225.緞帳
ちと短いです。
ジラフ王子との軍議を終えた僕たちは、早速作戦の実行に移った。
シメキタとゴッテスフルスの帝都を結ぶ街道の封鎖はバルド将軍に任せた。バルド将軍の兵は錬度が他の兵士たちとは段違いなので、一番の激戦が予想される地域に配置した。
最大の危険は最大の戦果をあげるためのチャンスでもあるため、ジラフ王子も立候補したのだが、僕が断った。
僕の指揮する第一軍は退路の確保をする役割もあるため、シメキタとビルネンベルクを繋ぐ街道、ジラフ王子の第三軍はシメキタと山間部の山村を繋ぐ街道を封鎖した。
山間部には鉱山があると思われ、そこから支援物資が来ることはないと思うけど、念のために配置されている。
シメキタには簡易な防護柵が築かれており、街の内部にはゴッテスフルス軍が常駐していると思われた。
「クロ。念のために聞くけど、計算ノードは生きてる?」
「すべて反応ありません」
「やはり、こちらの手札はバレていると思った方がいいね」
「向こうから侵入してくる気配は?」
「ありません」
ハッキングに相当するようなことはまだ出来ていないようだ。こちらにも備えがあるので、簡単には乗っ取られたりはしないが、至近距離から高頻度で上書きされるとコントロール下から外れてしまう。
「計算ノードの制圧はクロに一任するね」
前世と違い電子戦は現実世界の制圧も必要になる。計算ノードの制圧に忙殺されるクロを守りつつ、シメキタへ進軍する必要がある。
「じゃあ、作戦開始!」
僕たちは一斉に動き始めた。
ミレニアム問題のひとつ、リーマン予想の証明が公開されたと聞いて、少し解説を見ましたが、今度こそ証明されちゃいそうで興奮してます!




