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サムライロード  作者: 蛍火千花
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同盟

 ヤマトの国、世界で最も東の土地にある島国でそこが俺の故郷だった。だが今おれは遥か西のセレス大陸にあるセレス王国の首都「セレスニア」という場所にいた。理由は仕事だ、俺の仕えるヤマトの将軍家の姫君、「サクラ姫」とセレス王国の王子「アレックス・アーデン」がヤマトとセレスとの同盟をより強固なものにするという名目で政略結婚する事となった。

 ヤマトの国は歴史は長く、一つの民族が千年以上国を統治する世界的に見ても極めて珍しい国だった。一方セレスは国ができてからまだ日が浅く現国王「リチャード・アーデン」がセレスの多種にわたる民族をまとめ上げ一つの国家としての礎を築いた。対極とも思える二つの国が同盟を結んだ理由はとある大国に対抗するためであった。


 カルダニア帝国、帝王ヴィクトルの名において世界を意のままに牛耳る事を目標に掲げ世界各地に軍事侵攻を続けていた。ヤマトの国も例外ではなく8年前、

俺が初陣となった戦場で俺は直接、カルダニア帝国軍と戦った、100万を超える圧倒的兵力を誇る帝国軍の進撃は凄まじく、ヤマトの最高戦力である

「サムライ」部隊の必死の抵抗により何とか一時的な休戦まで持ち込む事に成功した。初陣だった俺はその戦いで15歳ながら手柄をあげ、名誉ある「サムライ」になった。サムライになって8年、サクラ姫の護衛として初めて海の向こう側の大陸、セレスに来た俺は内心、少しワクワクしていた。だが初めて移動する列車に乗った隣にいるサクラ姫の興奮ぶりには叶わなかった。


「わー!スゴイスゴイ‼みてユキナガ、スゴイ速さで移動している!」


初めて移動する列車に興奮を隠しきれていない姫は初めて雪をみた子供のようにはしゃいでいた。

すると「姫様、あまり騒がないで下さい・・は、はしたないですよ」と姫の侍女であり幼馴染のカヤがサクラ姫にボソボソ言いながら注意した。


だが案の定、「なにぃ!?聞こえなーい」と姫様に返されていた。


姫、窓から顔をだすとあぶないですよ。


そう俺も注意しようか悩んだがあんなに楽しそうな姫を俺は黙って見守ることにした姫といってもまだ16歳の少女、まだ会ったことのない男性と結婚しなくてはいけない事実に不安を抱いていてもおかしくない。これで少しでも姫様の気が紛れるならそっとしておこう。


「ユ、ユキナガ様も何か言ってください」


「まあずっと外の世界に憧れていた姫様があれだけ楽しんでいるんだそれに異国の王子と結婚するんだ。割とあれぐらい砕けた感じで丁度いいんじゃないか?」


「しかし、、」


カヤは臆病な性格ではあるが、気の優しい女性だ、礼儀正しく思いやりのある彼女に姫様も信頼を寄せている。侍女といっても戦闘はからっきしなのでどちらかと言うと姫様の姉的存在だ。


「みてみろカヤ!さっき見た建物がもうあんなに小さくなっているぞ!」


「あらあら、本当ですね。」


「世界は広いな、私の知らない事だらけだ。」


「なあユキナガ、どうして戦争なんて人はするんだろうな」


あんなにはしゃいでいた姫様の顔に少し曇りが見えた、人はなぜ戦争をするのか戦争をする理由事態は様々だ、土地や資源を奪う為、政治的対立、宗教や文化の違い、経済的要因など挙げだすとキリがない。カルダニアが軍事侵攻を続ける理由も恐らく領土拡大が目的だろう。だが戦争を始める理由としては。


「おそらく怖いからだと思いますよ姫」


「怖い?」


「ええ、自分の知らない、理解できないものは怖く恐ろしいものです。」

「だから壊す、奪う、殺しつくすのです。」


「すごく愚かな思想だな、知らないなら知ればいい、理解できないなら関わらなければいい。自分が気に入らないから殺す世界では、いつまでも平和にならない。」


「みながそう聡明ではないのです」


マモナクー、セレスチュウオウエキ セレス…


終点、「セレス中央駅」に着こうとしていた。


「さあ行きましょう姫、そんな落ち込んだ姿を見せると婿殿に愛想つかされてしまいますよ。」


「ああそうだな、いこうユキナガ、カヤ王宮までの護衛たのんだぞ!」


『はっ』


ユキナガ シドウ・・・のちに世に「サムライロード」という異名で歴史に名を残した英雄の御話である。















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