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第4話 レ【Re:】 前編

OP2 「頼ラック」


過ぎてゆくんだ今日も

このVIVANの通りに

限りある話数すうじが減るように

美しい文字数すうじが増えるように


思い出の宝庫

古いものは棚の奥に

埃を被っているのに

誇りが光って見えるように


されど

By my side

不安 喝采 連帯

濁ったりの考察地帯

グワングワンになる

作者の倦怠感

茶番 ホームズ 急展開


あほに似た

すっぱいギャグと頼ラック

君を待つよ ”ここ”でね

痛み出す人生 ふたりの傷も

愛おしく思いたい


当てる宛てもないのに

過信してしまう僕らは

何を経て 何を得て

VIVAN(おとな)になってゆくんだろう


雨が降るアラバスタに

争いが止むように

意味の無い事は無いと

信じて作ろうか

_________________________________________________________________________________________________________________

*ありのまま今起こった事を話すぜ。前編と後編の2部編成にしようと思ったら、いつのまにか中編ができていた。な...何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

と言うことで、本当に無駄に長くなりそうな第4話。実を言うと考察を見たい方は後編だけを見れば問題ありませんが、私の我がままに付き合ってくださるのであれば、前編からお楽しみください。

_________________________________________________________________________________________________________________


私は今、久々に休暇を満喫している。ワトソンと一緒に、隣町の杜阿茶町の憩いの場として愛されているショッピングモール・ギオンモールショッピングセンターに来ていた。私は、そのギオンモールのテナントの一つである、明解堂を訪れていた。明解堂自体は、私の住んでいる阿笠町にもあるのだが、ワトソンが突然、ギオンショッピングモールに行きたいと提案して来たので、私は今ここにいるのであった。


明解堂にいる理由は一つ、本日発売される古田一シリーズの一つ...『考察と言う勿れ』の最新刊が発売されるからである。しかし、この本を出版しているモンク社は不思議である。というのも、まったくと言っていいほどヒット作が無く、この古田一シリーズさえ、私しか買っていないのではないかと錯覚してしまうほどの無名の作品である。なぜ、このような作品がシリーズ化されているのかは世界七不思議のひとつと認定しても差し支えないほどの謎だ。もし、この作品をユーチューブのコメント欄で見ていた方が、読者の方にいらっしゃるのであれば、あなたには私の古参ファンの称号を与えたいと思う。まぁそんな人は一人もいないはずだが・・・


しかし、あれだな...本当に見つからない、品ぞろいの多いギオンモールの明解堂でさえ、まったく見つからないとなると、いよいよ入荷しなくなったのではないかと疑ってしまう。ふと、遠くの本棚に目をやると、それらしきものが視界に入った。その本は、もう既に一冊しか残っておらず...いや、一冊しか入荷していないと考えるのが妥当か...まぁ、よい。とりあえずさっさと手に入れなければ。他の者の手に渡る前に・・・


そう思い、急いでその本棚へと向かった。


ホームズ「よし、これで『考察と言う勿れ』はわが手中に...」

そう手を伸ばし、その本を取ろうとしたとき、反対側から手が伸びてきてぶつかってしまった。


ホームズ「すいません。急いでいたもので周りの状況も確認しておらず...お怪我はありませんか?」

そう言って、横に振り向くと、私は思わず驚いてしまった。そう...その相手が私の意中の人であったからだ。


???「あら、もしかして、ホームズ君?」


ホームズ「あの...もしかして、アイリーンさん...?」

私は緊張のあまり、惚けた振りをしてしまった。実に2年ぶりの再会であったからだ。あっちは久々だったので確認の素振りを見せたが、こっちは一瞬でアイリーンだと気付いてしまっていた。その事実を彼女に勘付かれたくなかった。もちろんそのような心情もあっての行動だと頭では理解していた。


緊張のあまり声を出せずにいたため、少し間だが沈黙が走った。しびれを切らしたかのように、彼女の方から話しかけて来た。


アイリーン「久しぶりねホームズ。あまり変わってなくて安心したわ。古田一シリーズの最新刊を入手しようとするあたり...相変わらず推理オタクを続けているみたいね。」


ホームズ「君こそ、なんでここにいるんだい?君も阿笠町の住人だろう?」


アイリーン「ワトソン君がね。久しぶり連絡を寄越してきて、今度の休みに一緒にギオンモールでも行かないかと誘われてね。落ち合う場所は現地でって約束だったのだけれど、さっき遅れるとメールがあったわ。」


ホームズ(おのれワトソン...さては貴様の策略だな。許せん。あとで説教せねば。)


アイリーン「で、あんたこそなんでギオンモールにいるのよ?明解堂は阿笠町にもあるでしょ。」


ホームズ「ああ、それなら、先ほど訪れていたよ。でも、さすがわ『考察と言う勿れ』といったところか売り切れていてね。こっちのお店にならあるのではないかと思い。今しがた訪ねに来たわけだよ。」


我ながら嘘が上手くなったものだと感心している。ばれる気配はなかろうかと彼女の様子を窺うと、ふと視線の下に少女がいることに気づいた。


ホームズ「そちらの女の子はどちら様で?」


アイリーン「ギオンショッピングモールで迷子になって泣いているのを見かけてね。一緒に迷子センターに行きましょうと提案したんだけど、どうしても先に購入したい本があるって聞かなくてね。それで、明解堂で『考察と言う勿れ』を買おうとここに来たわけよ。」


ホームズ「ほぅ・・・その年で『考察と言う勿れ』の面白さに気づくとは、将来が楽しみな子ですな。ちなみにお名前を聞いてもよろしいかな?」


???「はい、私は時雨累トキサメ ルイと申します。好きな本はシャーロックホームズシリーズやアガサクリスティーの作品集ですわ。さきほど、ホームズさんとお聞きしましたけどあなたもファンでして?」


ホームズ「いかにもですとも時雨嬢、その年で既にそれほどの作品をお読みとは・・・敬服致します。きっと将来は素晴らしいシャーロキアンになられることでしょうな。」


ルイ「あなたこそ、『考察と言う勿れ』の面白さに気づくとは、実に見どころのある殿方とお見受けしますわ。」


そんな言葉をいったい誰から習ったんだと不思議に思うが、小学校高学年くらいの年にして、既にいくつもの推理小説を読破してしまう少女であるならばありえなくもないかと無理やり納得させた。目当ての本を購入し感慨に耽っているとアイリーンから誘いの話が来た。


アイリーン「そうだ!久々に会ったんだから、ショッピングモールのスターフォックスコーヒーにでも寄ってお茶しましょうよ。」


ホームズ「おまえなぁ。今しがた自分で言ったばかりだろう。迷子になっている子を届けるって、そっちの要件の方が先だろ。」


ルイ「いえ、御気に為さらないでください。それに私も興味ありますわ。お二人がどんな会話をするのかを。」


そう言って彼女は、アイリーンには気づかれないように、私にウインクしてきたのであった。まさか、私の心を読み取り、意図を組んでのことなのだろうか。齢9歳にして、ここまでのことができる少女に若干恐ろしさを感じるも、その提案に甘えさせてもらった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スターフォックスコーヒーにて


アイリーン「ほんとに久々の再会ね。懐かしいわ。学生時代はあなたとワトソン君のコンビに私もよく

巻き込まれていたわね。」


ホームズ「どうゆうわけか、意図せず君は事件に巻き込まれてしまうケースが多くてね。困っている人を放っておけない君の習性がそのきっかけを作っているのかもしれないね。」


アイリーン「大きなお世話よ。それにしてもホームズ・・・どうしてあなた...私に連絡を寄越さないのよ。VIVAN時代はよく、ワトソン君と一緒に暴れまわっていたじゃない。そして何か困ったことが起こるたびに私に連絡を寄越してきては、半ば強引に事件に巻き込んでいたじゃない。まぁ、でもそのおかげでワトソン君やポワロさんとも仲良くなれたのだけれど。」


ホームズ「すまないアイリーン...正直いうと...君にどの面下げて会いに行けばいいのか分からなかった。君をあんな事件に巻き込んでおいて・・・危険にさらしてしまったからね」


アイリーン「そのアホ面下げて会いにこればよかったじゃない。だいたい私は気にしてはないわよ。それにあの事件は、もともとは私が招いたものよ。まぁ因果応報ってやつね。誰のせいにもするつもりはないわ。」


トキサメ「あの事件とは?どういった事件ですの?」


アイリーン「いや、話せば長くなるからこの話はいいわ。まぁ簡潔に言えば身から出た錆、身内周りのごたごたよ。そこにホームズが乱入しごちゃごちゃにしたってだけの話。」


ホームズ「あの時のことは反省してるよ。自分でも軽率な行動をとってしまったと...よく考えてから行動すればよかったとね。」


アイリーン「そんなことよりホームズ・・・ワトソンから聞いたわよ。ポワロさんとの件。貴方達まだ和解してないの?いいかげん引きずるのやめたら...いい大人がなさけないわよ。まぁポワロさんの方は、もう随分前から許しているそうだけど。」


ホームズ「それはそれはありがた~いご忠告をどうも。善処いたしますよ」


アイリーン「それにしても、あの決闘から、もう3年もたつのね。今なお伝説と語り継がれるあなたとポワロの決闘も私の耳にはまだ新しいわ...」


トキサメ「伝説の決闘とは、もしかしてD...の件ですか?」


アイリーン「あら、累ちゃんの耳にも届いているとは驚きね。そう...Dについて互いの見解を述べた恐ろしい戦いだったわ。どちらも鬼気迫るものだったと言われていた。まぁ勝敗の行方は、所詮は考察...どちらが正解かなどわかるはずもなく引き分けで決着となったわ。まぁそこの坊やは納得していない見たいだけれど。」


ホームズ「あれは、問題のテーマがよくなかったんだよ。まだ、答えが明かされていないもので戦っても勝敗などつけられるものでもなく、引き分けに同意せざる終えなかったよ。」


などと1,2時間ほど談笑をしていると、トキサメさんの携帯が鳴った。


トキサメ「お母さま...いまどこにいるかですって?スターフォックスコーヒーですわ。えぇ...わかりました。B棟の裏口の階段広場ですね。そこに車を止めるから来てと・・・わかりました。」


どうやら、お母さんとの連絡が取れたようだ。携帯があるのなら最初から使用すればよかったのにと、ホームズは内心思ってしまったが・・・この作者が考えているはずもなく・・・全くライブ感とはおそろしいものである。


アイリーン「ここまで来たのなら、最後まで付き合うわトキサメちゃん。B棟の階段広場だったわね!行くわよホームズ。」


ホームズ「はいはい...仰せの通りに」


トキサメ「ありがとうございます。」


スターフォックスコーヒーを出て、階段広場へと赴いた。そこに着くと、迎えに来ている人の様子はなく、若い一人の男性がこちらに向かって歩いているのが確認できた。


ホームズ(あれがトキサメちゃんのお父さんかな?いや、父にしてはあまりに若すぎる。お兄さんなのかな。)


ホームズが一通りの推理を考えていると、その若い男性はもう既にこちらの近くまで来ていた。男性の目線の先がトキサメちゃんであったことを考えると、やはり兄妹かなにかだろうなと安心するのも束の間、その彼から予想外の言葉が放たれた。


???「さすがは、時雨さん。作戦通り二人をここに連れてきてくださり助かりました。」


あまりにも突飛な発言に、私とアイリーンは一瞬固まってしまった。そして、時雨さんの方を振り向くと、アイリーンに人差し指を向けてこう言い放った。


時雨「動かないでくださいますかアイリーンさん。できれば傷つけたくはないのですよ。なにせ、あなたは私たちの大切な人質なのですから。そう、今から行われるVIVAN;ゲームの賭けの対象になっていただくためのね。」


アイリーン「何を言ってるのよルイちゃん。それに賭けの対象って...」


ホームズ「何を企んでいるのかはわからないが、あまりセンスのある遊びとは思えないね。それに、人差し指で何ができるっていうn...」


バキューン・・・そう音が聞こえた。気づくとホームズの頬に何かが翳めた形跡があり、血が滴り始めていた。


時雨「人差し指からビームを撃てるのは、幽白時代からの常識ですわ。ホームズ君」


ホームズ「おいおいおい、いつからこの作品は能力バトルものになったんだい...聞いてないぜ...そんな設定は」


???「これで、わかってもらえたんじゃないないかな。逃げることはできないと。要求は簡単だよ。今から僕とゲームをしてもらいたい。VIVAN:ゲームを...勝敗に関係なく彼女は解放するよ。君をおびき寄せるためだけの材料だったからね。」


アイリーン「人を材料呼ばわりとは失礼ね。」


時雨「それは、後で私からも注意しておきますわ。そして、やっと舞台が整いましたわ。これでよろしいのでしょう?最年少でVIVANのコードネームを付与された・・・考察ルームの最高傑作と謳われた...本物の天才の称号G(Genuine)のミドルネームを与えられたVIVAN...綾小・G・清隆君」


清隆「えぇ。ここから先は私一人で大丈夫です。ご協力感謝致します。時雨さん...いや、それともこう呼ぶべきですかね。救済の魔女さん。」


ホームズ「まさか・・・うわさで耳にしたことがある。少女のような容姿をしたVIVANが数々の難事件を解決し、依頼者を救済していく様から、救済の魔女の異名を授かったVIVANがいると...」


時雨「お初にお目にかかります、ホームズ様。救済の魔女の異名を持つVIVAN...『時雨・R・うい』と申します。VIVANよりR(Requiem)の称号を承っております。以後お見知り置きを。」


そう言って深々と頭を下げる少女はどこかママみを感じる大人びた雰囲気を醸し出していた。それを見たホームズはその異名が嘘ではないことを確信したと同時に、このVIVAN:ゲームからは避けられないことを悟った。


清隆「さぁ、自己紹介もほどほどに...そろそろはじめようか...VIVAN:ゲームを」


              第4話 レ【Re:】 前編 完

ということで、いよいよVIVAN:ゲームが始まっていきます。中編が問題編で後編が謎解き編となります。現在制作中です。予定は10月26日に中編 11月3日に後編を投稿したいと思っておりますが果たしてどうなってしまうのか。ひとつ確定しているのは、この作品が今年中に終わらないということだけです。いつの間にか100PV超えてましたが、この程度の規模なら当初予定していた計画通りに事を運ぶことができそうです。

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