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終わらない時間旅行物語  作者: 下川
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須磨創一 2

* * *

 須磨創一、否、須磨殿は私の家で働くこととなった。表向きだけの使用人だが、それでも一日中何をするでもなく私の部屋に居ては、彼の素性が疑われるだろう。というか、この髪形を何とかしなければならない。もひかんと言う、この珍妙な髪形を。

「須磨殿、その髪型、何とかできぬのか?」

 須磨殿は頭に手をやる。これですか、と言う須磨殿を見ながら、心の中でまで殿をつけているとどうにもやりにくいと思う。……では心の中では呼び捨てにさせてもらおう。創一、と。

「この髪を下せばまあなんとか……」

「では、下してください」

「水があるといいのですが」

 水ならそこに井戸がある、と私が教えてやると、創一はふらっと立ち上がって部屋から出ようとした。

「待った、着替えてください!」

 服装も珍妙である。

「父上のものを借りてきますから!」

「ばれやしませんか?」

「たくさん持っているから、大丈夫です」

 私は急いで立ち上がる。

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