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自分だけが生き残るためのネトゲハックになろう  作者: デスマッチ売りの少女
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俺はソーシャルで、失敗したんだ。


第2話

このビルは、98階建て。今俺たちが立つ真下には、展望施設があり、東京18想区のほぼ全域が見渡せる。

以前は笑顔であふれた観光客でいっぱいのはずが、今日は黒い奴らだらけ。それでも、この屋上から眺める夜景は最高だぁ。何度も、かおりと一緒にここで見てたけど、とうとう今日でおしまいのようだ。

「かおり、ミノを隠れ蓑を、深めにかぶるんだ。絶対に声をだすなぁよっ」

「わかったぁ」

俺たちは、二人。大きな屋上のヘリポートのど真ん中で、奴らに見つからないように小さく丸くなった。かおりが授業中にカンニングをするように、

「ていとくぅ、寒くない。手、こっちかして」

俺は、出来るだけ風の音だけ出すように

「大丈夫だよ」

そう言ったものの尋常じゃない雨は弱りきった俺たちを鞭打つように透明な弾丸の雫が大事な隠れ蓑の性能を下げる。

「冷たくなってるじゃない。さぁ」

で、かおりは、オレの手を胸の中に包むようにして抱きかかえた。かおりのやわらかい胸の感触が冷え切った俺の手に血液を流す。っていうかぁ、こんな時に体全体が熱くなり、このままじゃぁ俺の性的反応で見つかってしまう。だから出来るだけ背中を小さくして俺は、冷たいかおりごと静かに精一杯抱き寄せる。

こんなピンチなのにカオリの髪の匂いを感じ、みんなと仲良くやってた小さなころを思い出す。それと、抱き寄せた小さなぬくもりは、小さな命と一緒に楽しく暮らしてたあのときを思い出す。 容赦ないあいつらが、どんどん俺たちに近づく。大きなあごと。その地響きのようなうめき声。

「オレ達もう、おしまいだね。かおり」

「そんな事無いよっ、最後まで諦めないで」

どうすることも出来ない四面楚歌な状況で、ハッキリ声に出してしまった。

「じゃ、どうすりゃいいのさぁ」

「しぃっ、いいぃ?

意識を集中してアイツラと同じようにソージャルにパンデミングすればいいのよ」

この単純な答えは本来一番後回しの逃げ道だった。

「そうかっ、それしかないかぁ。でも、俺たちは同じ繰り返しに妥協して、ただ何度でもやり直せることに甘えちゃってるんじゃないかぁ、これでいいのかよ」

オレと、かおりは、いっそう力強く抱きしめあい。隠れ蓑の中で目を静かに閉じ。おでことおでこをあわせた。すると、周りが一気に静かになり、背中に太陽のぬくもりまで感じ出した。そして、声がした。

「おい、おまえらぁ、何やってんだって」

俺は誰が話しかけたかすぐに分かった。だから、打ち返すように反応した。

「あぁ、ゴメン。田中」

こいつは、俺のライバル。アレだけいた蟻獣たちは全員黒いダークスーツを着て、この田中だけが真っ黒の軍服にたくさんの勲章を光らせている。

「ともかく、お前らの事は又、上に報告するからなぁ、今日は大事な会合が展望室であるんだぁ、こんなことしている時間は無いんだぁ早く来い!」

「ちくしょ、見つかってしまった。ゲームオーバーかぁ」

そう、田中につぶやくと俺は凛と立ち上がり隠れ蓑を両手でリーバースすると、シャキッと引き締まった軍服になる。オレの名は、汰怪 鬼魅卑孤【たけ きみひこ】。身分は田中が上官の将軍で俺が提督。これまでに数々の民衆を束にするための作戦に参加。そして、最高のソーシャルを作り上げたはずだった。残念だけどカオリは、働き美蟻女に連行されていった。俺の計算だと地下のサンプリングの採取のための牢に入れるはず。

ともかく、彼らは人間じゃない。もうすでにパンデミングしてしまった蟻獣人。何とか、奴らから逃げて、あの、かおりを地下から救出。そして、少しでも早く感染されていないエリアに非難するしかない。

これは、俺とカオリだけのゲームなんだ。っと突然。いつものあいつが目の前に現れる。現れても俺にとって可愛すぎるくらいいじめてやりたいコイツは、彼らには見えない。

「ちょっと、まってよぉ」

「あ?」

「あたしのこと忘れてるんじゃないのっ。このイライザ様のことっ!」

そう、忘れてた。彼女は人外。イツもいきなり現れてオレのゲームの進行を難しくしやがる。見た目は妖精のように可愛くて、王女のように冠をかぶってる。髪は長い黒髪。ミニスカートといっていいのかイツもパンツ丸見えなんだけど、

「イライザ、また、それ、まぜこぜの服装じゃねぇか」

「仕方ないでしょ、ネットにある情報から最高の服を選んでるんだから」

確かに、でっかいおっぱいがほとんど見えてるのもそれかぁ。彼女は世界最高水準のAI。

「ともかく、お前はホストなんだから、オレに用があって出てきたんだろう?」

「そうよ、このままじゃ、クソゲーになってしまうから制限時間を決めます。後、48時間」

「え?まじかよ。無理だよ」

「それは許されない。自分の技量を駆使して維持でもクリアするの。たとえ殺されても誰も、泣かないからねっ」

「それは、これが、誰も知らない秘密だからだろ?」

「そう、じゃのぉ」

そういうと、イライザはいきなり消えた。


次回にsave。。。。


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