僕の決心
ストロベリームーンを見た翌日。
図書室で如月さんと会って話をした。
「昨日の月、綺麗だったよね。」
「うん。凄く綺麗だった。」
「ストロベリームーンっていう名前の
月だったらしいね。弥生くん知ってた?」
「うん。知ってたよ。」
知ってて誘おうとしたんだから。
「月といったらこんな話知ってる?。」
「ん?何?。」
「月が綺麗ですね。っていう台詞。」
桜ちゃんがその台詞を如月さんに言ってみたら?。
と、言っていたがどういう意味なんだろう?
「その台詞どういう意味なの?。」
「夏目漱石がi love youを月が綺麗ですね。
と、訳したからそれが今でも告白の台詞に
なっているんだって。」
桜ちゃんは、そんな恥ずかしい台詞を
僕に言わそうとしていたのか。
「まぁ今知ってる人は、よほどの本好きじゃないと
この台詞を知らないと思うけどね。」
「うん、そうだと思う。」
僕も、その台詞を知らない人の一人だった。
この台詞に、こんな深い意味があったことを、
僕は今まで知らなかった。
来年のストロベリームーンには、如月さんを誘って
桜ちゃんから勧められたこの台詞を言ってみたい。
いや、絶対言う。
恥ずかしいし、僕の柄じゃないけれど、
必ず言ってみせる。




