動成績が定期的に発表され、上位の20組と個人上位50人はランキングを掲示板に貼り出される。


 そしてこの“特別なクラモト”は、結成直後から常に上位グループに入り込み、個人成績も全員がランキング入りを果たしている優秀なチームなのだ。

 同時に、さっき放送していた様から分かる通り、問題児としてもまた知れ渡っている。


 問題を起こす様な生徒でも、上位に入れるのか? とはよく聞かれるのだが、グループ活動はあくまでも依頼達成を主とする総合評価である。要するに、多少減点されても外面が良ければ相殺できるのだ。こればかりはシステムが悪い。


 そんな問題児のグループだが、全員の頭が可笑しい訳ではないのだ。むしろ、半分のメンバーはとても常識的で一般的である。故に問題を起こそうとも、大事に至る前にそれを止めるし、起こってしまえばこちらが悲しくなるくらいに反省して謝罪をして周っている。ある意味、はずれクジを引いたメンバーには同情を寄せられているのだ。


 グループの結成が自由な様に、解散も自由である。


 結構な頻度で解散しないのかと問われるし、教師達からオブラートに包まれて解散した方が評価が上がるぞ、と言われている。しかし、頑なに解散しないのは彼ら“特別なクラモト”は良く言えば幼馴染で親友達だ。悪く言えば、切っても切れない腐れ縁って奴である。

 まともな2人は、自分達ストッパーが居なくなれば、それこそあの2人は問題児として社会から爪弾きにされてしまうのではないか? と危惧している。何よりも、親友を見捨てるなどと言う選択肢は、端から存在していない。



東亜(とうあ)倉橋(くらはし)、災難だったな…捕獲に向かってくれ」


「斉藤さん。悪い行ってくる!」


「本当にごめんなさい。私達からもきつく言い聞かせておきますので、どうかあの2人にはトドメを刺しておいて下さい」



 そんな台詞を残して、2人は教室を飛び出し行った。


 残された教師と生徒は、再び授業に戻ったようだ。

 なお、2人の授業ノートは友人が写しておいてくれたらしい。








 次からは、ちゃんと喋らせるつもりです。

 プロットを作ろうと思った所です。




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