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第4話 レ【Re:】 中編

特になし

「ちょっと待ってくれないかな」


遠くの方で聞こえてきたその声には、どこか安心感を感じた。


ホームズ「ワトソン...来てくれたのか?」


ワトソン「一応合流する予定だったからね。今回はお邪魔そうだったから草葉の陰から見守っていたんだが、雲行きが怪しくなってきたのでね。出しゃばりに来たよ。」


清隆「これはこれは、ホームズさんの腰巾着と定評のあるワトソンさん...お会いできて光栄です。といっても先の言葉の意味合いでは、あなたは幽霊になって出てきた意味になってしまいますがね。まぁ、私はそれでもかまいませんが。」


ワトソン「すまない、清隆君。この作者もハンターハンター連載再開の吉報に浮かれててね。どうも幽白のパロディをしたいと躍起になっているようだ。」


ホームズ「無駄話ももういいだろう...そろそろ本題に移ろう。君の言う通りVIVAN:ゲームの申し出を受けよう。だから、アイリーンは解放してくれないか。」


清隆「いや、それは断る。あなたの実力を過小評価してはいない。彼女を逃がせば、あなた一人ならいくらでも逃げ果せる。それだけの実力は所有しているはずだ。でもいいじゃないかですか。勝負はギャラリーがいるほうが盛り上がるでしょう。」


ホームズ「説得は無理か・・・わかった。それじゃVIVAN:ゲームを行うにあたり聞かせてもらおうじゃないか、今回の問題を・・・」


清隆「分かりました。」


問題

考察界隈でも話題となった考察・・・ドレミの考察。イム様の直属の部下がドレミの音階+鳥の名前を持つもので構成されているといった考察。ドはドフラミンゴ、ミはミホークといった具合に。今回の問題はレ+○○...これについて私が予想している名前は一体なんなのかについて当てていただく趣旨となります。

*今回の問題もあくまで作者の妄想であり、的中しているものとは限りません。また、作者の考えでは、音階+鳥の名前縛りではございませんのであしからず。本来、皆様にも予想していただくための前編と後編に分けるつもりが、長くなりすぎたため中編となってしまいました。でも、今回はおそらく皆様の中にも的中させる方が出てくると思っております。それでは、挑戦したい方は頑張ってみてください。


ワトソン「ちょっと待ってくれ清隆君。この問題はあまりにも君に有利すぎる上に、そもそも君が考えている答えという真偽が分からない限り、答え自体を変えられてしまう危険性がある。この点についてはどう考えているのかね。」


清隆「その点については、安心してください。既に私の答えを記載した封筒を時雨さんにお渡ししております。その封筒に書いてある答えが今回の問題の答えとなっているので、私にはもう変えようがありません。」


ホームズ「さすがは最年少VIVAN、抜かりはないようだね。もっともそんなことをしなくても、そこに限っては君を信頼しているよ。問題を当てられたからといって変える程度の者にVIVANはコードネームを与えたりしないからね。」


ワトソン「待ってくれホームズ。さすがに今回は分が悪すぎる。いくら君でも当てるのは不可能に近いぞ。」


アイリーン「いや、僕は君ならやってのけると思っているよ。」


ホームズ「アイリーン、君もそう思って...うん...僕?...お前まさか...エルドナか?」


エルドナ「久々に君に会えて僕は嬉しいよ。君はいやかもしれないが、僕は欲しがりでね...なにせ強欲だからね。でも誤解しないでくれよ。君との約束は守っているつもりだよ。僕は尽くす女だからね。ちゃんと顕現条件は満たしているよ。君がそばにいること。もしくは、アイリーンの身に危険が生じた場合・・・今回はその二つともをちゃんと守っている。僕は、この勝負...君に分があると考えているよ。まぁ、たとえ分が悪くても君には受けてほしいのだけれどね。僕は見たいんだよ。君が僕を負かしたときのような・・・あの極限状態さながらのときに発する君のオーラ。そして研ぎ澄まされていく眼を。大丈夫さ。仮に君が負けたとしてアイリーンだけは僕が守る。君との約束だからね。」


時雨「さぁ、ギャラリーも望んでいるようなので、そろそろ始めて頂きたいのですが。」


ワトソン「待ってくれ、今回は私にも解答権がほしい。」


清隆「分かりました。それで納得していただけるのなら構いません。それでは始めますか。お互いのプライドをかけたVIVAN:ゲームを。」


時雨「それでは、両者戦いの宣誓を!」


ホームズ「アゴナヤ ティン エピシミア(欲望のために戦い)」


清隆「ニキヤ ティン エピシミア(欲望のために勝利する)」


ホームズ&清隆「オルキゾ メッソン VIVAN(VIVANに誓って)」


VIVAN:ゲーム開始

_______________________________________________

ホームズ(さぁ、始まってしまったからには勝つしかない。しかし、どうする。質問かヒントか...だが、このゲームは彼にとっては、予てより備えていたもの。ヒントでは恐らく煙に巻かれてしまうだろう。だからと言って質問をするにしても、何を質問する?この戦いの勝敗を握る鍵はここにありそうな気がする。)


ワトソン「ホームズ...ここは、私の解答権の権利を存分に使おう。ODENさんの考察では、レピーコックもしくはレピーヘンだと言われている。とりあえずは、これが正解かどうか見極めなければ先へは進めそうにない。私の解答権を使用して、真偽のほどを確かめてみないかい。」


ホームズ「分かったよワトソン。さして意味があるとも思えないが、万が一の可能性もある。なんせ最年少でVIVANのコードネームを付与された男だからね。生半可な答えを用意しているとは思えないよ。」


ワトソン「時雨さん、解答権を使うよ。レ+○○...この問題の答えはレピーコック。違いますか?」


ワトソンの解答を聞き、うすっらと笑みを浮かべた時雨はゆっくりとこう答える。


時雨「不正解ですわ。ワトソンさん。」


ワトソン「すまないホームズ。外してしまった。」


ホームズ「やはり、レピーコックではなかったか。まぁ、メタ的に考えてもここでODENさんの考察を真似る意味が全くない。そんなことのために、この作者は話数を割かない。長く続けたとて利益を享受できるわけではないからね。何かしら伝えたいことがあるからこそのVIVAN。そして何よりVIVANが追い求めているのは、正解ではなく可能性・・・いま考察界にないナニカ、これを提供していくのが、この作品の醍醐味でもある。」


ワトソン「しかし、どうするホームズ。レピーコックではないと分かった今、答えは無数に存在する。この状況で答えを導き出すのは、砂漠でダイヤを探すより難しいぞ。」


ホームズ「そこで、ワトソン。質問の出番だよ。解答の候補の範囲を絞っていこう。清隆君。VIVANポイントを使用して質問をおこなうよ。質問の内容は、『レ+○○...この○○のなかには動物の名前が含まれているかどうか?』について質問したい。」


清隆「分かりました。その質問に対しての解答は『すくなくとも鳥の名前ではない』現状では、こう答えることしかできません。嘘をつきたくはありませんので。」


ワトソン「ふざけるなよ清隆君。それは、私の解答でおおよその予想はついていた。だからこその質問だろう。」


ホームズ「落ちついてくれワトソン。彼の主張はおおむね正しいよ。それに、わずかながらのヒントを与えてくれているしね。」


清隆(さすがはホームズさん。それに気づいたみたいですね。まぁたとえそれが分かったところで、答えの候補は膨大なままなんですけどね。)


ホームズ(さすがは清隆君、ヒントではなく質問でも抜け目がない。だが、今ので少しだけ範囲は狭まった。彼は少なくとも鳥の名前ではないと答えたあとに、嘘をつきたくはありません・・・と。これは、私に的を絞らせないためではなく、おそらく・・・自分と他人とで、動物という曖昧なくくりの中での差異を心配しての発言。そう...人間は動物に含まれるかどうかの境界線は人それぞれ違うのではないかを考慮しての発言だろう。しかし、参った・・・仮に人間であった場合でも答えは多岐に渡る。)


そう困りながらもホームズは、エルドナ(アイリーン)を見つめながら考えに耽っていた。それは、ほんの数秒間のことであったのだが、ホームズはどこか覚悟を決めたような面持をしていた。


ホームズ「仕方がない。ひさびさに”あのモード”に入るか。もう君を失いたくはないからね。」


そう言うと、ホームズは徐に額をトントン叩き始めた。


清隆「ワンピースがエルバフ編に入ったのを記念して、ファブルの真似事ですか?」


ホームズ「本物のファブルのように6秒で解ければよいのだが、やはり、そう簡単にはいかないね。でも何事にも必要だと思うのだよ清隆君。スイッチを入れる動作というものは。」


そうゆうとホームズは瞑想をしながら、トントンと額を叩き続ける。


エルドナ「あぁ~この空気感...たまらない。来るよ。察人兵器と恐れられた・・・彼の本気が。」


時雨「本...気?」


清隆(うん...なんだ・・・蜃気楼?ホームズの周りの空間がどこか歪んで...いる?」


キンコン・・・キンコン・・・キンコン


どこからか、かすかに聞こえてくる速度警告音のようなメロディー


キンコン・・・キンコン・・・キンコン


ワトソン(始まったな。私も耳にしたのは初めてだが、こんな感じなのか。ホームズの頭の回転速度(ギア)が極限まで高まったときに発する警告音。この警告音が鳴り響くときにのみ、ホームズの真の姿が見れると言われている。)


警告音の響きが段々大きくなるにつれ、ホームズの周囲に黒閃のような稲光が迸る。


清隆「まさか、あり得るのか?ポワロさんから昔聞いたことがある。極限まで考察色の覇気を極めたものの中に、稀に空間を歪ませるほどの黒閃を放つVIVANがいると・・・バカな・・・俺でさえ到達できない高みにホームズ...あなたはいるのか。」


ホームズ「かつてワンピースに挑んだ男がいた。男は肉体を鍛え、精神を鍛え、技を鍛えた。だが、それでも届かぬ高みがあった。その後もその男は、幾百、幾千もの考察を拝謁したが、自身の望む答えを得ることができなかった。しかし、男は諦めるわけにはいかなかった。だから修行を重ねた果て、ひとつ...答えにたどり着いた。他人の考察で答えを導き出せないのなら、自分が考察者になればいい・・・と。」


キンコン・・・キンコン・・・キンコン


警告音がさらに轟を増す。それと同時に周囲の黒閃が激しさを増していく。その中心にいるホームズは、ただただ精悍と佇んで、推理に没頭している。


エルドナ「あぁ...来るよ。あれが・・・僕を負かしたとき以来だ。何年ぶりだろうか。その悍ましいほどのオーラ、恐ろしいほどの鋭い眼光、そして人智を超越した推理力・・・あぁ...どうしよう・・・やはり抑えられない・・・僕は強欲だからね。その力...ほしい・・・君は...僕のものだ。」


清隆「いったい...何が起きようとしているんだ!?」


ホームズは突如片腕を上げ、こう言い放つ。


ホームズ「真の最強を・・・その身に刻め・・・これぞ我が最強・・・アイ・アム・・・()()()()()()()


その言葉と同時に指を鳴らす。直後、周囲の黒閃が波紋のように散らばっていった。それに驚く周り者たちは、腕で覆うもの、屈むもの、反応はそれぞれであったが、唯一清隆だけは、固まっていた・・・目の前にいる人間が放つ、あまりにも禍々しいオーラにあっけにとられていた。


ホームズ「あいからずこのモード(ディテクティブモード)は、萎えるぜ。」


清隆「本当にあれの姿は...人間のそれなのか?」


清隆が驚くのも無理もなく。ホームズの姿はどこか人間離れしていた。顔には謎の紋章のようなものが刻まれており、髪も少し長くなっている。また、ゾオン系の覚醒フォルムに出る、羽衣のようなものを纏っておりどこか神秘的な姿であった。


ホームズ「次の質問で決めるぜぇ。どちらにしろこれが最後の質問になる。さぁ始めようか、ファイナルフェイズを・・・」


                レ【Re:】 中編 完




書いていて思いましたが、エルドナの件は読者の想像だけではあまりにも無理があると思いましたので補足します。


アイリーン・A(Ambivert)・ドラー

本作のメインヒロイン。ホームズとワトソンとは高校時代からの知り合い。*この時期はまだコードネームを付与されていませんが、実を言うと名前を決めかねているため便宜上そうします。


アイリーンは昔から内気な性格であり、友達も少なかった。その内気な性格となった要因の一つが、彼女の両親がある宗教団体に嵌ってしまったからでもあった。アイリーン自身は関わりたくないと思っていたため、両親とはあまり積極的にかかわっておらず、周囲からは趣味に没頭するオタク気質な根暗な女性と思われていた。ところが、ある日を境に状況が一変してしまう。それは彼女が持つ能力のひとつ”瞬間記憶能力者”であることが団体にばれてしまったのである。その団体は、彼女の能力を利用しようと、彼女の両親を使役し半ば強引に宗教団体の活動に参加させていた。そこでの活動があまりにも苦痛極まりなかった彼女であったが、彼女自身の能力でもある瞬間記憶能力のせいで、忘れたくても忘れられないという地獄の日々を過ごしていた。やがて、精神の限界に達した彼女は、無意識のうちというべきか・・・防衛反応というべきなのだろうか・・・もう一つの人格を芽生えるさせることにより、乗り越えようとしてしまったのだ。そのもう一つの人格がエルドナであり、エルドナ状態の時の彼女は、アイリーンとは記憶は繋がっておらず、また、アイリーンと違い、周囲の者を道具としか考えない非情な性格であったため、宗教団体自体を手中に収め、自身の都合の良い手駒にしてしまえばよいと考えたエルドナは、その天才的ともいえる洗脳能力により、瞬く間に宗教団体を自分の支配下に置いた。エルドナ自身は、アイリーンのことだけは姉妹のように大切に思っており、学校生活のみは主人各であるアイリーンに人格を明け渡していた。そして、ひょんなことから偶然、ホームズはアイリーンと出会い、一目惚れしてしまったホームズは、彼女を助けるために、エルドナ率いる宗教団体と対峙し壊滅させる。その際に、ホームズは初めてディテクティブモードを顕現させたのだが・・・


一応こんな感じの設定がありますが、本編で描かれることはありません。また、VIVANは会員制クラブと似ており、フリーメイソンやメンサに近いシステムを導入しております。各地に支部のようなものが建設されており、学生もクラブの一環として申請すれば、VIVANの活動に参加できるという設定にしました。これは後付けです。実を言うと、本編のVIVANはスターウォーズでいうところのエピソード4くらいのものを切り取って描いている感じです。やはり、さすがは第4話といったところ・・・後書きも無駄に長くなってしまった。後編は11月17日に投稿予定にしたいです。こんなに長い話にする予定はなかったのですが許せ、そして俺にゆっくり書かせてくれ。ということで、また。

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