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第三話:エルフと改造人間

誤字脱字を見つけた場合は遠慮なく言ってください

2017/11/12 誤字脱字 一部台詞修正


前回までのあらすじ

やあ僕はイルカ 彼女いない歴イコール年齢 魔法学校卒業後働きもせずに両親の脛をかじってぐうたら田舎ライフを送っていたのだがある日村に通りかかった吟遊詩人の話を聞き「冒険者カッケー」となって村を飛び出し魔都ヨルムンガンドを目指す

しかも現実はそんなに甘くなくて早速詐欺られ冒険者カードがとられた!?

と焦るのもつかの間普通に戻って来た。一体どういうことなのだろうね。

本当にどういうことなのだろうか……今僕は下宿の部屋の一つに通されている(泊まっていた部屋はめちゃくちゃになっていたので)

丸いテーブルには中原風のカップが四つ 僕の前に一つ 左どなりではアルバートさんが胡麻の散ったビスケットの様なものをばりぼり食べていて右隣にはひらひらワンピースを着た可愛らしい女の子が一人 手鏡を見ながら髪をといている。そして手前にはーー

「イルカ・リッタツエ21歳 男 サーベル二級 五芒星の精霊魔法使い 二級じゃあ実戦では微妙だな 精霊魔法はまあ使えるかもな、お前治癒魔法取ってるか?」

「え……」答えられない……というか状況が理解できていない。あの後説明してやるからと引っ張ってこられた部屋には人がいた、一人は今右隣にいる女の子、もう一人は明らかに様子の可笑しい男一人、改造人間というのだろうか、何かゴツゴツした装置に覆われた右目、資料を打つ指は金属の硬い音を発し胸元に埋め込まれたガラス板の様なものはチカチカ怪しい光を放っている。フードの下の髪は真っ白、品定めするかの様に僕をジロジロ見る左目は真っ赤でまるで物語に出てくる幽鬼の様だった。怖い……というか全身ローブできっちり隠してるのに胸元だけはだけているのが変態くさい。

いつまでも声を発しない僕に痺れを切らしたのか少女が男に語りかける

「ねえ先輩、五芒星(ペンタゴン)なら治癒魔法使えるものなんじゃないの?」

ちっと舌打ちした赤目の改造人間は少女に向き合う「ちげえよ、お前らエルフは生まれつき魔法が使えて当たり前なのかも知らないがよ、人族は一つの属性勉強するのに凄え労力必要なんだからな」

「えーでも五芒星っていうなら、霊、地 、火、水、風の五元素で癒しのパワー使えるって事じゃないの?少なくともあたしの村ではそう説明されてたけど」

「だから人族にそれはむずいんだって、五芒星っていうのは魔術師用語で五属性の適正があるって事でこいつの場合は……えーと資料によると風、水、木、火、土だな」

「えーそれ五芒星じゃないじゃん」

「だから魔術師用語の意味でのって言っただろ!人の話聞け!大体お前何年冒険者やってるんだよ、そっちに特化したプリーストじゃない限り人族のヒーラーが滅多にいない事実から察しろよ!

なんだか僕をそっちのけに二人の間に魔術論争が始まった。ていうか女の子の方エルフだったのか、そういえば大きなリボンに隠れて見えなかったけど耳が尖っている。

そうだ、僕は目の前にいる人の種族ですら知らないのになんで一緒に机囲ってお茶飲んでるんだ。

「あの〜」恐る恐る手を挙げた「そもそもあなた達誰ですか」

ピタリと二人の動きが止まった、すごい困惑した様子だが、僕も困惑してるんだよ

「おいどういう事だアルバート、こいつは何も知らないのか?」赤目の男ががアルバートさんを睨む

「あれ?変だな、君の入ったパーティーのメンバーに合わせるって昨日言ったじゃないか、リーダー達の簡単な説明もしたし」

え?マジか。昨日?

「でも僕昨日の記憶アルバートさんとお酒を飲んだ事ぐらいしか覚えてないんですけど……」

「アル、イルカ君を飲みに連れ出したの?もう!一般人がアルの酒量に付き合えるわけがないじゃない」

女の子が顔を顰める。

「おいおい、まさか舵取り屋ギルドに入った事も覚えてないっつー事ないよなぁ」赤目の男が詰めよってくる

「なんの事言ってるかわかってないんですけど……多分そのまさかです……」

あちゃーといった様子でアルバートさんが頭を抱えた




盛大なため息や額を叩く動作の後、やっと初対面の人達の間で交わされるべき行事が行われた。自己紹介だ。

「俺はアリスター。舵取り屋ギルドに所属しているソーサラーだ。」赤目の改造人間――アリスターさんがてをのばしてきたので握手する。やっぱり金属製の硬い感触だった。

「あたしはルナシア、同じく舵取り屋所属、これからよろしくねイルカ君」にっこり微笑みながら自己紹介してくれたのはお人形のように愛らしい金髪のエルフの女の子、ルナシアちゃん

「いや〜本当にすまない、まさか記憶が飛ぶ程飲ませてしまったとは、あ、俺の事は覚えてるよな」アルバートさんが眉を下げて謝ってくる

「はい、まあ薦められるがまま僕も悪いですから」

「いやいや、朝迎えに行くのがもう少し早ければ誤解は無かったのに本当にすまない」

「いえいえ、状況を確認もせず外に飛び出した僕も悪いですよ」

「いやいや」

「いえいえ」

「いや…

「いえ…

「オホン」

アリスターさんの咳払いで謎の謝り合いは終わった。

「とりあえず舵取り屋から説明するぞ」

「あ、はいお願いします」

僕は慌て姿勢を正した。






次は説明会かな

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