第7話 幻魔の扉その1
7–1 能力者の館その1
あれから1週間くらいがたった。
あの日以来、俺は真未ちゃんの姿は見ていない。
あの日の夜、真未ちゃんは家から出ていった。
その後じいちゃんと話し合ったようで、じいちゃんは、事情も居場所も知っている。
彼女は俺に、会いたくないようだ。
どんな理由だろうと。
とりあえず、今はなんとなく心に穴が開いている気分だった。
朝の席は、再び二人分しか使われなくなった。
「なぁユズ」
「うん?」
「今日は、学校から帰ったら話したいことがある」
「話したいこと?」
「〝幻魔の扉〟についてな。真未君に能力を与えたものが動き出した以上、こちらも行動を起こさなければならない」
幻魔の扉。
初めて能力を身につけた日に聞いた話だが、改めて詳しく話し合うらしい。
開いたものに神に等しき力を授けるという幻魔の扉。
「菊池君と篠宮君はわしが連絡つけておく。ユズは麗華君を呼んでおいてくれないか?」
「わかった」
「頼んだぞ」
「あぁ、行ってきます」
「よぉ〜、ユズ。久しぶりじゃねぇか」
朝のいつもの角で、亮平と会う。
「おう、久しぶりだな。もう大丈夫だぜ」
こいつの顔を見るのも、本当に久々な気がする。
「あぁ、そうだ!お前がいない間にビッグニュースだぜ!ユズ!」
暑苦しい顔面とバカでかい声。
「なんだよ?ビッグニュースって」
「転校生だよ、転校生!なんでもドイツからの転校生らしくてよ。サッカー部の奴らの間じゃめちゃくちゃかわいいって噂でよ!」
「かわいい?女なのか?」
「あぁ、それでさらに驚くなよ?その子どうやら、うちのクラスに入ってくるらしいぜ!」
「まじかよ…わざわざドイツからこんな田舎にねぇ。何しにきたんだか」
「さ、さぁな」
教室に入ると、俺の後ろの席には真新しい机が置かれていた。
きっと転校生のものだろう。
「よぉーし、出席とるぞ〜。ん、浅間!もう具合はいいのか?」
「はい、ご心配お掛けしました。もう大丈夫です」
「そうか、ん?浅間の後ろ…一人いないな」
「転校生の子、まだ来ていないみたいです」
「そうか、まぁいい。んじゃHR始めるぞー」
転校生は、休み…か。
期待してたわけじゃないけど、拍子抜けって感じだな。
久しぶりの学校だったけど、一応勉強はついていけた。
家でも暇だったので、予習復習をやっておいたのだった。
土曜の授業は半日で終わりなので、午後はサッカー部の練習がある亮平とはそこで別れた。
帰りに、麗華さんを誘って帰路についた。
「そう、扉についてきちんと話したいと」
「ええ、いずれ真未ちゃんが言っていた男も動き出すと思いますし」
「扉の解放…ね。なんとなく胡散臭っていうか、しっくりこないわね。神に等しき力を授ける、だなんて」
「それは僕も思います。具体的にどんなことが起こるのか、見当もつきませんし」
幻魔の扉。
この目で見るまでは一体どんなものなのか、さっぱりわからない。
「おう、ユズおかえり。麗華君もいらっしゃい」
「お邪魔します」
家に着くと、既に菊池さんと真妃瑠さんが待っていた。
「よし、全員揃ったな」
更新が大幅に遅れてしまい申し訳ありませんでした。忙しい日々が続いており、なかなか時間が確保できませんでした。これからも精進していく所存なのでどうか応援お願いします。




