第4話 彼岸花その1
4–1 彼岸花その1
チチチチ…
小鳥の囀り。
あぁ、なんと清々しい朝だろう…
日曜に限って早起きになってしまう…
宿題は終わった。
朝飯も作った。
フハハ、暇。
「あーあ、なんだか最近忙しいというか激しいというかなぁ…」
そう、俺は本来地味でそこまで目立つことはないやつだった。
だいたい学級委員を三回くらいやった程度。
亮平という暑苦しい友人はいるが、俺もありふれた学生の一人…だった。
この電気の能力は、俺が持つ特別な能力。
そう、もう俺はただの一般人ではない。
この能力を俺が持ってしまったんだ。
この何の取り柄も特長もない俺が。
だからせめて、ほんの少しでも役立てたい。
この能力を、上手く誰かの為に使ってやりたいんだ。
あの少女は、どんな気持ちで能力を使うのだろう…。
「おうユズ。早起きじゃな」
じいちゃんが起きてきた。
そうか、まだ6時前か。
「うん、おはよう。そういやじいちゃん。昨日は聞きそびれたけど、麗華さんに何をしたんだ?」
昨日麗華が言っていた。
確か…そう。
「確か、記憶を見てもらったとか…。そんな能力が?」
「あぁ、わしも驚いたよ。まさかこんな成長をするとは。触れた者の記憶を、断片的にではあるが見ることができた」
「ん…その言い方だと、あんまり自由は効かなそうだね」
「うむ、天啓の閃きかもしれんが、またまだ使いこなすには至っておらん」
やはり、能力には成長という概念があるものの、詳しいことは不明瞭だ。
「じゃあ、言ってくるね」
「おう、言ってらっしゃい」
昨日に引き続き、例の少女について調べる事になっている。
しかし菊池さんと篠宮さんは仕事らしい。
ので、今日は麗華さんとの二人となる。
「曇り…か」
昨日は照りつける太陽が疎ましかったが、今日は少し肌寒い。
四月というのは不便な季節だ。
ふと、自販機が目に入る。
うむむ、四月の曇りに買う飲み物…
中々チョイスに迷うな。
「うーん、コンポタか?朝から炭酸は気が引けるしなぁ」
そんな事をしていた俺は、麗華さんとの約束の時間などすっかり忘れていたのだった。




