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機械化歩兵の戦争

作者: 臥會蘭

こんにちは、脇坂屋改め臥會蘭です。

敬愛するアメリカの政治学者の本を読んでいて生まれた短編です。

よろしくお願いします。

「目標の浜まで残り1分!」と小隊長は言った。


我々は「了解しました」と言ったり、頷いたりし反応を示した。

少し視線を先にし浜を見る。

猛烈な砲爆撃だ。

北朝鮮軍は弾薬を残していた。

戦前のテレビで自称軍事評論家たちは「北朝鮮軍には兵器や弾薬に回す金はなく、兵士たちは痩せ細り食べ物を探すのが日課だ」と言っていたがそれは今我々が目にしている浜の状況を見る限り正しくはなかった。


「上陸!」と小隊長は叫んだ。

我々が乗る上陸用舟艇の前部分は開き浜に盛大な音を立て砂煙を上げる。


「行け!行け!行け!」と小隊長は忙しなく掛け声をかける。


我々は地獄と化した浜辺に降り立った。

大きな爆発音が聞こえた、視線を横に向けると海上自衛隊と書かれた我が国の上陸用舟艇の1隻が吹き飛んだ。


色んな物に引火したのだろう、大小様々な爆発が続いている。


我々はそれに構わず前進した、内陸部に構築された北朝鮮軍の砲兵陣地を潰して浜の安全を確保しなければならない。


次の瞬間、我々のいたところにおそらく155mmだろうか。

北朝鮮軍の砲撃が着弾し我々の視線…画面は真っ暗になった。

そして小隊長の声が聞こえた。

「作戦司令部へ。こちら第1水陸機動団第2実験小隊。状況全滅。繰り返す状況全滅」

とわたしは頭にかぶっていたRLSシステムゴーグルを外し席をたった。

RLSとはRemote-Line-of-sight-System。

遠隔視線システムの略である。

これを被ることで我々は遠隔地にある無人人型ロボットを動かすことが可能だ。

今では当たり前に使われている空のドローン技術を応用し開発された技術である。


我々、陸上自衛隊第1水陸機動団第2実験小隊はこれを使い戦争を始めた北朝鮮の浜を強襲しようとしたが失敗した。


「隊長、あの後の戦況はどうなったんですか?」と1人の隊員が小隊長に尋ねる。


「第2波の第3、第4小隊が確保したそうだ。それと主力の第3波の第1戦闘上陸大隊第2戦車中隊が上陸を始めるそうだ。ということで暫くは我々の出番はない」と言うと隊員はホッとしたかのような顔をした。


それはそうだろうな、例え遠隔操作の兵器とはいえあの浜を見たら誰でもそんな反応をするだろう。

とそこへロボットを開発した会社の技術者が入ってきた技研と書いてある。

車やロボット技術分野で著しい会社である。

技術者と言っても自衛官としての階級をつけている「二佐」つまり普通の軍隊でいうところの中佐である。

要は軍属である。


我々の使用しているロボットは従来のロボットを基本ベースとした物なのである。

「皆さんご苦労様です。最初の実戦で全滅したのは残念でした。しかし大事なデータを取ることができました。これはこれで重要な物です。さて、たった今、元山沖に展開中の護衛艦に乗る我が社の整備スタッフから連絡が来ました。

1個小隊のロボットを整備し揃えたそうです」と嬉しげに皆の顔を見ながら話した。

つまりのところ、我々にまた行ってこいとの命令である。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかんだ、戦争を動かしているのは人間であるというところ。 [気になる点] 北朝鮮云々のくだりが未来感を感じさせない。 自衛隊未来になっても呼び名そのままっぽいところ。明らかに攻めていっ…
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