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はてなボックス殺人事件 問題編

※ 今回はだいぶ長めです

〈現場見取り図〉

挿絵(By みてみん)


被害者:森川 勇五郎

スーパートニオという国民的人気を誇るゲームの熱烈な愛好家。二十六歳。

夢中になるあまり、スーパートニオのゲーム内に出るアイテムボックス的なものである『はてなボックス』に似せた、1.5メートル四方の箱を自分の手で作って飾っていた。この箱は下部に衝撃を与えると中身が上から飛び出すようになっていると友人らによく自慢していた。


発見時の状況

被害者宅に招かれていた友人ら四人が第一発見者。

被害者宅に到着したところ被害者の反応がなく、玄関の鍵が開いていたため勝手に入った。なお被害者は出迎えを面倒がるタチの人間だったらしく、「反応がなくても鍵が開いてたら勝手に入ってくれていいぞ」と友人らに度々言っていたらしい。不用心ではないかと友人らは忠告していたが、「友人との約束がある日にしか鍵は開けていない」と被害者は答えていた。

基本的に被害者は自室にこもっているらしく、発見時も普段と同じように被害者の自室に向かったが、そこにも被害者の姿はなかった。

ただ、『はてなボックス』が閉じており何か入っていそうだったため、被害者はそこに隠れて驚かそうとしているのだろうと友人らは考えた。そこで箱を叩いてみたところ、箱の上部が開き被害者の遺体が現れた。箱は人体ほどの重量を飛び出させる機能を持っていなかったため、遺体は中途半端に飛び出して引っかかることとなった。

遺体は喉にナイフが刺さっており、体を丸めるようにして『はてなボックス』に収まっていた。遺体が流した致死量の血は全て『はてなボックス』内に残留しており、箱の中で死亡したものと見て間違いない。

ナイフは被害者宅に元から存在したもので、被害者の指紋しか付着していなかった。

『はてなボックス』の構造上、一度蓋を閉めてしまえば内部からは開けられない。箱自体の飛び出しギミックも内部で引っかかった場合開かない。逆に言えば、中から押さえてしまえば外からも開けられない。外から相当強い力をかければ多少の隙間は生まれるためナイフはねじ込めるはずだが、喉には絶対に届かない。

『はてなボックス』の横には、スーパートニオの作中に出てくる残機増加の果物のぬいぐるみが転がっていた。

被害者宅のカレンダーは、今月のものだけ不自然に破り取られていた。

また、被害者の部屋には設定時間ごとに音が鳴る時計があり、本来は毎夜午前零時にのみ鳴るはずなのだが、設定が変えられ正午にも鳴るようになっていた。この時計には一度乱暴に掛け外された形跡があった。

部屋には多少の争った形跡があったが血痕はなかった。家探しされた痕跡もなく、金品も手つかずの状態だった。


事件の捜査過程

検死では死亡時刻は昨日より前に遡ることはないという話だったが、被害者は四日前から活動の痕跡が一切なかった。

被害者が普段家に招き入れていたのは第一発見者となった友人らのみであると判明した。

また被害者の身辺でのトラブルを調べたところ、第一発見者となった友人の一人と最近女性関係で激しい口論になっていたことが判明したが、その友人にはここ二、三日――とりわけ死亡時刻近辺の鉄壁のアリバイがあった。他の第一発見者にはアリバイのない者もいたが、殺人の動機になり得るようなトラブルは認められなかった。(隠れた動機はないものとする)


【問題】

被害者はどのように死に至ったのだろうか。

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