都市伝説って、その舞台の環境と合わないものも多いよね。
おかしすぎる都市伝説が出ます。
さて、空が白んできて、夜明けの日が昇るのもそろそろなこの時間。
私の右には妃姫子さん。
その更に右には駆柳君。
そして、
「クロロロロロ……………」
後ろには、白衣を着たゾンビもいる。
って、
「どんな状況っ?!」
「簡単に言うともう一波乱ってことですね」
「説明ありがとう、妃姫子さん」
「いえいえ」
まあでも、天下無敵の弧月君がいるから安心………………、
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
総番どうしたぁぁぁぁっっっ?!
あの傲岸不遜な弧月君はどこに消えた?!
「無理だって!俺バ○オハザードも出来ねえのにリアルであんなのの相手なんて!!!」
「「うそぉ?!」」
ヘタレだった!
駆柳君意外とヘタレだった!!
あれ?
駆柳君?
何を徐に後退りしているの?
「戦略的撤退!!」
逃げた?!
てっ、足速ぁ!?(非公式記録100メートル7秒3)
それに遅れて、私と妃姫子さんも走る。
「ちょっ、ちょっとぉっ?!
「どこへ行くんですか?!」
「鍵がかかるとこで手近ならどこだって良い!!」
だったら一つ心当たりが。
「じゃあ、あそこですね!」
あれ?
妃姫子さんも心当たりがあるみたい?
「「じゃあトイレ!!」」
こうしてさっき出てきたトイレへ逆戻りをすることになった。
そしてトイレの個室に三人揃って駆け込むこと数分。
ようやく落ち着いた駆柳君が口を開いた。
「ありゃあ、『ゾンビ看護師』だな」
………………。
「そのまんま過ぎない?!」
何の捻りもない。
「ゾンビ看護師ってのはな、深夜の学校に出没し、運悪く見つかった人間を追いまわして、捕まった人間は車椅子に乗せられ永遠にひかれつづけるっつう都市伝説だ」
「へー、そうなんですか。………なんで看護師なのに学校?」
「うん。私は無視なんだね?」
ハブですか?
私はハブなんですか?
「なんで看護師がゾンビ化して学校にいるかは知らん。都市伝説なんてそんなもんだ。ああ、そうそう。邦恵ちゃんをハブにするのは置いといて「置いとくな」、言い忘れたことがあった」
「何ですか?先輩」
駆柳君は一呼吸置き、
「まあ、今の話も例に漏れず、その手の追いかけられる系の話ってのは、大概トイレに追い込まれるんだ。で、しかも上を見ると………」
そう言って上を見た弧月君の顔は引きつっていた。
うん。
どういう状況かすぐにわかるね。
だから見ない!(現実逃避)
ポタッ、ポタッ
ああ、ほらもう。
明らかに涎と思われる液体が上から落ちてきているもん。
確定でしょ?
「あれ?そういえば駆柳君は?」
さっき顔を引きつらせたのを見てから視界にいない。
「先輩ならそこに」
「ん?」
妃姫子さんが指すその先、つまり下を見ると、
「ぶくぶくぶくぶくぶく」
泡を吹いて倒れている駆柳君がいた。
「「そこまで駄目?!」」
思わず二人で突っ込んでしまった。
ゾンビ看護師。
………なぜゾンビとはいえ、看護師が学校に。
あ、ゾンビ看護師の説明は、次回します。