プロローグ
君が大好きだ
大好きなんだ
こんなにも胸が痛いくらい
君が大好きだって胸が、体が叫んでいる
こんなこと初めてで今でも頭がゴチャゴチャになって
ねぇ、どうしたら良いと思う?
教えてよ…
・*・*・*・
「ねぇ、大丈夫?」
頭上から男の子の大きな声が降りかかってくる
うるさいな…
こんな朝っぱらから
そんな心の中で悪態をつきながらも重い頭を上げることもできず、私は頭を机に預けたまま
つまり、無視をしている
まぁ、ほっとけばどっか行くでしょ
どうでも良いし…
「ねぇ!ねえってば!」
「さっきからうるさいんだよ!」
ダンッ
私の手が机を揺らす
その一瞬で教室中がシンッと静まり返る
みんなが私を見る
視界にはおどろいたよ驚いたように目を見晴らす男の子
真っ黒でサラサラとした美しい髪
鼻筋が通った顔
これが俗にいうイケメン様
私を心配して王子様気取りかよ
腹が立つ
私は踵を返してドアを勢いよく開け、廊下に出る
「あっ、待って!」
後ろからまた声が聞こえたような気がしたが無視を決め込みいつもの「秘密基地」へ向かう。
・*・*・*・*・
秘密基地、それは私が一人でいるために探し回った場所
ここは西にある旧校舎でだれもくることがないし先生も滅多にここは通らない
まさに一人には最適ってわけ
さっきのまんまだと教室に戻りにくいしさぼり常習犯の私は気にも止めないだろう