第6話 アフターケアは丁重にその2
6–2 アフターケアは丁重にその2
「さてと…」
録画していたアニメを観終わり、病院の予約の時間になった。
…約30分のアニメを観ている間、彼女は無言でずっとアニメを観たり、ボーッとしたりしていた。
なんだか、大して親しくないけど仕方なく子ども同士で遊ばされている親戚同士みたいな距離感だ…
俺の方が年上…だよな?
「じゃあ…そろそろ病院に…」
「私も行きます」
「えっ?」
何ィ⁉︎
「い、いやでも。回覧板とか回ってきたら大変だし」
「私が受け取った方が大変だと思います。それに、なんだか一人でいるのは…」
なんとなく暗い顔になるのがわかったので、仕方なく一緒に行くことにした。
チィッ!
時刻は9時半…
花粉症の人は狂い悶えるような季節であろうか。
ピークは過ぎたか?
町を歩いている感じは、麗華さんと一緒にいるときとはまた違う感じだった。
し、しかしなぁ…
彼女は今、俺の中学の頃のジャージを着ている。
普通、ジャージで外に出るのはある程度抵抗がある行為じゃないのかな…
問題はジャージだけではない。
それは遡ること昨日の夜のこと…
「大丈夫…かな?」
「…」
彼女はゆっくりコクンと頷いた。
いきなり俺の鎖骨を粉砕した女の子が泣き出すものだから僕は焦りましたよ、ええ。
まぁそのときは彼女の言葉で頭がいっぱいだったのだが…
「じいちゃん、あの子は?」
「あぁ、あまりに汚れた服だったんでシャワーを浴びてもらっておる」
おい
まぁ俺は今日風呂には入れないだろうから幸いか…
だがな、じじい
今晩の洗濯当番は俺なんだよ…!
「あ、あれぇ…?ぼ、僕が洗濯するのかなぁ…⁉︎」
「当り前じゃろ、当番なの忘れたのか?若いのにボケてるなよ」
一言余計だくそじじい。
そんなこともあって、今日の朝まで彼女が家に住むことを忘れていた。
年頃の男子に女子の洗濯をさせるとは…
どんな神経してやがるあいつ…
と、いうことはだ。
彼女はあのクソダサいジャージの下に俺の(もしくはじいちゃんの)下着を着けているわけだ。
こいつの神経も大分やべぇ…!!!
いや、まさか着ていないのでは…?
それはそれでまたやばい。
なんて間抜けな考えを巡らせている内に病院に到着した。
この時間帯の接骨院なんて、やはりおじいちゃんおばあちゃんばかりだ。
むしろ幸いだな。
学校やクラスの人に見られでもしたら終わりだぜ…
特に、亮平なんかはな。
「じゃあ…待合室で待ってて」
「はい…」
「よかったよ…怪我の程度はそんなにひどくなくて」
全治は約二週間。
少しヒビが入る程度だったそうだが、無理をするわけにはいかないので、少し安静にするべきか。
…。家に帰るということは、もちろん着た道を辿るということ。
つまりまた二人きりで…
「くっそー…がっこう行けないなぁー」
どうでもいい言葉で場を濁す。
「あの…」
「…?」
「なんて呼んだらいい…ですか?」
「ええっ。好きに呼んでいいよ。あと、敬語じゃなくていいから」
「!あ、ありがとう」
少し、明るくなったかな?
昨日は痛めつけないのね…とか言ってたのによー。
あれから、吹っ切れたのかな。
まぁ明るく振舞ってくれた方が変に気を遣わなくて楽かもしれんが。
年下のいとこが来たと思えばいいさ。




