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第二話:アルバートさん

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幻境コンバイン 二話

とりあえず下宿に戻る、方向感覚はいい方なので道は覚えている。昨日の晩何があったか知りたいし、情報の整理がしたい、後お腹が空いた、お金はないが皿洗いしたら何かにありつけるかもしれない。

ヨルムンガンドは広い都市だ、山を改造した都市らしく大体の構図はウェディングケーキみたいな感じだ。最下層はまだ行ってないが見た感じ第二層が平民街、城門と下宿。第三層が市場、学校やギルド、役所。その上は昨日トロッコで見た感じでは小綺麗な建物が多いので貴族街かもしれない、最高層にはヨルムンガンドを象徴する黒牙の塔が建っている。ゴタゴタした建築物も多いが緑も多く残っており、山育ちの僕にとっては親しみを感じる。

カラフルな石畳も珍しく白だけ踏んで進むゲームをしているうちに気分も晴れて来て下宿に着いた頃には別に冒険者にならずともここで下働きをしながら暮らすのもいい気がしてきた。

いや…いけない。せめて冒険者カードの行方だけは探し出さなくては。あれは先生が書いた案内状で取ったカードだ。盗まれて悪用されたり黒市に売り飛ばされたりしていたら先生は悲しむだろうし何より迷惑がかかる。しっかりしなくては。両手でパンと顔を叩き覚悟を決めて下宿の門に入ろうとした時:

「すみません……」

消え入りそうな声が聞こえた。

「?」振り返るとそこにはヤマト風の衣装を纏った小柄な男がいた。長い黒髪が後ろに無造作に括られている。

「ああ」目があった瞬間何故かうめき声をあげられた。失礼な。

「すみません……店の方ですか?」木枯らしのような声で男が聞いてくる。黙って首を振った。

「嗚呼……」またうめき声をあげながら男はふらふらと店の奥に入る

大丈夫なのだろうか。ひょっとしたら2日酔いだろうか。後を追って中に入ろうとした時、店から中原の服を着た少女が飛び出して来た。

「あ!いたヨ!探したヨ!」片言の共用語を話しながら僕を指差す。

「僕?」自分を指差してみるとコクコクと少女は頷く。

「お客サン、ご飯食べずにどこいってたノ?アルバートサンもう待ってるヨ?」

そういって早くヨ早くヨと中へ追い立てられた。この子は店の子なのか?朝カウンターにいた子同じ様な服を着ていたから制服なのかもしれない。

いやその前にこの子なんて言った?変な訛りに気を取られスルーしそうになったが今アルバートさんって言わなかったか?

その答えは部屋に戻ってすぐ検証された。

「アルバートさん!」

硬い木のベットに腰掛けていたのは燃える様な赤毛に褐色の肌の男。間違えなく昨日僕をこの街に連れてきた自称ギルドの職員!

「よう」

そう言って立ち上がったアルバートさんを見て僕も即座に構えを取った。

「?何してんだ?」

「気づきませんでしたよ、あなたが偽物の職員だなんて」

「なんかピリピリしてるな?どうした?」

「惚けないでください!人を騙しておきながら…ともかく僕の冒険者カードは返してもらいます」

魔力を手先に集中させる。ボオと音を立て僕の焔の羽を持つ鳥が現れた。旅の途中でゴロツキに絡まれた時はこれを見せるだけで相手の方から逃げ出して楽だった。

「動かないでくださいね、さもなくばこちらも容赦しません」

しかし目の前の相手は明らかにそんなに楽な相手ではない、怖がるどころか、おお!と何か思い出した様子でポケットに手を伸ばす。

「火炎弾!」

「うおっ!」

火の玉が地面を焦がす

「ちっ!避けられたか」

「いや、いきなり何すんだ!」

「動かないでくださいって言ったでしょう」

続けざまに火球を打つさっきよりも威力は上げている、しかしそれは部屋にある椅子を弾けさせただけだった。

「いや、危ないってイルカ君」声は焦っているがこの人すごく簡単に避けていた、手慣れだな。ならば

「風刃!」

風が空気を切り裂く、火炎弾よりもっと早く赤毛のに襲いかかった攻撃は、キンと音を立て斬り伏せられた。

「な!」

天井から黒服の男が飛び降りてきたのだ。

「おい、クソガキ何やってる」攻撃を防いだのは鉄扇だった。その奇妙な武器を構え黒服の男は僕とアルバートさんの間にはいる

「迂闊でした!仲間もいたのですね……」

ふうっと息を吐き魔力をさらに手に込めた、旋風が僕の周りに起きる。

「ほう…やる気か?」

黒服の男が笑い腰を落とす

僕が警戒心を高めたその時

「いやいや、二人とも落ち着けって!」

アーノルドさんが何かを取り出して叫んだ、

反射的に旋風が全て発動する、唸り声を立て四散するそれらは部屋の全てを切り裂く、しかし彼は軽々と全てを避けた。距離が一気に縮められた。しまった 覚悟を決めたその時、アーノルドさんの手が目の前でピタッと止まる

「ほら」

その手に握られていたのは刃物などではなく

「あんたの探し物」

金縁の緑のカード、冒険者カードだった。

「あれ?」

もしかしたら僕は何かを勘違いしてたのか?


まだ本題入れてない

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