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コックリさんお出でください!  作者: 逸環
トイレの花子さん
10/13

予想外な人が、予想外なことをすることってあるよね。

ゾンビ看護師


夜の校舎内をうろつき、見つけた者をトイレまで追い込むゾンビな看護師。

捕まった者は車椅子に乗せられ、永遠に押され続ける。


なんで看護師なのに学校が舞台なのかは謎。

まあ、都市伝説なんてそんなもの。

「てっ!?うわぁぁぁっっ!?爪ぇ!?」



うるさいだろうけどしょうがない。


だって今、目の前に爪があぁぁっ!!!

うわっ?!

ちょっとかすった?!



「痛いっ!?」



ああ!

妃姫子さんも……て、おい。



「今爪があたったの、髪だよね?」


「大事な髪が切られて心が痛かったんです!!」



なるほど。

でもそんなことよりも、誰でも良いからヘェェェルプゥゥゥッッ!!!


そう思った瞬間、



「………は~なこさ~ん……………」



床に倒れたままの駆柳君が、ボソッと言葉を発する。



ズドンッ

ブシュアァッ



「GYAOOOOOO!!!!!」


「「アメコミ?!」」



突如響いた轟音、そして血を出して落ちるゾンビ看護師の右腕。


でも、今のはたぶん銃声。

足元にはゾンビの右腕と弧月君、それとまだ熱い薬莢。

便器の中には銃を握る手。

すぐ隣には妃姫子さん。


それだけなのに、いったい誰が?!



「………て、あれ?」



便器の中に、銃と手?

視界に再び便器を入れると、



「ごめんなさいまし。お呼びになったのは、貴方方ですか?」



便器から人の上半身が生えていた。



「ちょっと?!嫌な表現をしないでくださる?!」


「ごめんなさい」



現れた人は雪華さんだった。



「でも、どうやって便器から?後その銃もどうして?」


「あら?おじ様から聞いてませんの?」


「え?何を?」



なに?

この人、なんか大事そうなことを私に教えていなかったわけ?



「あ、ちょ、踏んでる。邦恵ちゃん、俺の顔踏んでる」



おっと、つい。



「邦恵ちゃんおかしい、強くなってる。踏む力強くなってる」



おっと、つい。



「ちょっと?あれ?聞こえてる?イタタタタタタタタタッッ!?なんかまた強くなってるよ?!」


「………おじ様はまあ、ほっておくとしまして、わたくしのことを説明いたしましょう」



お、待ってました。



「あらためまして、わたくしの名前は『なばり 雪華せつか』。二代目『トイレの花子さん』ですわ」



ああ、だから駆柳君がボソッと言ったことに反応してこれたわけなのね。

なるほどなるほど。


……………二代目?


あ、そうそう。



「早いとこ、あれ倒してくれます?」


「おかしいな!?弱まるどころかどんどん強くなってるよ!?なんかメリメリいってるしぃぃぃっっ!?」



足元でわめくのを無視して、私の指差した先には、



「グオォォォォォ………」



上腕から先のない腕を押さえて、呻いてるゾンビが居た。

トイレのドアは、撃った時の衝撃で開いてしまったらしい。

せめて鍵が仕事しろよ。



「精神衛生上良くないです」



この光景は本当にきつい。

て言うか、



「衛生ですって?!任せてください!!!」



トイレの花子さんだからって、衛生面張り切りすぎでしょ………。



ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!



ゾンビは弾4発でこの世から姿を消した。

そして今になって気づいた。


銃の口径半端じゃないでしょ?

あれ。



「48口径ですわ」



大きすぎる………。

その細腕のどこにそんな力が………?


そんなことを考えている内に駆柳君が目を覚まして、「さーて、帰って寝酒だ」とか言ってフラリといなくなり、「先輩待ってくださーい」と言って妃姫子さんもその後を追って居なくなった。


後に残された私と雪華さんは、



「表に車を用意してあるので、ご一緒にどうぞ?」


「あ、すいません」



一緒に帰ることになった。

こうして、本当に夜は明けた。



ちなみに、その車とはベントレー(ベンツ以上の超高級車)だった。





以上、『トイレの花子さん』でした。


次回はまた登場人物紹介として、ふふ。

雪華の名前の由来が分かる人はいるのでしょうか。

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