過去2
その友達の家からの帰り道。
夕方頃だったと思うが、外は暗かったのを覚えている。
友達の家から歩いて徒歩10分ほど。
するとチリンッという音と共に「きたよっ」と自転車でなんと追いかけてくれたのだ。
「どうしたの?」と聞くと彼は「送る」と言ってくれた。
その時の驚きと嬉しさとやったぜ!の気持ちは忘れない。
道中、あまり会話はなかったように思う。彼が自転車を降りて一緒に歩いてくれていた。
10分が短く感じた。子供だったが、ゆっくりゆっくり歩きたかったし、家まで着かないでほしいと
思っていただろう。
そしてとうとうホワホワした時間は終わり、家に着いてしまった。
小学生なんて頭は働かないし、家の前でおしゃべりなんてこと思いつかなく、そのまま彼は
自転車に乗り行ってしまった…
なんで引き止めなかったんだ自分…!バカたれ!!!
今更言っても遅いってわかりますよ、でも幼馴染と結婚してる人や大人になって付き合ってる人が
多くいるのを知った時、彼のことをもっと大切にしておけばと今でも後悔しています。
嫌な別れ方をしてしまったので…私が悪いのですが…。
私は人気者の彼と両想いになったことで、調子に乗ってしまったのでしょう。
そんな優しい彼との別れを境に、呪われているかのように男性とのご縁がなく、相手が最悪だったりで
甘い思い出は私の中で小学校高学年で止まっています。
しかし、その彼とは中学校も同じになったのです。
―――――中学生時代――――――
今でもよく覚えている、入学式の日。
髪の毛を結ってくれた母。
私は特に髪の毛にこだわりがなかったのでお任せにしていた。
そして入学式が始まり、体育館に入場していく…
すると広範囲で小さい笑い声とかすかに聞こえる「かわいー」の声。
何事かと思ったがよく観察していると、どうも私が的のようだ。
耳に神経を集中させ、入場しながら恥ずかしさと混乱を抑えながら原因は何かと考えた。
おでこ丸出しのツインテール。
今日の髪型だった。
こだわりが無さ過ぎたせいで招いた中学生デビューだった。
続く