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長老は望んでいない
初めてみた瞬間から私は彼に失望した。彼の周りには禍々しい何かがあったからだ。そう、魔物がいた。彼は私の前に魔物を連れてきた。驚き、恐怖のあまり階段を駆け上った私を見た彼は笑った。そして、私の座っていた場所を念入りに探し始める。やめてくれ、そこには私の孫にあげるはずだった指輪が入っている!頼む。やめてくれ!頼むから、、、、。私の孫は魔物
に遭遇してしまい、そのまま旅立ってしまった。あの指輪はあの子の形見だ。だが、無惨にも箱の中の指輪は彼の手の中に消えてしまう。こんな勇者のために私たちは苦しまねばならないのか。取り返したいが彼の周りにはまだ魔物がいる。孫の命を奪った魔物に私は立ち向かうことができない。私は彼に、いや、そんな臆病な自分に腹が立つ。