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エルフは筋トレ本を拾った。 →聖書として崇めた。→筋力が上がった。  作者: 青桐
1章 筋肉エルフと少女勇者、時々、学者
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チンピラが現れた。

「詳しく、か。

話してもいいが、あまり参考にならないと思うぞ」


困ったようにミリーが笑う。


「うん。

それでも、異世界について詳しい人を知ってるなら、ぜひ教えてほしい」


桜が食い気味に返した。


「わかった。何か事情がありそうだし、隠しているわけでもないしな。

私たちが知っているのは、迷宮学者のサマーという女性だ。

彼女は、『迷宮が異世界と繋がっている』と、主張していた」


「前に、サマーさんの依頼を受けたことがあるんです。

その時に、色々講義してくれたんですけど、その時に言ってたんです。

『本当の専門分野は、異世界だ』って」


桜がピクッと反応した。


「その人、紹介してもらえない?」


「何か理由がありそうだな。

うーん、桜。

そういえば聞くのを忘れていたが、君は冒険者なのか?」


「まだ違うよ。

資金稼ぎに、登録するつもりだけど」


「そうか、それなら彼女の依頼を見つけたら教えよう」


「あと、登録に付き添いますよ」


「ありがとう」



街の検問を抜け、4人でギルドにやってきた。

ギルドの中は綺麗に掃除されている。


「思ったより綺麗だね。

お酒飲んでる人とかいないし」


桜がキョロキョロと中を確認している。


「ギルドにどんなイメージを抱いてるのか……。

依頼者は普通の街の人だ。

酔った冒険者がいるような場所に、普通の人はこないよ。

危険だからね。

冒険者以外を守るため、ギルドがふざけた真似はできないように、目を光らせている。

ギルド内でおかしなことは、そうそう起きないさ」


「まあ、たまぁに、お酒を飲んでから報告にくる、問題のある人たちもいますけど」


メイが笑った瞬間、空気が変わった。


「よう、お嬢ちゃん。

その問題のある奴ってのは、俺たちみたいな奴か?」


メイたちの後ろから、男が声をかけてきた。

振り返ると男が3人立っていた。

3人とも顔を赤めていて、酒の臭いを漂わせている。


「これぞ、異世界の冒険者ギルドって感じだね。

チンピラが絡んでこそ、異世界に来たって感じがするよ」


桜が、メイを庇うように前に出た。


「桜、彼らは素行にこそ問題はあるが、このギルドではトップクラスの実力者だ」


ミリーが桜の耳元で囁いて、桜を背で庇う。


「すまない、気に障ったのなら謝ろう。

あなたたちのことを言っていた訳ではないんだ」


「へへっ。

誠意さえ見せてくれれば、許してやるよ」


「誠意とは?」


「ちょっと俺たちと寝てくれればいい。

ちょうど、3人いるだろ」


「おいおい、いくらなんでも、それはまずいだろう。

おっぱいを揉ませてくれればいいよ。

こんな風にな」


男の1人が、ミリーの胸に手を伸ばす。

桜が、ミリーとさっと入れ替わった。


「固ぇ。なんだこれ。

突指した」


桜が常に張っている、魔法障壁で男の指が曲がった。


「ははっ、絶壁にもほどがあるだろ。

どれ、俺が大きくしてやる」


別の男が手を伸ばしたのを、メロスが受け止めた、大胸筋で。


「大きく出来るなら、ぜひとも頼む。

我は数十年前から、全く大きさが変わらないのだ」


「あっ、なんだてめえ」


「どうした、早く大きくしてくれ」


メロスが男の腕を掴んだ。

そして、そのまま握る力を強めていく。


「痛ぇ。なんだ、超痛ぇ」


メロスに掴まれている男の腕が変色してきた。

それを見て、つき指していない男が剣で切りかかってきた。


「離せこの野郎」


切りつけられた剣は、腕にかすり傷すらつけられずに止まった。

当然、全く痛くない。


「なんだ、お前も我の大胸筋を味わいたいのか」


掴んでいる男と切りかかってきた男を抱き寄せてやる。


「固い。痛い。万力みたいに締め上げられてる」

「外れねぇ、なんだこの化け物」


「「ああああああああああ」」


最後は2人とも叫んでいたが、だんだん静かになっていき、2人の男は意識を失った。

唯一、無事な突指した男が、立ち尽くしている。

仲間はずれは可哀想だな。


「さて、お前も我が大胸筋を味わうか」


「いや、いい。

俺たちが悪かった。

許してくれ」


男が膝をついて謝った。


「遠慮するな。

桜よりも、我が大胸筋の方が触りごたえがあるはずだ。

ぜひ試してくれ」


男を抱きしめてやる。

我が大胸筋を独り占めだな。


「ああ、ああああああ」


「なあ、桜。

メロス殿は、桜を助けたのか?

それとも、本気で桜に張り合っているのか?」


桜は、ミリーの質問に答えなかった。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。


ぜひ参考にさせていただきたいので、

よろしければ、評価や感想等をお願いいたします。


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