251.捕縛
黒幕らしきものを捕縛したという報告を聞いたのは王都に入った瞬間だった。
姿がわからないのによく分かる捕縛出来たなと思ったけど、黒幕にあってみたら原因がはっきりした。
ゴッテスフルスの兵士が黒幕と引き換えに命乞いをしてきたのだ。
ゴッテスフルスの兵士たちは大人しくしており、その横で凄い形相の少年がぐるぐる巻きで転がされていた。
この少年が黒幕なのか。
少年とは思っていたけど、僕と同じぐらいだとは思わなかった。もっと幼いかと思っていた。
この世界に来て、チート能力があれば僕もこの少年のようになっていたかもしれない。魔法がすぐに使えなくてよかった。
「お前がヴォルフか? この縄をほどいてくれ!」
どういう思考になったら僕が助けると思うんだろうか。
「殺してしまう方があと腐れなくていいのでは?」
ユキノが久しぶりに雪女らしく冷たい言葉を放つ。
殺すという言葉を聞いて少年は顔色が悪くなった。散々人の命を奪ってきて自分が殺されない自身はどこからくるんだろうか?
「味方にも裏切られているんですから、このまま生かしておく価値はないですよ」
カルラまで……。
僕もそうは思うけど、このまま殺してもいいのかな? 普通はこの戦争の原因を作った犯人として、晒した上で処刑するのが筋なのではないだろうか。
戦犯と言われている人に全部の責任は無いものの、負けたら負けたで責任を取る人はどうしても必要になる。
そうしないと戦争に関わった人たちの間で深い溝が生まれ、長い時間をかけてもうまらないことを僕は前世の歴史から知っている。
「殺しておこう」
「な!」
抗議の声が上がった瞬間にユキノが氷付けにしていた。
「あとゴッテスフルスの兵士の処遇ですが、どうしますか?」
兵士たちはユキノが一瞬で黒幕を殺した様子に怯えているようだ。
「無罪放免というわけには行かないから投獄だね」
しばらく投獄するのには意味がある。
黒幕が人間を操れるスキルを持っているから、ゴッテスフルスの兵士のふりをして身代わりを用意したケースを考慮した。
「恩情感謝します」
ゴッテスフルスの隊長と思わしき人がお礼を述べた。
宰相の兵士たちが兵士を連行していく。
「終わりましたね」
カルラの言葉でこの戦争がなんで起きたのかおもいだした。
クライマックス!




