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雨の日の新事実
ストロベリームーンも終わって、
梅雨の時期になった。
皆は、この時期が嫌いだ。と言うけど
僕はこの時期が案外好きだ。
僕は、傘を差しながら、家に帰ろうとしていたら、
玄関で少し遠い場所に如月さんを見かけた。
よし、がんばって声を掛けてみよう。
「如月さ」
と、僕が呼びかける途中で男が僕の真横を
走って行った。
「ごめん、ごめん。部活が長引いちゃって。」
「ううん。全然大丈夫だよ。」
「ヤバッ。傘忘れてきたから貸してくんね?。」
「うん、いいよ。」
と、如月さんは言い。男と一緒に
相合い傘をしながら、歩いて行った。
「恥ずっ。」
「そうだね。凄い恥ずかしい。」
何だか、凄く親密そうだ。
僕に春の桜ロードで如月さんが言っていた友達とは
この男なんじゃないか?と思った。
ああ、そうだよな如月さんみたいな、
素敵な人に彼氏が居ない訳無いもんな。
僕は何を期待していたんだろう?。
本当に僕は、バカみたいだ。
降りしきる雨は、
僕の感情を表しているみたいだった。